【ちゑや】LIVE~法改正が障害者雇用に与える影響~が無事、終了しました。
めちゃくちゃ緊張したし、皆さんの意識の高さにニーズにこたえられるんだろうか?と心臓ばくばくだったけど、すっごーーーーーい楽しかった。気づきも学びも盛りだくさんな1時間半+その後のリフレクションランチ@タリーズ、でした。
自分自身のリフレクションを兼ねて、いつものごとくだらんだらんと書き留めておきます。
どうも、あたしは端的に書く、ってことができなくて気づくと6000字を超える長文(>_<) 読み手のことを考慮しとらんね。
ポイントは2つ。学習者としてのあたし目線で学んだこと、カイシャの使命を持ってやった内容と効果についての振り返り。
この2つはシンクロしないんだな、きっと。
そもそも【ちゑや】は、社内で【ちゑや】的活動がしたくて(ラインにいたときは有志募って【ちゑや】的なことやってたんだけど、スタッフに来たとたん、それが”仕事”になっちゃって水面下活動ができなくなっちゃった。)お近づきになりました。
きっかけは中原先生のブログで、同じグループ会社内でこんなことしてるんだー、参考にしたい!ってのがスタート。
このころはどーしたら、【ちゑや】的活動を社内で実現できるかってことを考えていたので、一緒にやるっていう発想はなかった。
では、なんで今回の話が実現できたのか。
景気変動の波に揺られて当社では親会社+グループ統合各社の従業員数が減っているので、雇用率は達成中
。けど、仕事はどんどん縮小されていて収支は厳しい状況が続いております。当社ではオフィスの中で発生する細細した事務仕事を親会社から集めてきて、ボリューム作って、定型化して、分業化して行うというシェアードサービス的な事業展開を行っているのですが、アンケートの集計とか、資料の作成とかは、自分たちでやりますよ、ってな感じでなかなか発注いただけない。あるいはフツウに合い見積もり取られて負けたり、とか。ショウガイシャだからと言って全然やさしくないんだな(笑)
という厳しい現状をわかってよ(ついでに仕事ちょうだいよ)ってニーズともう一個は、障害者雇用促進法の改正によって、今までは雇用率が未達成の企業からの納付金・・・平たく言っちゃうと罰金みたいなもんが、301人以上の企業からのみ徴収されてたのが、201人以上に引き下げられた。中小企業よ、もっと雇用したまえ、というお上の意思ですね。
となると、Rグループ内でも201人以上規模のグループ会社が5~6社出てくるわけで、それをグループ統合しますか?≒当社で雇用を肩代わり、それとも、一人二人なのであれば自社で雇用する?みたいなことをグループ人事と議論し始めている。
現状のRグループは当社以外ではほとんど雇用されていなくって、おぢさんたちは「それってどうなのよ?」と理屈ではなく感覚で怒っている。あたしはこの件に関してはなんとも言えない。
というようなこともあって、もっとグループ内に当社のことや障害者雇用のことを広めていかねばならん、ということをあたしの上司である取締役が言い始めて、いろいろ活動しているわけです。あ、でもこの取締役も時と場合によってぶれるんだな、この普及活動はショウガイシャコヨウの啓蒙なのか、ビジネスなのか(≒当社に発注しよう)。
役員向けに勉強会やったり、求人媒体の営業マン向けに勉強会やったり、クライアントからこんなこと言われた~なんてときは電話相談的なことをやったり、親会社の広報部にお願いして社内報で何度か取り上げてもらったり・・・。
で、【ちゑや】。Rエージェントさんは、1000人を超す従業者がいるのですが、なんと、障害者はゼロ。意図的に採っていないわけではなくて、結果としていないのと、ぶっちゃけ、それどころじゃないってのが経営側にはあったらしい。一般社員目線では知らない、ただそれだけ。
でもまぁ、数字だけを見て、おぢさんたちは「けしからん」的に思うわけですよ。で、啓蒙してこい、宣伝してこいと「そりゃー、ごむたいな」ということをおっしゃる。あたしなんて親会社からの出向とか転籍ではないからネットワークも持ってないし、どうすりゃいいのさ?ってことで、ダメ元で【ちゑや】に「知のニーズがあったらぜひぜひ!」と売り込んだらば、店主から「障害者雇用は優先度が低い、のではなくて、上げられていないだけ。まさに【ちゑや】的コンテンツ」とLIVEが決定。
ちょうど9月は障害者雇用月間でもあるので、営業的には早めにインプットしておいた方がいいんじゃないか、ということで、とんとん拍子に話が決まり最初の打ち合わせから3週間(うち1週間は夏休み)で、LIVEを開催。
ひとまず、障害者雇用ってなんなのか?今、市場や環境はどうなっているのか?自分たちの仕事や会社への影響って、はたまたクライアントや求職者への影響って???って概論だけでも、とにかく勉強になる、とのことで、雇用環境をメインにした内容でメニューを構成してみました。プラスして当社のご紹介+宣伝も。
で、【ちゑや】。
進行としては、下記の流れ。
■導入 5分
店主から【ちゑや】の目的、今回のLIVEの内容と『正しい拍手』の仕方講座
■テーブルごとに自己紹介+意見交換 10分
今回のLIVEになぜ参加しようと思ったのか、どんなことを聞きたいか
■LIVE 45分
■テーブルごとに復習 10分
話を聞いてどう思ったか? 質問や知りたいことの共有
■質疑応答 20分
LIVEの内容はともかくとして、この【ちゑや】がなぜすごいのか、っていうのを学習者のあたし目線でつらつらと。
テーブルごとに復習の時間、島を回ってどんな話がされているのか耳をそばだてていたら、店主が「(対話に)入っていいですよ」とおっしゃるので、ぜひぜひ!ってことであるテーブルにおじゃまさせてもらった。
仕事上で、クライアントから相談受けたりしていることもあって、聞きたいことてんこ盛りって感じでした。でも、それ以上に驚いたのが、ものすごく深くてリアルな話が繰り広げられているってこと。
うまく言えないんだけど、ショウガイシャコヨウって本音と建前の部分って少なからずある。企業は効率を追求したいから、設備投資がいらなくて通常の仕事ができる身体障害がほしい、けど、採用市場にはそういう人は残っていなくて、重度の知的や精神障害って人をターゲットにしていかなければならない。コンプライアンスとも相まって、部位によって差別区別もできんしね、でも、採用しても仕事がない(作れない)、雇用率のためにいるだけ、ってのは『なし』だよね・・・というジレンマを抱えている。
そういうリアルでディープな話がざっくばらんになされていたことに驚きました。それも、一般論ではなくて「わたし」はこう思う、と一人称で語られている。
前回、社内でワークショップをやったときに、やっぱりリーダーたちは「対話」に慣れていなくて、最初はキレイごとを言おうとしたり、結論を作りたがったりしていた。話題を提供したりして、場が温まって、ここは安全なんだ、一人称で話していいんだ、というのがわかってはじめて、対話ができるようになっていった。
それが【ちゑや】ではほんの短い時間なのに、活発にできている。しかも、一人が発言したことを受けてどんどんと話が展開、膨張していく。それってホントにすごい。
自分の仕事に結びつくことでの当事者意識というか、ひっ迫感もあるだろうけれど、でも、それだけじゃない気がする。おそらくは、雇用率達成のためのノウハウを教えてください、クライアントがほしがってるので、ということではなく、「働く人」とか「雇用市場」ということをもうちょっと広い目線で捉えて仕事をしている人たちだから、なのかもしれないな。そして、【ちゑや】が安全な場所だ、という共通認識があるから、リアルでディープな話ができるんだと思う。
そして、ここまでリアルでディープな話ができたのも、テーマが仕事に直結していることに遠からず関係しているように思う。
このことをそのあとのリフレクションランチで店主と若女将に率直な感想としてお伝えしたら「それは私たちにも発見でした」と。
まとめることに意味はないけど、むりにまとめてみると
リアルでディープな対話を引き出すためには
・テーマが身近で緊張感/ひっ迫感がある
・安全な場所(話が独り歩きしない)
ってのも重要なのかもしれないなー、なんて思った。今後の参考にしたい。
反省点としては、ほとんどインタラクティブにはできず、せいぜいが「障害者と一緒に仕事した事ある人?」とか「障害者は増えていると思いますか?」とか「じゃ、なんで増えていると思いますか?」とか、その程度の投げかけしかできんかった・・・
講師的なスキルを磨こうとは思わんけど、こちらの伝えたいことを伝えるためには、巻きこむってことが必要で、それは全然できてないなーと凹む。
そして、もう一つの目線。カイシャの使命を持ってやった内容について。
↑でもリアルでディープな話が繰り広げられていたことに驚いた、って書いたけど、ホント。社内の経営ボードで会話される内容よりもずーっと核心をついてました。っつか、おぢさんたち+お局様は怖くてここまで踏み込んでないんだろうなと毒を吐いてみる。
・面談にきた求職者が障害を持っていたらどう接していただろうか
コンプラ的側面から「訊いちゃいけないこと」には考えが及ぶかもしれないけれど、
そもそも企業と個人のマッチングということを考えたときにはどう接するべきなのだろう
・企業側のニーズは、受け入れにコストがかからず能力が高い障害者
でもそれを採用時に選別することは可能なのか?
・精神障害者が認定を外れたとしたら企業はどうするのか
雇用継続できるのか? などなど。
この話を持ち帰って、めちゃくちゃ高揚して話したら、Rエージェントでは一人も雇用していないのに・・・(お局様)と
言われて、げんなり。
そりゃそうだけどさー、でも、そんな身内で足を引っ張るようなことを言ってしまう前に、
単に、雇用率達成のためのノウハウを教えてください、ではなく、広く「働く人」「雇用市場」のために自分たちができること、ってのを考えているからこそ、の意見や質問だとあたしは感動したんだよな~。
同じグループ内で雇用していることは知っていたけど、こんなに多くの障害者がフツウに仕事をしていることは初めて知った、という率直な感想も嬉しかったです。パワポのスライドショーに音声つけて簡単なカイシャ紹介のムービーを作ったんだけど、音楽の力ってすごい、あたし、作りながら号泣じゃもん。笑。上映後に拍手いただけたのも嬉しかった。
最後に店主から、これまた核心つく質問をいただいた。
「特例子会社で雇用する方法とユニクロのように本体で雇用する方法といろいろあるが、これから先どうなっていくと思いますか?(Rも世の中の雇用も、という意味で)」私見で構わないので、とおっしゃるので、会社の見解ではありません、とお断りをした上で
特例子会社のメリットは制度を独自で作れる、という点。
でも、仕事をする、という視点に立てば別に特例だろうが本体雇用だろうが、
一人ひとりの能力に合って且つ、企業経営上も健全な・・・雇用のためにいるだけでよい、ではない・・・
採用雇用が実現できればよいと個人的には思っている。
Rグループの中では当社は引き続き、雇用を頑張っていく
・・・それは採用したあと、その人が長く活躍する、という意味で・・
各社に対して雇用のノウハウやら、派遣、出向のような形で関わっていくんだろうと思う
と答えてきました。
そのあとのリフレクションランチ@タリーズで、店主がはからずもおっしゃっていたけれども、障害者雇用は法律があるから対応するんじゃなくて、ワーキングマザーやグローバル人材の活用と一緒で、ダイバシティの問題なんだよね、と。
そして、日本はずっと課題を解決してきたけど、この問題(障害者が働く、ひいては働く上での差別や障害をどうなくしていくか)はまじめに取り組んでいくべきなんだと思うし、そういうことに取り組んできたのがRなんだと思う、と。
あたしもそう思います。世の中を変える、だなんて大上段に立たなくても、不具合を解消してきたのがRなら、この問題も単に法律をどうくぐるか、ではない『何か』を考えていくんだろうな、と。
【ちゑや】では、参加者、テーマ、箱、の3つをきちんと設定して毎回企画していて、大抵1つは新しいことにトライしているそうですが、今回はほとんどすべてが新しいことで【ちゑや】にとってもチャレンジだったとか。
その点でも全体像、市場やトレンドなどを網羅的に紹介したというのは、とても意味のあることだったのではとおっしゃっていただきました。そして、今回のLIVEで紹介した内容はものすごいノウハウだし、ビジネス云々ってことではなくってもっと世の中に発信すべきだ、とも。いやはや恐縮です・・・・。
そして、店主も若女将も、今回のLIVEを、仕事に直結できる話が聞けてよかった、では終わらず、今後の雇用や社会を考えていく、もっと大きな視界を持つきっかけにしたい、事後アンケートの設問もそのような視界を引き出すようなものを考えたい、とおっしゃっていただきました。
そしてあたし的ネガティブ内省。
・上司の期待には応えられたのか?
この仕事は、あたし個人にとってはいろんな学びや気づきがあったけど、会社の使命を受けて行ったこととして、このやり方は適当だったんだろうか?【ちゑや】に関わりたい、【ちゑや】でLIVEやれるかもーっていう高揚感に押されたんじゃないか?
・組織化、伝承化できるのか?
あたしが仕事をしていく上でのポリシーは、組織化。属人化を嫌って、そういう仕事の仕方しかできない人のことを非難もしたりしてきた。でも、この仕事って、あたし以外にできるんだろうか?そして、これは知見として継承できるんだろうか?継承しなくちゃならないし、コンテンツは引き継げるけど、こういう機会を創ること、コンテンツづくり、はたまたプレゼン力・・・そうしたものは引き継げるんだろうか、引き継がなきゃならんよね。
・乗り越えられてないかも
こういう話=障害者雇用云々 は、知らないことだから、初めて聞いた人は皆一様に「勉強になった」と言ってくれる。それは理解が進むことだし、まさにダイバシティっていうか多様な価値観の受入につながることだから、やったことに意味はあると思う。
けど、どうしても”健常者”目線で話していること、聞きたがること、に場数をこなせばこなすほど、違和感を感じるし、ぶっちゃけ、障害を持っている彼らは、こうして語られることをどう思っているんだろうと考えるとぐるぐるしちゃう。見学対応に同席してもらってもいつもめちゃくちゃ緊張する。マネジメント上の課題や質問を聞かれると、どうしたって”健常者”目線になってしまって彼らにとって聞きたくない話もあるんじゃないかと緊張する。
あたし自身がまだまだ障害者と一緒に働く、共生するということを乗り越えられていないのかもしれない。
・合わないことやってるんじゃないか?
最近、こういう活動していて、三日月さんはやはり専門にそういう(福祉とか障害者雇用とか)勉強されてきたんですか?って訊かれることが多いんだけど、あたし自身は相変わらずそんなに興味も関心もない。あたしが興味があるのは、働く人がその人の能力や志向に合った仕事について、パフォーマンスを上げること、そのために何をすべきか、何ができるのかってこと。そこには障害者もなにも関係ない。今はたまたま障害者と一緒に仕事をしていて、彼らの多様さにハッとさせられたり、勉強させられたり、が楽しいだけなんだな。
そんなこともあってかラインに戻りたい、チームで何かをするって仕事にシフトしたい、っていう思いが最近むくむくと湧いてきて、あたしのぐるぐるは続いている。
おまけ。
中原先生も着た憧れのはっぴを着て店主と。これだけで大満足です(笑)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/52/7f7bfc147c6de71d625f5e03ce732311.jpg)
めちゃくちゃ緊張したし、皆さんの意識の高さにニーズにこたえられるんだろうか?と心臓ばくばくだったけど、すっごーーーーーい楽しかった。気づきも学びも盛りだくさんな1時間半+その後のリフレクションランチ@タリーズ、でした。
自分自身のリフレクションを兼ねて、いつものごとくだらんだらんと書き留めておきます。
どうも、あたしは端的に書く、ってことができなくて気づくと6000字を超える長文(>_<) 読み手のことを考慮しとらんね。
ポイントは2つ。学習者としてのあたし目線で学んだこと、カイシャの使命を持ってやった内容と効果についての振り返り。
この2つはシンクロしないんだな、きっと。
そもそも【ちゑや】は、社内で【ちゑや】的活動がしたくて(ラインにいたときは有志募って【ちゑや】的なことやってたんだけど、スタッフに来たとたん、それが”仕事”になっちゃって水面下活動ができなくなっちゃった。)お近づきになりました。
きっかけは中原先生のブログで、同じグループ会社内でこんなことしてるんだー、参考にしたい!ってのがスタート。
このころはどーしたら、【ちゑや】的活動を社内で実現できるかってことを考えていたので、一緒にやるっていう発想はなかった。
では、なんで今回の話が実現できたのか。
景気変動の波に揺られて当社では親会社+グループ統合各社の従業員数が減っているので、雇用率は達成中
。けど、仕事はどんどん縮小されていて収支は厳しい状況が続いております。当社ではオフィスの中で発生する細細した事務仕事を親会社から集めてきて、ボリューム作って、定型化して、分業化して行うというシェアードサービス的な事業展開を行っているのですが、アンケートの集計とか、資料の作成とかは、自分たちでやりますよ、ってな感じでなかなか発注いただけない。あるいはフツウに合い見積もり取られて負けたり、とか。ショウガイシャだからと言って全然やさしくないんだな(笑)
という厳しい現状をわかってよ(ついでに仕事ちょうだいよ)ってニーズともう一個は、障害者雇用促進法の改正によって、今までは雇用率が未達成の企業からの納付金・・・平たく言っちゃうと罰金みたいなもんが、301人以上の企業からのみ徴収されてたのが、201人以上に引き下げられた。中小企業よ、もっと雇用したまえ、というお上の意思ですね。
となると、Rグループ内でも201人以上規模のグループ会社が5~6社出てくるわけで、それをグループ統合しますか?≒当社で雇用を肩代わり、それとも、一人二人なのであれば自社で雇用する?みたいなことをグループ人事と議論し始めている。
現状のRグループは当社以外ではほとんど雇用されていなくって、おぢさんたちは「それってどうなのよ?」と理屈ではなく感覚で怒っている。あたしはこの件に関してはなんとも言えない。
というようなこともあって、もっとグループ内に当社のことや障害者雇用のことを広めていかねばならん、ということをあたしの上司である取締役が言い始めて、いろいろ活動しているわけです。あ、でもこの取締役も時と場合によってぶれるんだな、この普及活動はショウガイシャコヨウの啓蒙なのか、ビジネスなのか(≒当社に発注しよう)。
役員向けに勉強会やったり、求人媒体の営業マン向けに勉強会やったり、クライアントからこんなこと言われた~なんてときは電話相談的なことをやったり、親会社の広報部にお願いして社内報で何度か取り上げてもらったり・・・。
で、【ちゑや】。Rエージェントさんは、1000人を超す従業者がいるのですが、なんと、障害者はゼロ。意図的に採っていないわけではなくて、結果としていないのと、ぶっちゃけ、それどころじゃないってのが経営側にはあったらしい。一般社員目線では知らない、ただそれだけ。
でもまぁ、数字だけを見て、おぢさんたちは「けしからん」的に思うわけですよ。で、啓蒙してこい、宣伝してこいと「そりゃー、ごむたいな」ということをおっしゃる。あたしなんて親会社からの出向とか転籍ではないからネットワークも持ってないし、どうすりゃいいのさ?ってことで、ダメ元で【ちゑや】に「知のニーズがあったらぜひぜひ!」と売り込んだらば、店主から「障害者雇用は優先度が低い、のではなくて、上げられていないだけ。まさに【ちゑや】的コンテンツ」とLIVEが決定。
ちょうど9月は障害者雇用月間でもあるので、営業的には早めにインプットしておいた方がいいんじゃないか、ということで、とんとん拍子に話が決まり最初の打ち合わせから3週間(うち1週間は夏休み)で、LIVEを開催。
ひとまず、障害者雇用ってなんなのか?今、市場や環境はどうなっているのか?自分たちの仕事や会社への影響って、はたまたクライアントや求職者への影響って???って概論だけでも、とにかく勉強になる、とのことで、雇用環境をメインにした内容でメニューを構成してみました。プラスして当社のご紹介+宣伝も。
で、【ちゑや】。
進行としては、下記の流れ。
■導入 5分
店主から【ちゑや】の目的、今回のLIVEの内容と『正しい拍手』の仕方講座
■テーブルごとに自己紹介+意見交換 10分
今回のLIVEになぜ参加しようと思ったのか、どんなことを聞きたいか
■LIVE 45分
■テーブルごとに復習 10分
話を聞いてどう思ったか? 質問や知りたいことの共有
■質疑応答 20分
LIVEの内容はともかくとして、この【ちゑや】がなぜすごいのか、っていうのを学習者のあたし目線でつらつらと。
テーブルごとに復習の時間、島を回ってどんな話がされているのか耳をそばだてていたら、店主が「(対話に)入っていいですよ」とおっしゃるので、ぜひぜひ!ってことであるテーブルにおじゃまさせてもらった。
仕事上で、クライアントから相談受けたりしていることもあって、聞きたいことてんこ盛りって感じでした。でも、それ以上に驚いたのが、ものすごく深くてリアルな話が繰り広げられているってこと。
うまく言えないんだけど、ショウガイシャコヨウって本音と建前の部分って少なからずある。企業は効率を追求したいから、設備投資がいらなくて通常の仕事ができる身体障害がほしい、けど、採用市場にはそういう人は残っていなくて、重度の知的や精神障害って人をターゲットにしていかなければならない。コンプライアンスとも相まって、部位によって差別区別もできんしね、でも、採用しても仕事がない(作れない)、雇用率のためにいるだけ、ってのは『なし』だよね・・・というジレンマを抱えている。
そういうリアルでディープな話がざっくばらんになされていたことに驚きました。それも、一般論ではなくて「わたし」はこう思う、と一人称で語られている。
前回、社内でワークショップをやったときに、やっぱりリーダーたちは「対話」に慣れていなくて、最初はキレイごとを言おうとしたり、結論を作りたがったりしていた。話題を提供したりして、場が温まって、ここは安全なんだ、一人称で話していいんだ、というのがわかってはじめて、対話ができるようになっていった。
それが【ちゑや】ではほんの短い時間なのに、活発にできている。しかも、一人が発言したことを受けてどんどんと話が展開、膨張していく。それってホントにすごい。
自分の仕事に結びつくことでの当事者意識というか、ひっ迫感もあるだろうけれど、でも、それだけじゃない気がする。おそらくは、雇用率達成のためのノウハウを教えてください、クライアントがほしがってるので、ということではなく、「働く人」とか「雇用市場」ということをもうちょっと広い目線で捉えて仕事をしている人たちだから、なのかもしれないな。そして、【ちゑや】が安全な場所だ、という共通認識があるから、リアルでディープな話ができるんだと思う。
そして、ここまでリアルでディープな話ができたのも、テーマが仕事に直結していることに遠からず関係しているように思う。
このことをそのあとのリフレクションランチで店主と若女将に率直な感想としてお伝えしたら「それは私たちにも発見でした」と。
まとめることに意味はないけど、むりにまとめてみると
リアルでディープな対話を引き出すためには
・テーマが身近で緊張感/ひっ迫感がある
・安全な場所(話が独り歩きしない)
ってのも重要なのかもしれないなー、なんて思った。今後の参考にしたい。
反省点としては、ほとんどインタラクティブにはできず、せいぜいが「障害者と一緒に仕事した事ある人?」とか「障害者は増えていると思いますか?」とか「じゃ、なんで増えていると思いますか?」とか、その程度の投げかけしかできんかった・・・
講師的なスキルを磨こうとは思わんけど、こちらの伝えたいことを伝えるためには、巻きこむってことが必要で、それは全然できてないなーと凹む。
そして、もう一つの目線。カイシャの使命を持ってやった内容について。
↑でもリアルでディープな話が繰り広げられていたことに驚いた、って書いたけど、ホント。社内の経営ボードで会話される内容よりもずーっと核心をついてました。っつか、おぢさんたち+お局様は怖くてここまで踏み込んでないんだろうなと毒を吐いてみる。
・面談にきた求職者が障害を持っていたらどう接していただろうか
コンプラ的側面から「訊いちゃいけないこと」には考えが及ぶかもしれないけれど、
そもそも企業と個人のマッチングということを考えたときにはどう接するべきなのだろう
・企業側のニーズは、受け入れにコストがかからず能力が高い障害者
でもそれを採用時に選別することは可能なのか?
・精神障害者が認定を外れたとしたら企業はどうするのか
雇用継続できるのか? などなど。
この話を持ち帰って、めちゃくちゃ高揚して話したら、Rエージェントでは一人も雇用していないのに・・・(お局様)と
言われて、げんなり。
そりゃそうだけどさー、でも、そんな身内で足を引っ張るようなことを言ってしまう前に、
単に、雇用率達成のためのノウハウを教えてください、ではなく、広く「働く人」「雇用市場」のために自分たちができること、ってのを考えているからこそ、の意見や質問だとあたしは感動したんだよな~。
同じグループ内で雇用していることは知っていたけど、こんなに多くの障害者がフツウに仕事をしていることは初めて知った、という率直な感想も嬉しかったです。パワポのスライドショーに音声つけて簡単なカイシャ紹介のムービーを作ったんだけど、音楽の力ってすごい、あたし、作りながら号泣じゃもん。笑。上映後に拍手いただけたのも嬉しかった。
最後に店主から、これまた核心つく質問をいただいた。
「特例子会社で雇用する方法とユニクロのように本体で雇用する方法といろいろあるが、これから先どうなっていくと思いますか?(Rも世の中の雇用も、という意味で)」私見で構わないので、とおっしゃるので、会社の見解ではありません、とお断りをした上で
特例子会社のメリットは制度を独自で作れる、という点。
でも、仕事をする、という視点に立てば別に特例だろうが本体雇用だろうが、
一人ひとりの能力に合って且つ、企業経営上も健全な・・・雇用のためにいるだけでよい、ではない・・・
採用雇用が実現できればよいと個人的には思っている。
Rグループの中では当社は引き続き、雇用を頑張っていく
・・・それは採用したあと、その人が長く活躍する、という意味で・・
各社に対して雇用のノウハウやら、派遣、出向のような形で関わっていくんだろうと思う
と答えてきました。
そのあとのリフレクションランチ@タリーズで、店主がはからずもおっしゃっていたけれども、障害者雇用は法律があるから対応するんじゃなくて、ワーキングマザーやグローバル人材の活用と一緒で、ダイバシティの問題なんだよね、と。
そして、日本はずっと課題を解決してきたけど、この問題(障害者が働く、ひいては働く上での差別や障害をどうなくしていくか)はまじめに取り組んでいくべきなんだと思うし、そういうことに取り組んできたのがRなんだと思う、と。
あたしもそう思います。世の中を変える、だなんて大上段に立たなくても、不具合を解消してきたのがRなら、この問題も単に法律をどうくぐるか、ではない『何か』を考えていくんだろうな、と。
【ちゑや】では、参加者、テーマ、箱、の3つをきちんと設定して毎回企画していて、大抵1つは新しいことにトライしているそうですが、今回はほとんどすべてが新しいことで【ちゑや】にとってもチャレンジだったとか。
その点でも全体像、市場やトレンドなどを網羅的に紹介したというのは、とても意味のあることだったのではとおっしゃっていただきました。そして、今回のLIVEで紹介した内容はものすごいノウハウだし、ビジネス云々ってことではなくってもっと世の中に発信すべきだ、とも。いやはや恐縮です・・・・。
そして、店主も若女将も、今回のLIVEを、仕事に直結できる話が聞けてよかった、では終わらず、今後の雇用や社会を考えていく、もっと大きな視界を持つきっかけにしたい、事後アンケートの設問もそのような視界を引き出すようなものを考えたい、とおっしゃっていただきました。
そしてあたし的ネガティブ内省。
・上司の期待には応えられたのか?
この仕事は、あたし個人にとってはいろんな学びや気づきがあったけど、会社の使命を受けて行ったこととして、このやり方は適当だったんだろうか?【ちゑや】に関わりたい、【ちゑや】でLIVEやれるかもーっていう高揚感に押されたんじゃないか?
・組織化、伝承化できるのか?
あたしが仕事をしていく上でのポリシーは、組織化。属人化を嫌って、そういう仕事の仕方しかできない人のことを非難もしたりしてきた。でも、この仕事って、あたし以外にできるんだろうか?そして、これは知見として継承できるんだろうか?継承しなくちゃならないし、コンテンツは引き継げるけど、こういう機会を創ること、コンテンツづくり、はたまたプレゼン力・・・そうしたものは引き継げるんだろうか、引き継がなきゃならんよね。
・乗り越えられてないかも
こういう話=障害者雇用云々 は、知らないことだから、初めて聞いた人は皆一様に「勉強になった」と言ってくれる。それは理解が進むことだし、まさにダイバシティっていうか多様な価値観の受入につながることだから、やったことに意味はあると思う。
けど、どうしても”健常者”目線で話していること、聞きたがること、に場数をこなせばこなすほど、違和感を感じるし、ぶっちゃけ、障害を持っている彼らは、こうして語られることをどう思っているんだろうと考えるとぐるぐるしちゃう。見学対応に同席してもらってもいつもめちゃくちゃ緊張する。マネジメント上の課題や質問を聞かれると、どうしたって”健常者”目線になってしまって彼らにとって聞きたくない話もあるんじゃないかと緊張する。
あたし自身がまだまだ障害者と一緒に働く、共生するということを乗り越えられていないのかもしれない。
・合わないことやってるんじゃないか?
最近、こういう活動していて、三日月さんはやはり専門にそういう(福祉とか障害者雇用とか)勉強されてきたんですか?って訊かれることが多いんだけど、あたし自身は相変わらずそんなに興味も関心もない。あたしが興味があるのは、働く人がその人の能力や志向に合った仕事について、パフォーマンスを上げること、そのために何をすべきか、何ができるのかってこと。そこには障害者もなにも関係ない。今はたまたま障害者と一緒に仕事をしていて、彼らの多様さにハッとさせられたり、勉強させられたり、が楽しいだけなんだな。
そんなこともあってかラインに戻りたい、チームで何かをするって仕事にシフトしたい、っていう思いが最近むくむくと湧いてきて、あたしのぐるぐるは続いている。
おまけ。
中原先生も着た憧れのはっぴを着て店主と。これだけで大満足です(笑)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/52/7f7bfc147c6de71d625f5e03ce732311.jpg)