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みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0051「おとり捜査」

2017-07-14 19:42:13 | ブログ短編

「あの、何で今回も私なんですか?」京子(きょうこ)は不満(ふまん)そうな顔でつぶやいた。
「お前、男装(だんそう)も似合(にあ)うじゃないか。これは新しい発見(はっけん)だなぁ」
「なに感心(かんしん)してるんですか。先輩(せんぱい)がやって下さいよ。その方が…」
「なに言ってるんだ。今回の捜査(そうさ)はな、今までとは違(ちが)うんだ。ふふふふ、心配(しんぱい)すんな。俺(おれ)がちゃんと張(は)り付いてやるから、大丈夫(だいじょうぶ)だ」
「それがいちばん心配なんですけど。前回だって、全然(ぜんぜん)助(たす)けてくれなかったじゃないですか。私、危(あぶ)なかったんですから…」
「たかがケツ触(さわ)られただけじゃねえか。そんなのはな、危険(きけん)のうちに入らねえよ。いいか、今回の相手(あいて)は、小心者(しょうしんもの)のこそ泥(どろ)だ。そいつがどういうわけか、宝石泥棒(ほうせきどろぼう)のブツを盗(ぬす)みやがった。時価(じか)数十億(おく)という代物(しろもの)だ」
「宝石を盗んだんですか?」京子の目が輝(かがや)いた。
「そうだよ。きっと、どこかに隠(かく)しているはずなんだ。それを聞き出すんだ」
「でも、どうやって?」
「そんなこと、自分で考えろよ。そいつは男好きだから、近づくのはわけないさ」
「男好きって…。私は、女です! それじゃ…、また、危険じゃないですかぁ」
<つぶやき>こんな相棒(あいぼう)と一緒(いっしょ)だととても大変かもしれません。がんばれ、京子ちゃん!
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