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この会社が好きって人が人事にいてほしい〜孫子女子勉強会放課後タイム&オンライン読書会で考えたこと

2023-10-02 07:04:10 | オトナの学び
先日の孫子女子勉強会放課後パートでちょこっと話題になった「人事のプロ」。
それと関連してるのかしてないのか微妙だけど、ここ最近のわたしが強く感じている「真面目な人ほど勉強しすぎて辛くなっちゃうのなんとかならないか」問題。
何がどうもやっとしてるのか、気になってるのかをちょこっと言語化しておこうと思う。


女性リーダー育成プログラムに関わってたり、人よりほんのちょっと早く「越境学習」してたりすることもあって、人事や人材開発部門に異動になった人から「何を勉強したらいいですか?」「おすすめの本ってありますか?」と相談を受けることがある。人事としての仕事をスタートする前に、知識をつけなきゃ、人事界隈のトレンドを押さえておかなきゃ、と真面目な人ほど思いがち。そして、おすすめした本は読むし、おすすめしたセミナーに参加したりときちんと吸収して、アウトプットを出そう、貢献しようと頑張っている。素晴らしいことだ。
けど、そのうち、「学んでも学んでも追いつかない」「学んだことを上層部(や部下)にうまく伝えられない」「会社の中で浸透させることができない」とどんどん悩みが深くなってきてしまう。
一生懸命に会社のこと、従業員のことを考えて、自分ができることを増やそうと学んでいるのに、どんどん苦しくなってしまう。


とっても悲しい。なんとかできないのかな、といつもいつも思っている。何もできないし、答えもなくてわたしもとても苦しい。


「学ぶ」という観点から見ると、例えば、経理や法務部門に異動になったら、とりあえず簿記や管理会計を勉強しよう、ビジネス法務検定を受けよう、と非常にわかりやすい学びがあるわけですよ、もちろん現場の仕事はそれだけじゃ太刀打ちできないし、法改正に合わせてひたすら学び続けなきゃ、インプットし続けなきゃいけない。
けど、ひとまず「これだけは」な最低ラインの知識獲得の目標値は明確だ。


これが人事部門になると、会社の方針や環境、従業員それぞれの状況やスキル、配置、今後のキャリアプラン、さらには上司の意向などなどさまざまな要因、魑魅魍魎もといステークホルダーが跋扈していて、誰のどのニーズに応えればいいのぉおおー?!って状態になることは想像に難くない。そして自分が力不足だからだ、とさらに追い込んでしまう、という悪循環が起きているように思う。特に真面目で会社のこと、従業員のことを考えている人ほどその傾向が強いように思うのですよ。


で、「人事のプロ」って存在。「人事のプロ」って言葉はHR界隈ではよく見る。見かける。そうするとやっぱり「人事のプロにならなきゃ」「専門知識と経験を持って、社内の人的課題を解決できる人材にならなきゃ」って思っちゃうんじゃないだろうかと。


ところで、この「人事のプロ」の定義ってなんなんでしょうね?
2009年8月のWorksの特集が人事プロフェッショナルだったようで、そこには
「人事課題を一手に引き受け、組織を健全な方向に導き、企業を成長の軌道に乗せられる存在」
って書かれていた。いやはや、すごい、こんなの無理だわー。労務や育成に関する基礎的な知識を持つことだって大変なのに、環境変化に応じてアップデートしていかなきゃならないわ、企業の競争力を確保しなきゃならないわ、こんな高度なこと無理だわーって思っちゃうよね。


もちろん、この視点は大事。単に人を育てる、その人の成長を喜ぶのはカタルシスなだけだけど、企業にいる以上、経営に資する、成長に貢献できてなんぼだっていうのはわかる。そのマインドは忘れちゃいけない。


けどね、青臭いわたしは、人事界隈の知識や経験が豊富で、最新の知見も持っていて、さらには企業の成長に貢献できるような人材も大事だけど、この会社のことが好きで、この会社の従業員のことが好きでみんなにもっとハッピーに働いてほしいと思っている人が人事にいてほしいと思うのですよ。
だから人事異動で他部門から人事に来た人には本当に頑張ってほしい。他部署にいたからこそわかる、他の部門を知っているからこそできることってたくさんあるし、「人事」しか知らない人よりもきっと会社の成長、人の成長に貢献できるんじゃないかと思っている。好き、って気持ちは何よりも原動力になる。


だから、何を学んでいいかわからない、学んでも学んでも追いつかない、ってモードになっちゃうことがとっても悲しいし、なんとかできないものだろうか、といつも胸を痛めている。


学んで知識があるから信頼されるわけでも仕事ができるわけでもないと思うのだよね。一人ひとりと向き合って、何ができるのか、何をしたらいいのか、に目を向けることで自分が貢献できることが見つかるんじゃないかと思うし、それを積み重ねていくことで「プロ」って言える領域に辿り着けるんじゃないかと思うんだよね。
やっぱりね、人事にいる人は「人」を見てほしい。一人ひとりの仕事、暮らし、将来、そんなことに想いを馳せて施策を考え、実施していってほしい。


先日の「人材開発・組織開発コンサルティング」読書会の最後のプレゼンで、「コンサルタントは学び続けなければ!」と最後に美しくまとめてくださって、そのこと自体に異論はないんだけど、人事に異動した人が学んでも学んでも追いつかない、、、と疲弊していく姿をなんとかしたい、とオチにも何もなっていない悩みを吐露したら、ナカハラ先生が「感謝される経験が早くできるといいですよね」と。
そうなんだよね、ほんの小さなことでもいいから、感謝されることを積み重ねていくことで組織も人も変わるんじゃないかと思うんだよね。本を読むのもいいけど、本やパソコンからちょっと目を離して、そこにいる人を見てほしい。きっとたくさんのメッセージを受け取ることができるはず。


会社のことが好き、この人たちのことが好きって人が疲弊していかないよう、何かできることはないのかな。相談された時に全力で向き合って受け止められるだけの度量を持ちたい。まだまだだな。がんばらなきゃ。




コメント
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