みけの物語カフェ ブログ版

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1035「しずく122~別人?」

2021-02-24 17:51:08 | ブログ連載~しずく

 水木涼(みずきりょう)は生徒(せいと)たちを押(お)しのけて、神崎(かんざき)つくねの手をつかんで言った。
「どこにいたんだ? あいつらに連れて行かれて…。みんな心配(しんぱい)してたんだぞ」
 つくねはちょっと驚(おどろ)いた顔をしたが、涼の手を両手で握(にぎ)り返して、「水木さん、何を言ってるの? あたし、誰(だれ)にも誘拐(ゆうかい)されてないから。もう、変なこと言わないで…」
「おい、どうしたんだ? お前…、そんなしゃべり方じゃ…」
 以前(いぜん)のつくねは、誰とも仲良(なかよ)くすることなどなかった。それに、他人(ひと)に笑顔(えがお)を見せることも…。それが、目の前にいるつくねはおしゃれをしていて、まるで別人(べつじん)のようだ。
 涼は、「お前、何かされたのか? それで――」
 川相初音(かわいはつね)が止めに入った。周(まわ)りの生徒が訝(いぶか)しい目で涼を見つめていた。
 つくねは微笑(ほほえ)みながら、「もう、みんなをびっくりさせようとしたでしょ」
「そうよ。だから止めなって言ったじゃない。ほら、もう行くよ」
 初音は涼を席(せき)へ押しやっておいて、つくねに訊(き)いた。
「ねぇ、あなた、お休みしてたじゃない。どこか、具合(ぐあい)でも悪(わる)かったの?」
「実(じつ)はね、ちょっと入院(にゅういん)してて…。でも、もう大丈夫(だいじょうぶ)よ。元気(げんき)になったから…。パパも、学校へ行ってもいいって許可(きょか)してくれたし」
「へぇ、それはよかったわね。あなたのお父さんって…」
「病院(びょういん)の院長(いんちょう)をしてて…。すっごく優(やさ)しいのよ。あたし、パパのこと大好きなんだ」
<つぶやき>これはもう、完全(かんぜん)に洗脳(せんのう)されてるんじゃ。これからどうなってしまうのか?
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