わくわく記録帳

一日に見聞きすることをすべて記録すると文庫24冊になるらしい。
そんなに!?
記録しておかないのはもったいないよね。

社長にやってほしいことは?全社表彰懇親会もワークショップなのだ、な話。

2012-04-25 00:38:13 | カイシャ・シゴト
4月はあれやこれやイベント盛りだくさん。


今日は前下期の全社表彰者の表彰式&懇親会。
表彰は多くの企業が取り組んでいるけど、当社も半期ごとに業績をあげた人、他者の模範になるような行動や実績を行った人、を対象に新人賞やら社長賞やら4つの賞が選定されている。今回は17人/団体。


あたしが経営企画室に異動してきて最初の表彰式は、事務局でもなんでもなく単なるお手伝い。
当時は(今も)全社のマネジャーが集まる四半期ごとの会議の後半に表彰式を行い、親会社本社ビルの41階のおされなダイニングでマネジャーも一緒に総勢50名くらいの所帯で宴会をしていた。


で、次の期から、なんとなーく成り行きで幹事/事務局をやることになったんだけど、上司とあたしの中でこれまたなんとなーく共通して思っていたことが、主役は誰なの?ってことだった。
そうマネジャーが集まる懇親会は、表彰者が主役で、表彰者が誉めたたえられ、労われなければならないのに、マネジャー同士の内輪受けがメインで、表彰者はぽつーんと寂しそうにしていた。そりゃそうだ。同時期に表彰された、ってだけで普段のつながりなんかないんだもの。
いっそのこと、社長以下役員、部長職だけにしてしまって、表彰者へのおもてなしをメインにする会にしちゃどうだろうか?って運びになって今回でちょうど3年。計6回。


最初は、おぢらがちゃんと表彰者を接待、おもてなしできるようにと席の配置を工夫したり、おぢをいじって表彰者に笑ってもらったり…ってことくらいの仕込みしかしてなかったけど、あたしもいろんな場を経験し、生来のおせっかいがむくむくと顔を出し、いかにおぢらが心地よく表彰者におもてなしができるか、そして表彰者が楽しんでくれるか、ってことに注力して企画するようになったわけです。
ちなみに、今回は席札をこんな感じでウェルカム感を出してみました。おぢらの札には「ホスト」「今宵はおおいにおもてなしください」と書いて。



意識的に場を作り始めたのはちょうど2年くらい前で、その時には聴覚障害のメンバーがたまたま3名いた。さてー、どうやって通訳する?コミュニケーション取る???とちょっと悩んで、いっそのこと彼らを主役にしちゃえばいいじゃん!と彼らから手話を教わることをメインコンテンツにした。当時はスケッチブックプレゼンの技術は持っていなかったので、聴覚障害のフォロー用に、パソコンにその場で打ちこんでプロンプター・・・スマステ方式にしたり。ちょうどその日お誕生日を迎えるメンバーがいたので、お店にお願いして(なぜかあたしの手作りケーキ)を人数分に切り分けてもらったりと、サプライズなんかも仕込みはじめた。
その後も、チームビルディング的な要素を取り入れた仕掛けを毎回毎回行っていて、表彰者が「愉しかったです」「こういう場っていいですねー」と言ってくれるのに味をしめてました(笑)


で、今回。


しゃちょーも交代してはじめての場。実質の権限者であるおぢもはじめて。表彰者も互いにあんまり接点ない。となったら、お互いを知る、ってのがいんじゃね?と思い、自画持参簡易版を導入。自画持参は長岡先生と慶應SFCの加藤先生が開発されたワークショップのこと。詳しくはこちらを見てね。




この際だから訊きたいこと、をちょっとひねって、「質問」と「答えてほしい人」を別々の紙に書く。BOXに入れる。引いて当たった人が答える。
これ、ポイントは「質問」から先に引くこと。うぅ、あの人に答えてほしいなぁ、とか、あたしに当たったらいやだなぁ、っていう適度な緊張感がイイわけです。


最初、「人」は均等になるようにあらかじめ名札を入れておこうかと思っていたんだけど、ええい、どーせならギャンブル的要素を多くしてしまえ、この人の話聞いてみたいなー、と思ったら「人」をたくさん書いて投票しちゃえば当たる確率が高くなるわけで、オーディエンスのニーズにも合致するし。問いと答えが合致しない妙も生まれるわけで。


結果、異常なほど盛り上がりました。
もっと質問がエロに偏るかな―と思ったら、意外とマジメなものが多かった。
ただ、「人」は組織票というか、陥れというか、一部の人に偏っちゃったけどね。それはそれでいいのです、その人が人気者だってことで。問題は一票も入らなかった人。あくまでもくじ運の問題です、って体にはしたけど、あとで見てみたらホントに一票も入ってない人がいた(+o+) まぁ、仕方がないし、その人自身はこの企画をえらく楽しんでいたからそれでいいか。


何度か書いているけれども、ワークショップをやるときにあたしが気をつけているのが、参加者を平等に、ってこと。
もちろん、今回の表彰懇親会はワークショップではなく、単なる飲み会ではあるけれども、どーしたってしゃちょー以下おぢたちが幅を利かせ、ベテラン勢が大きな顔をしがちな場なのだから、普段こういう場で出会えないような人にスポットを当てたい、と思っていたし、自分が喋らなくても、誰かの話を聞いて笑う、でもいいと思ってる。そう、スポットを当てる、ってするとすぐにかくし芸的なことをやらせたがるけど、それって負担でしかないわけです。聞いてることが愉しいことだってあるわけですよ。


たかが飲み会でここまでやる?と言われるし、こんなにやっちゃったら後任がやりにくくて仕方がないだろうな、とも思うけど、奇をてらった企画はいらないけれど、参加者に喜んでもらう、楽しんでもらうってキモチは忘れちゃいけない気がする。参加者が喜んでくれるならやれることはなんでもやりたい。


帰りに、「ひめさんの企画はいつもおもしろい!」と女子会に出てくれた25歳女子(←ここポイント)や、「次も呼んで欲しいなぁ」と10月から分社化で違うカイシャになってしまうおぢBや、おとなしくてこういう場は苦手な男子が「愉しかったです」って言ってくれた。もうねぇ、それだけでじゅうぶんですよ。


タイトルは、最初に引いた質問。これに答えた男子(組織票大量投票ないじられ愛されキャラ)の答えが泣かせた。うちのしゃちょーは、親会社の役員が兼務するならわしで、今回もそう。だからどうしたって親会社の人、な印象はぬぐえない。
「○○(親会社)からではなく、中に入ってぼくらを見てほしい、一緒に作っていきたい。」
その思いはしゃちょーに絶対に届いたよ。ありがとう。
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200人ワークショップ

2012-04-23 02:08:59 | コトバ・ニッキ
ビッグイベント社員総会、今、最後に残った残務、業務フローとリファレンス作りをしています。
まぁ、とは言っても、毎年毎年ニーズは変わるから、企画部分は常に「はじめて」のことだろうけど、事務局の事務仕事くらいはドキュメント化できるんじゃないかな、と思い。


ただ、ホントに伝えたい、残したいのはやっぱり「企画」。その企画にどんな思いを込めたのか、っていうこと。


今回の社員総会は4年ぶりということもあったし、10月には分社化となり、今の体制で行う最後の社員総会でもあったし、いつもいつも言われていることに「自部門以外との交流が皆無」ってこともあったし、あたしの中でのテーマは「交流」でした。
途中、しゃちょー交代、おぢ退任というエポックがあったため、「コンセプトは歓送迎、特に”送る”なんじゃないのか?」とおぢBあたりが言いだしたりして混乱したけど、主役は集まる社員なんじゃないの?と押し切った。
あ、“送る”もちゃんとやりましたよ。ムリをお願いできるマネジャーに感謝状を作って読んでいただいて、泣きのBGM流したりとかね。


今までの社員総会の懇親会は、かくし芸大会、仮装大賞的な出し物がメインでした。あたし自身があまりこーゆーことが得意じゃないし、内輪ウケだったり、若手が苦手なのに汚れ役をやらなきゃならなかったり、エロに走ったり、会場汚したり、準備がタイヘンだったりするので、いっそのこと辞めてしまえ、と辞めちゃいました。独断で。
途中、バンドやってる子から、演奏したい、という申し出があったりしたけど、機材の手配とか金かかるし、大体セッティングはトラブるし、これもお断り。


あ、こう書くとものすごい後ろ向きな感じしますね。
違う違う。
あたしがやりたかったのは「交流」。他室の人と知り合って自分のことも知ってもらう。それって存在を認められるってことだし、そのあとの仕事がやりやすくなったり、何かあったときに頼ったりできるじゃん。


そしてもう一つは、「へぇ~」っていう発見。カイシャのことでも、一緒に働く仲間のことでもなんでもいい。何かひとつくらいは「へぇ~」っていうものを持って帰ってもらいたかった。できればそれが仕事への誇り、みたいなことだとステキなんだけど。


基本のプランは提示しつつ、詳細は各室から選抜された若手中心に構成したレク委で決めて行った。企画は大きく2つ。まずは同じテーブルになった8人で知り合う。そして、仲良くなった8人でステージ上のアトラクションなりを見て/当てて楽しむ。別にそんなに奇をてらった内容ではない。


何をやったかというと、自己紹介。
オーソドックスですけどね、同じテーブルになった8人で自己紹介をする。
一応、仕掛けがしてあって、受付でカードを配っておいて、休憩中に書きこんでおいて貰った。
 ・名前
 ・所属
 ・好きな食べ物
 ・今はまっていること

このカードはレク委の女子がデザインしてくれて、当社のコピーセンターで制作してもらった。4枚を順番に並べて穴開けて紐を通す、というめんどくさい行程をこれまた短い納期できっちり仕上げてくれて感謝感謝。



で、これは、名札代わりに懇親会の間、首から下げておくことができます。


これがねー、思った以上に大盛り上がりで。喋りすぎない!ひとり1分で完結に!!とお願いしていたものの、始まったら、みんな喋る喋る。おぢたちが「あいつ、はじめての人の前で喋れるのか?」と心配するような若手もいきいきと饒舌に語っていた。


書いたものを喋るから、ツールがあるから…いろんな要素があったんだろうけど、やっぱり人は自分のことを喋りたがってるんだと確信した。それはつまり日ごろ聴いてあげていないし、会話が減ってるからなんだろうな、と思う。
ほとんどがはじめまして、の人の中でもみんな臆せずにコミュニケーションをとっていた。聴覚障害はある程度固めてグループを作ったり、知的障害も同じ部署の人を必ず同じテーブルにつけるなどの配慮はしたけど、視覚障害といったフォローが必要なメンバーも思いきって散らばらせてみた。各テーブルに一人はファシリテーションができたり、社交的な人を置くことも考えたけど、そんなこざかしいことせずに、無作為に室のバランスが均等になるようにだけ配慮してグルーピングしてみた。それでも、成立した。むしろ想定していた以上に。


8人×28卓で自己紹介をしている様はなかなかに壮観でした。そして、彼らが一様に楽しそうにしていたのも。


実は、社員総会で200人ワークショップができないかなーと憧れの上田先生に突撃お願いを年明け早々にしていた。結局、講演に復興リーダーを呼ぶことになったためにそれは叶わなかったけれども、まだまだ不十分ながらもこんなかたちで、アルコールも入る懇親会なのにワークショップ的なことが実現できたってことは感無量。


正直、めんどくさい、とか、ゆるゆる酒飲みたいんだよねーというような声もないことはなかったし、いくつか/何人かはめんどくさがって参加してくれないんじゃないか、とも思っていた。
けど、蓋を開けたら、みんながこんなに前のめりに自分のことを話し、同じテーブルになった人の話を聞いている。


すごいことだ。


なんかさー、いろいろ言われるけど、自分をアピールできる積極さと、他者に耳を傾けるホスピタリティがあるってすごいことだと思うのだよ。そして200人からが、新人2人の司会を助けてあげようと一緒に場を作ってくれた。統制したってチームはまとまらないけど、助けよう、一緒にやろう、と思うキモチを生み出すことができれば、チームはおのずとまとまるんだね。
みんな、すごい。と、あたしは可能性を感じたのだ。だいじょうぶ、このメンバーならどんなことがあっても乗り越えられる、ってね。


あらためて、レク委のみなさん、おつかれさま&ありがとう。
楽しんで参加してくれた皆さん、ありがとう。終わった後に「よかったよー」とわざわざ言いに来てくださった方々にあらためての感謝を。

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チャンスと思って進むだけ

2012-04-09 02:47:54 | カイシャ・シゴト
3ヶ月間に渡る超ビッグなお仕事、社員総会が終わりました。この準備のため、最後の2週間は毎日11時くらいまで残業、家に帰ってもしこしこせっせと資料やらムービーを作り、”越境”もせずに仕事漬けww


3部構成の社員総会は、例年、総務担当マネジャー以下4~5人のメンバーで企画、運営していたのですが、今年は、まぁ、いろいろあって、実質ひとりでやることに。
しかも、グループのガバナンス体制変更≒要は分社化なんつーせんしちぶな話をしゃちょーにしてもらうべく仕込んでいたのに、しゃちょー交代、実質の権限者である取締役のおぢが退任と、しゃんしゃん、な第一部の社員総会までプログラムの変更やら、しゃちょーへのインプットやら仕事は膨らむ膨らむ。


2部には、ゲストによる講演。これは去年、鉄道整備の矢部さんにお話しいただいたのがとてもよかったので、その後も講演型のワークショップを開催し、今回の総会も、という運びに。


3部は懇親パーティー。今までは仮装大賞やモノマネ歌合戦的なゆるいイベントだったけど、4年ぶりに全社の社員が集まる場だし、分社化によってこの体制で行う最後の総会なわけだし、“交流”をテーマにしたい、とずっと考えていた。


それぞれの部を振り返ってもきっと6000字以上のだらんだらんリフレクションになると思うので、今日は第2部について振り返っておこうと思います。


ついったーで「思いってだいじ」的な意味不明なことをたくさんつぶやいていかと思いますが、すべてはこの第2部に通じていました。


第2部の講演ゲストは、遠野を拠点に被災地復興支援活動に従事されているNPO遠野まごころネットの代表、多田一彦氏。


もともと、講演をやろう、という話は決まっていて、誰を?何を?をいくつか提案したところ、おぢBから「震災から1年経ったわけだし、そういう活動している人はどうだ?現地で活動している人のバイタリティにはすごいものがある」と提案あり。するとおぢAが「被災地ではこんなに大変な思いをしている人がたくさんいる、それから比べたらお前ら恵まれているんだからもっとしっかりしろ、といいたい」と。


むむむ?と思ったことは言うまでもない。


震災、復興支援に対して、まだまだ自分ごととして向き合えていなかったあたしにとって、この仕事はとても辛いものでした。おぢAが言うようなメッセージにはどうしても賛同できなかったし、そのことをオブラートに包んで「どういうメッセージを社員に発信すればいいのか、自分自身がピンと来ていない」と言ったらおぢBから「そこから説明しなくちゃダメか?」と呆れられたりもした。おぢBは親会社が主催するボランティアツアーに参加して、実際に被災地に行っているし、被災して復興している事業主の話を聞いているから、あたしの反応がもどかしかったんだろうと思う。


去年の鉄道整備さん、そして、そのあとお呼びした方すべてに共通しているのは、あたしが「この人の話は絶対にいい、みんなに聞かせたい!聞いたら絶対に元気になる!」という確信。
自分が誰よりもその人、その話にほれ込んでいなければお薦めなんかできない。


親会社のボランティアツアーでお世話になっているご縁で、CSR推進室にご紹介/仲介いただいて、多田さんにお話しいただくことになった。


この仕事にどう向き合っていくか、あたし自身、ものすごく葛藤した。


やれ、と言われてやっている仕事でもあり、おぢAが言うような「お前らもっとがんばれ」にはどうにも違和感があったし、どんなメッセージを伝えればいいのか、悩みに悩んだ。


自分ごとにしないとできない。
「てきとーに喋ってください」でもそこそこな場はできたんだと思う。けど、相手はガチに復興支援に関わっている人。そして、その先には被災し、そこから復興に向けて行動している人たちがたくさんいる。自分ごとにしないと、多田さんと対峙できないと思った。多田さんに対して、被災地の皆さんに対して失礼だと思った。


遠野まごころネットに個人ボランティアとして行ったのは、そんな理由からです。上司に「行ってきたい」と言ったら(ちょうど親会社のボランティアツアーで遠野にお世話になるコースがあって、よかったら参加しませんか?とおっしゃっていただいたりもした)、
「気持ちはわかるし、そうしたいと思う気持ちは至極自然だとも思う。けど、行かない/行けない自分たちだからこそ、聞ける話もあるんじゃないか?」とアドバイスしてくれた。ガチガチになっていたあたしの気持ちをほぐしてくれた、ホントありがたいです。


それでも、やっぱり行ってみないことには始まらないような気がしたから行ってきた。


そのほかにも、復興に関わる活動、イベントにはできる限り足を運んだ。いろいろ調べたりもした。まだまだ不十分だけど、そうやって自分ごとにしていくことで、多田さんの活動や思いに近づけたし、実際にお話しをお聞きして、人柄に触れて、これは絶対に聞いて欲しい!と強く強く思った。


企画者側としては思惑もたくさんあったわけです。
愚直に活動すること、ひとつひとつの作業は点でも全部繋がっている、それは仕事も一緒で、いかに線や面を意識するか、が大事。どんなことにも当事者意識を持って取り組むこと…そんなメッセージを伝えようとしていた。


今回は親会社のCSR推進室のモリトミさんに多田さんとの仲介や、当日の進行、そのほかいろいろな資料の提供などなど全面的にご協力いただいたんだけど、これがなかなかに厄介で。とーぜん、多田さんにとっては講演よりも「現地」なわけでお忙しいわけだから、打ち合わせなど事前準備は最低限の労力にしたいわけです。でもなかなかアポも取れない・・・モリトミさんにとっても、彼は復興支援担当なので仕事でもあるわけだけど、関連会社のイベントなわけで、そりゃー優先度は下がるわけです。しかも3・11もあり、みんな現地に行ったり、イベントがあったりしたわけでさらに忙しい。


実際に多田さんにお目にかかったのは、本番の10日前。ひやひやです。
そのあとは超濃縮。モリトミさんと、あーでもないこーでもないと進行の打ち合わせをしたり、ムービーを作ったり、資料やデータをもらいに行ったり。まさに夜討朝駆けな状態www


多田さんのお人柄、いろいろな場面で語られるコトバ。もう既にあたしの中では、何を話してくれても絶対に伝わる!という確信があったので、講演そのものはそんなに心配はしていなかった。


当日。
多田さんは、その時に一番話したいこと、伝えたいことをお話しになるスタイルなので、多少の脱線はあったけど、震災直後に被災地に入ったときのリアリティのあるお話しや、福島のことなど、突っ込んだ話、現地ならではのエピソードをお聞きすることができた。


多田さんのお話しで印象的だったこと。

「この状況をチャンスだと思って、進んでいくしかない。」

そんなに前向きに捉えられる人ばっかりじゃないかもしれない。それでも、こうもおっしゃっていた。「日本の課題の縮図が東北にある。」
誤解を恐れずに言うと、震災があろうとなかろうと東北も日本も瀕死なことには変わりなくて、そこからどう立ちあがるか、は手なりの生活をしている中ではなかなか踏み出せない。東北だけの、被災地だけの問題じゃない、日本全体が抱えてる問題なんだ。だから、被災地のこと、と思うのではなく、これは自分自身のことなんだ、と思って行動できるかどうか、ただそれだけなんだと思う。


そして、
「やるかやらないか、ではなく、どうやるか」
ドゥエック先生の言うところのしなやかマインドセットだ。How Can I do it? これはどんなことにも共通だと思う。


昨日のうちに集まった感想レポートは参加者の3割程度。これからメールでも受け付けるのでまだまだたくさん集まってくると思うけど、ホント、読みながら泣きそうになった。


  「何のために、誰のためにやっている活動なのかを考えることが大事
 がれき撤去が復興につながる、点の作業も線に、すべてつながっている
 これは自分たちの仕事(経理、総務などのバックオフィス業務)にも
 同じことが言えると思う」

と自分たちの仕事に投影して感想を述べていたり、


  「やるかやらないかではなく、どうやるか
 この状況をチャンスと考えて、先に進むしかない」
 
という多田さんの言葉に感動し、勇気をもらったという感想

 
  「小さなことでも何かできることはあるはず
 何か自分ができることをやろう、と思うきっかけになった」

と、“踏み出す”後押しになったという感想などなど…


えげつない言い方すると、こちらが想定していた以上に、狙っていた気付きや感想が引き出せた。
でもね、あらためて思った。もちろん、企画者としては意図はあるし、こういうメッセージを伝えたい、というのはある。そのために活動紹介のDVDを流したり、ここは絶対に喋って欲しいことを引き出す/仕向ける質問を設定したり、最後に「今わたしたちができること」と題したボランティアツアーに参加した親会社従業員の感想をコピーワークしたムービーを上映したりといろいろ仕込んだ。そこまでやる?くらいに仕込んだからこそ、だったのかもしれない。それでもまだ、あれやっておけばよかった、これも準備しておけばよかった、とおもうことはたくさんある。
けど、場は生きているし、受け取り方は人それぞれ。多田さんのお人柄、場、エピソード、そういったものがすべて融合して、いろんな気づきがそれぞれに生まれたんだと思う。


昨日、第4部(というマネジャー中心の送別懇親会があってそこにも参加していた)が終わってからカイシャに機材を持ちかえって、残務しつつ、アンケートの抜粋を添えて多田さんや関わってくださった方お礼のメールをお送りした。


今朝、多田さんからステキなお返事をいただいた。

  
  御社のチームワークの良さは、ひめさんの努力が礎となっているのだと思います。
  私のような者の話でお役に立てるかどうかと思いましたが、そのように受け取っていただき光栄に思います。


そこまでやる?と言われるくらいやってちょうどよい。特に今回のようなテーマには、そのくらいの覚悟と気概で臨んでちょうどよい。


もちろん、ネガティブな感想や反応もたくさんあった。そのこと自体はあたしを十分に凹ませる。それでも、”復興”は東北だけのことじゃない、自分ごとなんだ、とあらためて気づけたことは意味があったと思う。


集まってきた感想レポートには、何かやらなくちゃ、というコメントが非常に目立った。多田さんからのお返事を読みながら、この「何かやらなくちゃ」をそのままにしちゃいけない、と思った。昨日のできごとを「いい話が聞けた、何かやろうと思います」で終わらせちゃダメだ。何か行動しないと。ひとりではできないかもしれないけれど、図々しくあたしが声を上げることでできることもあるかもしれない。


今、いちばんだいじだと思うことを真剣にやる。それしかない。それしかできない。
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