わくわく記録帳

一日に見聞きすることをすべて記録すると文庫24冊になるらしい。
そんなに!?
記録しておかないのはもったいないよね。

自腹で学ぶから身に付くってほんとかな

2024-01-17 23:10:16 | オトナの学び
昨日、「講座などの学びを続けられないのは自己責任なのかしら?続かないってことに胸が痛む人でありたい」って内容を書いた。
書いてみて、ふと思ったことがありまして。


2年くらい前に、
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某事務局に研修の企画運営や事務局やってる人の必読書だから読んでみて、と研修開発入門をお薦めしたら、「予算がありません」って言われた。
そうかー、自腹で買ってまでは読まないのね、となんとも切なく悲しい気持ちになったんだけど、それって「研修(学び)を提供する人は自らも学ぶはず」というわたしの価値観がずれていて、「仕事に必要なことなら、業務時間中に業務として指示され、必要なツールも提供されるべき」なのかもしれないなーなんてことを思った
===
ってな内容をSNSに書いたら、すっごい反響があった。
コメント150件、字数にして20000字。


みんな、何らか学習観を持っているからなぁ。


で、その中で多かったコメントが、
「自腹で学ばないと身につかない」
というものだった。


うーん、確かにそうかもしれないけれど、わたし自身の体感としてはちょっと違っていて。
これまで多くの学びに投資してきたし、企業勤めも長かったのでいろんな研修を受けさせてもらった。今も本業に必要なことは経費を使って学んでいる。


わたしの体感、経験としては、会社にお金を出してもらった方が圧倒的に真剣に学ぶし、身についたかどうか?と問われたら身についた、と言える。





確かに、自腹、身銭を切って何十万(下手すりゃ100万単位)の学費を払えば、これは元を取らなければ!何かに役立てなければ!と必死になる。何ヶ月分の生活費よ?って感じだもの、そりゃ真剣にもなる。


けど、一方で、自腹の方が気楽、というのもある。辞めるのも手を抜くのも自分次第。自分さえ納得していれば(お金が飛んでいくのは痛いけど)、途中で辞めたって誰にも何も迷惑をかけない。学びたいから学んでいるわけで、思ったものと違う、自分の興味関心が薄れた・変わった、忙しくなった、、、などなどいろんな理由はあるけれど、「やめる」っていう自由も持ち合わせている。


けど、誰かにお金を出してもらって学ぶと、そこには責任がつきまとう。こんな大金を出してくれた、わたしに投資してくれた、必ずなんらかの形でお返ししなきゃ、とプレッシャーを感じる。しかも「お返し」はお金を出してくれた人にとってメリットのある形で返さなきゃならない。


まぁ、ここまでストイックに考える必要もないのかもしれないけれど、わたしがこう思うようになったのは、まだ20代の頃に会社のお金で行かせてもらったヨーロッパの研修旅行がきっかけ。それまでは商品開発部門から派遣されていたのだが、なぜかその年は店舗販売部門にいたわたしに白羽の矢が立ってしまって、行ってこい、と。特に課題が与えられているわけでもなく、何らか感じて持ち帰ってくればいいよ、的な非常におおらかでありがたい送り出しをしてくれたんだけど、自分で稟議書を書いて、出金伝票を起票して、ってことをやっていく中で、やっぱりその金額にビビるわけですよ。今から20年以上前、円が強かった時代で80万からの費用をわたしに投資するのかー、これはちゃんと見てこなきゃ、と勝手にプレッシャーを感じていた。


やれ美術館だ、エステだ、と自由時間を謳歌していた同行者を尻目に、コスメの専門店や雑貨店などに片っ端から入ってはレイアウト、棚割り、商品陳列、スタッフの様子などを見て、メモをして、ってことをやっていた。フィールドワークなんて学んだことなかったけど、趣味と実益を兼ねての街歩きが楽しかったし、参考になることがあればどんなことでも吸収したい、還元したい、という思いだった。帰ってきてから書いたレポートが認められて、まーったく喋れない、聞き取れないのに、その後も何度も海外視察に連れて行ってもらえたのは本当にありがたい経験だったなぁ。


という原体験ともいうような体験を経て、お金を出してもらって学ぶってことには並々ならぬプレッシャーや責任を感じてしまうようになった。辞める、なんて選択肢は持ち合わせていないし、サボるってこともない。なんなら質問攻めにするくらい真剣に聞いている。


一方で、自腹で学ぶときには、割と気楽で自由。あぁああ、お金をドブに捨てたって思うこともあるし、サボっちゃう自分が嫌になることもあるけど、自分が納得できればそれでいいって思ってる。これまでいくらくらい無駄にしてきたんだか、振り返るのは恐ろしい。


もちろん、自分に投資したんだから、ちゃんと回収したいし、学んだことを活かして何かに繋げたい、とは思うよ。最初の大学院は経営学を学びに行ったはずで、入学したときには、転職するときに箔がつくかしら?くらい思っていた。2回目の大学院も女子大の授業に役立つように、とその思いだけで進学した。
けど、終わってみたら、経営学を学びに行ったはずが「越境」と「ワークショップ」ってマインドとツールを手に入れて、女子大の授業のためにデザイン思考を学びに行ったはずが、ライフワークになるようなテーマに出会えたり(ついでに女子大へのコミットがどんどん薄れて行ってるっていうね)、と想定していたこととは全く別の結果になったけど、そのおかげでいろんな世界が広がったし、まあまあ楽しい。


だから、元を取るって発想で学ぶのではなく、学びそのものを味わって、その時間をどっぷりと過ごす、って学び方をしたいなーと思うのですよ。自腹であっても、誰かのお金であっても。ついつい合目的に学ぼうとしちゃうので自戒を込めて。
明日からちょこっと新しい学びの場に身を置くので、あらためて「学びそのものを味わおう」と思ったのでした。



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