ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

江戸時代創業のほうき、タワシの老舗「桔梗利 内藤商店」。憧れのシュロの箒(ほうき)

2015-02-13 | 老舗

京都、三条大橋のそばに、以前から、ミモロが気になるお店があります。
古い町家のその店先には、棕櫚(シュロ)でできたタワシや竹の庭箒などが並んでいます。
「ほうき屋さん?」今は、珍しい箒、タワシ、ブラシなどの日用品の専門店「桔梗利 内藤商店」です。

文政元年(1818)創業というお店で、現在は、7代目の店主が、稼業を営んでいます。

古い風情を漂わす店の建物は、昭和初期に建てられたもの。そもそもこの場所に店ができたのは、近所の三条大橋が東海道の京都の終着点であり、近くに流れる高瀬川から、資材や商品の搬送が好都合であったこと、また、多くの人たちが行きかう場所という立地によるものだそう。

 
箒やタワシなどの品々のディスプレーの仕方も、昔からのやり方で…。それが、今は、いっそう店の前を通る人の目を惹きつけています。

お店には、歴史を物語る品々も…。
 
「なんかタイムスリップした感じ…」とミモロ。京都でも、こういう雰囲気のお店は、少なくなりました。 

さて、棕櫚は、ヤシ科の常緑高木。「あ、宮崎なんかでよく見る南国的な木でしょ!」とミモロ。確かに、ヤシの木のように、大きな葉を木の上の方に広げる棕櫚は、南国のイメージに重なります。でも、実は、なかなかどうして寒さにも強く、東北地方でも、しっかり栽培されているのだそう。

原産国は、中国から東南アジア地域といわれ、日本に渡来したのは、かなり昔といわれ、渡来時期は、不明と植物図鑑に…。
清少納言が「枕草子」に、棕櫚の木のことを記しているそうで、それからすると、渡来植物の中でも、かなり古いものと言えます。

江戸時代、貝原益軒が「大和本草」の中で、棕櫚の皮を、傷みにくく、丈夫で、縄にしたり、箒にするといいという内容のことを書いているのだとか。すでに、その時代から、棕櫚は、丈夫で、ほどよい弾力をもつ優れた性質から、日本の生活用具の素材として利用されていたことがわかります。

ちなみに英国に棕櫚を伝えたのは、シーボルトだとか。いろんなものを、持って帰った人だったんですね。

現在、棕櫚の箒などの生産は、和歌山が多く、ここの棕櫚も和歌山産だそう。
「使いやすそうなタワシ…」
棕櫚の皮の堅さが微妙に異なるタワシです。タワシが現在の形になったのは、明治になってから。その前は、棕櫚を束ねたブラシのようなもので、汚れをとっていたのです。

「これもタワシ?」柔らかい素材で作ったボディ用のもの。紐が付いているので、背中まで使えます。

こちらもボディ用のブラシ。ほどよい硬さで血行促進され、健康や美肌づくりに人気がある品です。
「気持ちいい~」 

ところで、このお店での人気の品は、棕櫚の座敷箒。かつては、ここで作っていたそうですが、現在は、和歌山の職人さんが作っています。人気の品で、店に入るとすぐに売り切れに。先行予約もうけていないそうで、入荷した時に、電話すると1週間は、キープしてくれるそう。価格は、柄の短いもので、6千円~。長いものは、1万円~が目安です。

「わー掃除機より高いかも…」とミモロ。確かに、安い掃除機と変わらぬ値段ですが、やはり日本家屋にやさしい品なのです。掃除機をセットする手間が面倒なとき、あったら便利そう。
「ミモロのおうちに箒って、ベランダの掃除用しかないね~」と。確かに室内は、掃除機と雑巾で掃除しています。室内箒がない家って、結構多いのではないでしょうか。

近年、掃除機の普及は、箒の需要を著しく低下させました。存続があやぶまれた室内用の箒ですが、それを支えたのは、寺社仏閣や茶室などの歴史的建造物や箒の良さを深く理解した人たちだったといえましょう。

「あ、これ、ミモロにぴったり…これでお掃除しようかな?」小さな棕櫚の箒?
 
ミモロサイズの箒?は、実は、障子の桟や、細かい部分のほこりを払うもの。パソコンのキーボードの掃除にも使えそうです。

「この庭箒なんか素敵…」細い竹でできた庭箒は、日本庭園の多い京都では、必需品。全国の寺社仏閣、日本庭園から注文があるそう。

「わ~これ、よくお風呂屋さんにあるよね~」と、棕櫚でできた足ふきマット。
ちょっと硬めの感触が、足裏に心地よいマットです。

ミモロが品を見ていると、外国人観光客の人も興味津々の様子でお店へ。こういうお店は、本当に外国人観光客には、日本らしくみえるよう。

「あ、これカワイイ…」小さなタワシのストラップ。
今やストラップがつけられるものが少なくなってしまいましたが、「これ、ちゃんと使えるんですよ」とお店の方。ちょっとしたほこりを払うのに重宝しそう。


ほうきやタワシは、消耗品。1年経つと、ちゃんと使っていれば、それなりに減ってゆくもの。箒は、一方だけが減らないように、万遍なく上手に使うのがコツ。「昔は、箒に古い布などでカバーをかけたもの。そうすることで、使う先端は、そのままに、全体を保護できたんですよ」と。「あれ、飾りじゃなかったんだ~。ちゃんと機能性もあったの~」と、初めて知ったミモロです。

最近は、自動的に床掃除をしてくれる掃除機も人気。箒には、ほこりやゴミを取り去るだけでなく、それを使っている時に、心を鎮めることもできるのだと、聞いたことがあります。つまり、自分の心の穢れも、箒を使うことで、掃き清められると…。

掃除機で、ガーガーと音をさせながらの掃除ではなく、静かにできるだけほこりが舞いあがらないように無心に箒を動かす…そんな時間を、昔の人は、生活の中に取り入れながら、上手に自分の心を落ち着かせていたのかもしれません。

室内箒のない暮らし…。なにか大切なひとときを放棄してしまったのかも…。ふとそんな思いが…。


*「桔梗利 内藤商店」京都市中京区三条大橋西詰 075-221-3018 9:30~19:30 正月以外無休







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