goo blog サービス終了のお知らせ 

みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0114「パーティ女」

2017-12-04 18:43:13 | ブログ短編

 遥(はるか)はパーティ大好きの女の子。今日もまた幹事(かんじ)として奮闘(ふんとう)していた。
「ねえ、これなに?」和子(かずこ)は、渡(わた)された案内状(あんないじょう)を見て訊(き)いた。
「ハルちゃんが寿退社(ことぶきたいしゃ)しちゃうんで、お祝(いわ)いの会をやるんですぅ」
 遥は嬉(うれ)しそうに言った。
「いや、それは分かるわよ、見れば。そういうことじゃなくて、何で私の家でやるの?」
「だって、先輩(せんぱい)のお家(うち)、駅(えき)に近いしぃ、みんな集(あつ)まれると思うんですぅ」
「私、聞いてないわよ、そんなこと。それに、私、ハルちゃんなんて知らないし…」
「えっ、経理(けいり)にいるハルちゃんですよ。春木作太郎(はるきさくたろう)」
 和子は、一瞬(いっしゅん)言葉を失(うしな)った。いつものことだが、この女には常識(じょうしき)は通(つう)じない。
「ハルちゃん、結婚(けっこん)して、実家(じっか)に帰って、家の仕事(しごと)を継(つ)ぐんだって、張(は)り切っちゃって」
「ああ、そういうこと…。でもね、私の家でやらなくても、いいんじゃないのかなぁ」
「だって、先輩の家の方が、持ち込みできるし、時間無制限(むせいげん)だし、予算(よさん)もそんなに…」
「ちょっと待ってよ。それだったら、あなたの家でやればいいじゃない」
「ええっ、いいじゃないですかぁ。こんな可愛(かわい)い後輩(こうはい)が、お願(ねが)いしてるんですよぉ」
「あのね、先週(せんしゅう)だって、私の家でやったじゃない」
「それが、とっても好評(こうひょう)だったんですぅ。またやってって、みんな言ってましたぁ」
「なんで…、なんでよ。誰(だれ)がそんなこと言ったの? 教えなさいよ!」
<つぶやき>きっと楽しいパーティになるんでしょう。先輩にも良い出会いがあるかも。
Copyright(C)2008- Yumenoya All Rights Reserved.文章等の引用と転載は厳禁です。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 0113「最強だから…」 | トップ | 0115「猫の恩返し」 »

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

ブログ短編」カテゴリの最新記事