熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

知的財産法の未来

2011-06-13 16:07:35 | Weblog
中山信弘先生と韓国の弁護士の方との共著「知的財産法の未来(信山社出版)」を読みました。

知的財産法の第一人者である中山先生の著書は、出来る限り読むようにしています。

この本で、中山先生が担当されたのは、「知的財産法研究の回顧と将来への課題」「デジタル時代の知的財産権」「知的財産保護の世界的動向と我が国の対応」「知的財産高等裁判所への道のり」「工業所有権法の行方」「デジタル時代の著作権」「著作権法における思想・感情」「著作権法改正の潮流」と、知的財産法研究の中心で活躍されている中山先生ならではの内容です。

知的財産法の研究者だけでなく、実務家にとっても参考になるものです。
特に、若手研究者、実務家にとっては、知的財産法の過去、現在、未来が記述されているので、必須の参考文献です。

この本の中で、中山先生も強調していますが、知的財産法と民法等の他の法律との均衡です。

知的財産法が一般法の特別法であるからと言って、一般法と大きくこと異なる法体系、解釈を採用することは、知的財産事件以外への影響力が大きすぎて公平を損なう恐れが高くなります。

このことは、私が大学院で勉強しているときに、民法、労働法の研究者から指摘されたことと同じです。

研究者、実務家として留意しておく点でしょう。

有名な著作権法学者であるパメル・サミュエルソン教授も「情報化社会の未来という問題はあまりにも重要であり、知的財産法の専門家だけに任せることはできない」と述べています。

現在の著作権法が多くの価値観と関係しているので、著作権法の内容、法改正が他の価値観にどのような影響を与えるのかを良く考えてから議論することが重要だと言うことですね。

一読をお勧めします。





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