梅雨前線の影響で、連日雨降りの京都。ミモロは、雨の合間を縫って、百万遍近くの金平糖の老舗「緑寿庵清水」を訪れました。
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暖簾の掛かる歴史を感じさせる店構え…弘化4年(1847)創業の日本唯一の金平糖専門店です。
そもそも金平糖は、1546年にポルトガルから伝わったと言われます。種子島に鉄砲伝来が1543年と言われますから、同じ時期に日本にもたらされたお菓子です。「信長も食べたのかな?」と想像するミモロです。
さて、ミモロは、お店の中へ。棚には、さまざまな種類の金平糖が並んでいます。「いっぱいある~」とお店の中をキョロキョロ。
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色とりどりの小さな金平糖…「いろんな味があるんだ~」と興味津々。
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「いらっしゃいませ~」と迎えてくださったのは、ご店主の奥様の素敵な笑顔の清水さん。
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ミモロは、お店のこと、金平糖のことを教えていただくことに…。
「ミモロちゃん、これ見てください~」とミモロの前に、細かい粒が入った器が置かれました。
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一番細かい粒は、もち米から作った「イラ粉」で、これが金平糖の核になります。それを熱した大きな釜に入れ、砂糖などで作った蜜を何度もかけて、核の周りに蜜を付着させてゆきます。その作業は、1日中、休むことなく続けられ、金平糖の特有のイガが生まれるまでに、3日間かかるそう。
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ゆっくりと回転する大きな釜の上を、ザーッと音を立てながら動く金平糖。
「あの~どうして、金平糖ってお星さまみたいなイガイガがあるの?」とミモロ。
それは、釜に触れた部分の蜜が乾いて、少し硬くなったことに蜜が付きやすくなってでっぱりが生まれてくると…。釜の上の金平糖は、コロコロと回転しているので、全体にイガができると言われています。
小さなイガが生まれてから、完成するまで、さらに14日以上がかかるそう。
「え~金平糖って、そんなに大きくなるのに時間かかるの?」とビックリするミモロ。
「そうです。しかも、作る季節や天候によって、蜜の掛け方など、その加減が微妙に異なります。職人は、耳を澄ませて、金平糖の音を聞き、蜜の掛け方などを決めているんです」と清水さん。一人前の職人さんになるには、20年以上かかるとも言われます。
「作り方のマニュアルってないんでしょ?」とミモロ。「はい、全部口伝で代々受け継がれ、体で覚えてゆく技なんです」と清水さん。
初代より、一子相伝で伝えられる、まさに伝統の技なのです。
4台の大きな釜がある工房は、大きな釜を熱していることから、常に50度近い気温になっているそう。一度、釜に入れた金平糖は、職人さんが、その日、休むことなく、長い尺を動かして、釜の上を転がります。「え~一日中、釜の前で作業するんですか?」とミモロ。
「そうです。ひたすら金平糖と向き合う作業です」と。
もちろん、釜の上の金平糖は、その成長の過程で、釜から降ろされ、熱を取り、再び釜へ。それを何度も繰り返します。
「朝、冷えた金平糖を釜に戻す時は、本当に緊張するんですよ」と。
その作業だけでなく、蜜を掛けるタイミングなど、気を抜くと、金平糖がくっついてしまったり…そうなれば、製品にはなれず、今までの努力が泡となってしまうそう。「だから金平糖づくりは、緊張の連続なんです」
「すごい~そうなんだ~」と、小さな金平糖に込められた職人さんの技と努力に、ただただ感激するミモロです。
小さな核から愛らしい姿に成長してゆく金平糖は、特別な菓子であり、明治以降、皇室などの御慶事の引き出物として、現在も使われているそう。
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「あ、知ってる~ボンボニエールでしょ!」と目を輝かすミモロ。
素敵な器に入ったボンボニエールは、お祝い事の引き出物やプレゼントに喜ばれる品です。
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現在、年間を通じ、さまざまな種類の金平糖があり、その数は、60種類以上におよびます。季節の限定品も多く、すべてがお店にあるわけではありません。
種類の違いは、主に蜜のフレーバー。季節の果物をはじめ、日本酒、ワイン、コーヒーなどの金平糖も評判になっています。
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「あ、美味しそう~」とミモロが心惹かれたのは、大好きなスイカやマンゴなどの夏限定の金平糖です。「これ、今だけだって~」
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素敵なパッケージで、贈り物にも喜ばれている品です。
「わ~七夕飾りのもある~」また、籠に入ったグレープフルーツ味も…
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今年の七夕に飾りたい笹に下がった金平糖です。
「う~どれにしようかな~?」と、豊富な種類の金平糖を前に迷うミモロ。
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「はい、ひとつどうぞ~」とお店では、スタッフの方が1粒おすすめの味をお客様に渡し、試食を…。
「ミモロちゃん、金平糖は、なめるだけじゃなく、かんで食べてくださいね~」と清水さん。それぞれの風味の蜜は、金平糖の外側部分なので、中心部の甘味とかむことで溶けあい、いっそう美味しくなるそう…。ガリ!「うん、美味しい…スイカの味がする~」と瑞々しいスイカの甘さが口の中に広がるよう。
「でも、どれも美味しいから、どれにしよう~」といっそう悩むミモロでした。
この日は、お店に並ぶ小袋入りから3種類を選びました。この小袋入りは、午後になると売り切れの品が続出しますでの、お早めに…
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「え~もうサイダーとイチゴ売り切れだって・・・」と、ちょっとがっかり。「今度、もっと早く来る!」と。
雨も上がったころ、「今日は、いろいろ教えてくださってありがとうございました~」と、お礼を言って、お店を後にしました。
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尚、お取り寄せも可能です。ホームページから品を選んで、電話かFAXで注文できます。そこで送料などもご相談ください。
「緑寿庵清水」京都市左京区𠮷田泉殿町38の2 ☎075-771-0755 FAX 075-771-0766 営業時間10:00~17:00 水曜休み
*インターネットでの販売は一切していません。
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