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ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

京都の旅の楽しみ方。すぐ近くに感じる清少納言の「枕草子」の情景。

2011-09-07 | 旅行
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京都に暮らして、素敵だなぁと思うのは、この場所が古典文学の舞台であることを実感するとき。

たとえば、清少納言の「枕草子」の一節は、散歩をすると、思わず浮かんできます。



『春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく 山ぎは、少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる・・』

春に限らず、雨が降った次の朝は、東山に沿うように低く雲が浮かんでいます。

「この景色を清少納言も見たのかな?」

東京育ちのミモロには、京都に来るまで目にしたことがない景色です。
「町の中に暮らしているのに、すぐ近くで、こんな景色が見られるなんて、京都って素敵だね」



ミモロは、朝のお散歩のとき、疎水にかかる橋の上から、東山を眺めるのが大好き。
朝にしか見られない景色です。

京都に来たら、歴史的建造物や寺社仏閣の見学、美術館の鑑賞、お買い物、季節の料理と共に、楽しんでほしいのが、自然のうつろい。
四季のうつろいだけでなく、時間のうつろいがとても心に響きます。


市街地からも、周囲の山が見える京都。時と共に、山の色や趣も変化してゆきます。
ぜひ、ときどき見上げてください。


『夏は夜。月のころはさらなり、やみもなほ。蛍の多く飛びちがいたる、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし…』


「この夏、蛍見たね。白川に夜、飛んでたよー。かすかな光が幻想的だったぁー」
そうね、ミモロもこの夏、初めて蛍を見ました。それも家のすぐ近く・・・。
「家のそばで蛍が飛ぶなんて、田舎以外ではないことだよねー」といたく感激していました。


『秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、からすの寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり…』


「これも見たことあるね。夕日は西山に沈んだけど、その時、山が大きく、すぐそばに感じられるよね。カラスもよく飛んでるよね」。

『・・・日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言うべきにあらず…』

「あ、これも・・・最近、虫の声が夜、よく聞こえるよね。清少納言が聞いた虫と一緒かなぁ?鈴虫?もう秋が近いってことだね。平安時代の人たちが見た情景を今も、見て、同じように感じることができるって、スゴイ!」
ミモロは、『枕草子』の書き出し部分を読みながら、自分の体験とひとつひとつ照らし合わせてゆきます。

『冬はつとめて。雪の降りたるは言うべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでも・・・』

ミモロは、冬の部分を読みながら「わー。京都の冬って寒そうだねぇー。どうしようー」
まだ、京都の冬を体験していないミモロは、残暑の中にいながら、震え始めました。

突然、タンスに行って、なにかゴソゴソ探しているよう。


なにしてるの?

「冬に備えて、セーターのチェックしてたの・・・。だって寒そうなんだもの・・・」

本当に気が早いミモロです。まだ先よ。
でも本当に寒いんだって、京都の冬は・・・。
「ゾー、ブルッ」ミモロは、また震えました。

*京都の旅の楽しみ方:古典文学や京都を舞台にした小説やエッセイなどを読むと、いっそう興味深いものに。川端康成の「古都」、梶井基次郎の「檸檬」なども、もう一度読み返して、北山や寺町を歩くと、面白いと思います。大人の京都旅は、なにかテーマがあるといっそう楽しめますよ。

コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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ご無沙汰です>< (ゆりママ)
2011-09-08 09:21:43
喧噪の真只中にいる身には、古典文学の世界に住んでいるミモロちゃんは本当に羨ましい限りです落ち込むことの多い日々ですが、癒しの意味も含めて、拝見しています!
先日の台風は大丈夫でしたか?日本人は、この小さな国土の中で、絶えず自然の力に翻弄され続けて来たんですよね..永々たる古来よりの営みの中、自然への畏敬の念を忘れてしまったことへの警鐘が、今年は多く鳴らされているような気がします
京都の風景を見ていると、日本人の原点の生活がそこにあるようで、私も懐かしさと共にそういう生活から、遠く隔たってしまった我が身に焦燥感さえ覚える昨今です
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すべて過ぎゆくこと・・・ (mimoro)
2011-09-08 10:41:15
本当に、今年は、いろいろありますね。京都は、台風は大丈夫でした。でも和歌山や奈良の被害が気がかりですね。どんなことが起こっても、「すべて過ぎゆくこと・・・」。以前本で読んだことがある言葉が胸に沁みます。ミモロもときどき落ち込みます。「また食べすぎちゃった・・・」とかで・・・。でも次の日には、お腹が空きます。どんなことが起こっても、体の細胞は、活動していて、その人が幸せになるように、一生懸命、体調を整えようとしてくれています。人間の体は、幸せになるようにできている・・・そう思うと気分が軽くなるミモロです。
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生きて行きましょう! (ゆりママ)
2011-09-08 11:26:52
素敵なレスありがとうございました本当に落ち込んでいても仕方のないこと、本当に苦しいときは時の流れに身を任せることも大切なことかもしれません!明けない夜はない!と実感する今日この頃です。
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