わくわく記録帳

一日に見聞きすることをすべて記録すると文庫24冊になるらしい。
そんなに!?
記録しておかないのはもったいないよね。

なぜわたしはグラレコ(グラファシ)をしたいのか?~医学界新聞連載終了とグラファシ講座から考えた

2020-09-18 06:59:56 | グラレコ
去年の暮れから始めた医学界新聞の連載が、つい先日最終回を迎えました。全10回。連載のご依頼をいただいたのが、去年の夏。用事例から言い回し、これまでの主張や内容と齟齬がないかなど、いつも細やかな確認、チェックをしてくださる編集者さんのおかげで全10回、完走することができました。本当に貴重な体験でした。大した字数じゃないけど、毎月締切抱えるプレッシャーはハンパなかったし。


前半の3回がグラフィックレコーディング(以下、グラレコ)やるときの心掛けや心構えといったふわっとした内容で、中盤は実際に簡単なイラストを紹介したりと描き方をお伝えし、終盤はこんな場面でも使えるよ、という実践をイメージした構成でした。
1年も経てばわたしも変わるし、世間も変わる。でも、今読み返してみても、あんまり変わってないなぁーというのが率直な印象。そう、10回やってきてあらためて思うのが、グラレコは楽しく描く、でいいじゃんねぇ、ってこと。
描くことを楽しみながら、その人なりのやり方や場面で取り組めばいいじゃんねぇ、ってこと。


わたしの描くグラレコを見て「わたしも描きたい」というお声をたくさんいただくようになって、講座を始めたのが4年前。一般の方だけではなくて、大学をはじめ、いろいろなところで講座を開催して、今やひめチルドレンは1000人超!(大学の一斉授業やオンラインの大型イベントは除く)
講座中にめちゃくちゃ真剣に、けれども楽しそうにペンを走らせる姿を見るのが嬉しくて、
楽しかった!
もっと描きたい!
ペンを買って帰ります!
と帰っていく姿を見るのが嬉しくて続けてきた。


グラレコが世の中に広まってきている中、グラレコやってます、と言うと「グラレコ?流行ってるよねぇ」とちょっと揶揄されることもある。玉石混交やグラレコに対して安価な対価しか提示されないという問題も生まれてきている。もしかして、わたしってば玉石混交を生んでいる諸悪の根源かも???と悩んだ時期もあった。


そんな悩みや迷いもあって、この夏、グラフィックファシリテーション(以下グラファシ)講座を受講した。ずっと受けてみたい、と思っていたけど勇気とタイミングが合わなくて受けられずにいた講座。受けられて嬉しい、というよりも、不安の方が圧倒的に大きかった。受講前も受講中もずっと。それは、グラファシ講座が、グラフィックを学ぶ場ではなく、ファシリテーションを学ぶ場であること、さらに言うならば、ファシリテーターとしての在り方(Being)が問われる場であったからにほかならない。グラフィックを習いたい、と思っていたわけではないけれど、グラフィックを使ってできることを広げたい、というぼんやりとした動機しかなかったから、ほんとうにきつかった。ファシリテーターとして、それ以前に人として、あなたはどうありたいの?を問い直され続けた2か月間だった。そして、「なぜわたしはグラファシをやりたいのか?」という問いに向き合い続けた2か月間だった。得るものはもちろんたくさんあった。その中でも一番大きかったのは、「なぜグラ?」を問い直し続けたことで、なぜわたしはグラレコをやっているのか/やりたいのか?が見えたことかもしれない。ちょうど連載も終わるタイミングで、あれこれ考える良い機会になった。


グラファシ講座と医学界新聞の連載の2つの経験から実感したのは、やっぱりわたしは聞いて描くことを楽しみたいし、描くことを楽しむ人を増やしたいんだってこと。


MacBookではなくスケッチブックを持ち歩くようになったヨシダさん
ゼミのふりかえりや越境したワークショップをたくさんのグラレコで記録しているみかんちゃん
グラレコに苦手意識を持たずに取り組むにはどうしたらいいかを卒論で研究したいと考えているまいちゃん
講座を受けて1年の間にいろんな場で描きまくってるあかねさん
今や描くだけではなく、ご自身で講座を主催されたり、大学の授業でグラレコを教えていることばさん
中学生の頃に親子で参加してくれた子は高校生になった今、いろんな活動の場でグラレコ使って対話やコミュニケーションを楽しんでいるそう。


そう、こういうのが嬉しい。こういう人たちが増えることがとにかく嬉しい。
その人に合った、その人なりのグラレコの使い方、取り入れ方がいいし、そうやって楽しんでもらえることが何よりも嬉しい。


それはグラレコじゃなくて、単なるノートなんじゃない?
確かにそうかも。でも、定義がどうかなんてそんなに大きな問題じゃないと思っている。グラレコがあることで、グラレコと出会ったことで生活が楽しくなったら最高じゃない?
描くことが楽しくなって、人の話を聞くのが楽しくなって、学ぶこと、新しく経験することが楽しくなる。そんな循環が生まれることがわたしの喜びだし、このサイクルにグラレコが少しでも役に立っているのだとしたら、こんなにシアワセなことはない。


これからも「残したいものを楽しく描く」をモットーに、わたし自身も描くことを楽しんでいきたいし、描くことを楽しむ人をもっともっと増やしたい。めざせ、ひめチルドレン10000人!いつかドームで集会しよう(え?)



(「なぜわたしはグラレコしたいのか?」をグラレコしてみたらこうなった)
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