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わくわく記録帳

一日に見聞きすることをすべて記録すると文庫24冊になるらしい。
そんなに!?
記録しておかないのはもったいないよね。

農家の人間でもないのに~ リーダーワークショップSession3が終わった! これまた長文。

2010-11-25 23:55:29 | カイシャ・シゴト



リーダー対象に行っているワークショップ全4回シリーズのうち3回目が終了しました。


1回目2回目は、チームのメンバー一人ひとりに活躍してもらうためにはどうするか、どういう期待をかければいいのか?なんてことをうにうにとアクティビティと対話を楽しみつつ考えた。
リーダーたちからはいろいろ気づけたし、一人ひとり違うことはわかった、でも難しいですよね~という感想をもらっていたので、ちょっとくらいは実践的なコンテンツを提供したいなと思っていました。とはいえ、相手があることなので、方程式はないし、前回うまくいったからと言って、そのやり方が未来永劫通用するわけではない。
でも武器はたくさん持ってた方がいいよね、と今回はちょっと眼先を変えて、モティベーターを意識して仕事を
アサインしていましたか?って問いかけをしてみた。


リーダーたちは、チームの業務をきっちりと納期通りに品質を維持して納品することが求められている。だから仕事のアサインをする際には、スキルマップを活用して、この業務は○○さんができる、この業務は△△さんができる、と穴埋め式に依頼することが多かった。その人が何が得意か、どんなことをしているときにパフォーマンスが発揮できるのか≒アンカーは何なのか?なんてことは発想も持っていなかった。あ、語弊あり、ですね。持っていたかもしれないけれど、そんなことを考えてアサインできるほど人的リソースに
余裕がない、というのが実情。


これはあたしの大学院の修論から連綿と続くテーマである。
すべての人にはアンカー≒仕事観があって、それを見つけること、研ぎ澄ますことがその人にとってもカイシャにとってもメリットがある。
見つけ方、そして見つけた後にどうやって今ある仕事とマッチングさせるか、が企業側の課題なんじゃないか?と思っている。


ということで、今回は  

  一人ひとり違う→個を認識する
  一人ですべての役割を担う必要はない/得意な人が必ずいる/いろんな役割がある

をテーマにワークショップを行いました。


最近ねー、あたしが作るワークショップもネタばれ、というか、三日月さん絶対、ひとひねりするじゃろって思われて素直に取り組んでくれない(^^ゞ 
あたしそこまでいぢわるじゃないからー


今回はじゃがいもと名刺を使ったワークショップ。
どんな流れかと言いますと…


■ウォーミングアップ ~前回の復習~ 
 
 経験学習モデル   ストレッチ⇔フィードバック  最近接発達領域

これ、ラーニングイノベーション論の時に必ずおさらいからスタートしていて、それっていいなぁと思っていたのでぱちりましたが、参加者から好評です。リフレクションシートにも「毎回前回の復習からスタートしてくれるので理解が深まるし、忘れてた!と気づかされます。」なんて書かれてあったり。


■アクティビティ Small Potate  
そうでーす、これは前回、100人の上野展シンポジウムのときに加藤先生からお聞きしたじゃがいも使ったワークショップの話をぱくらせていただきました。

  ・じゃがいもを準備する ごくごく普通の大きさ、形状のじゃがいもです。多めの方がベター。
  ・好きなじゃがいもを選んで取ってもらう→すぐに袋に戻す
     
  ・さっき選んだじゃがいもを見つけてもらう →見つかる人もいるけれど、確信は持てないのが大半

  ・では、2回目。あらためて好きなじゃがいもを選んでもらう
  ・じっくりと2分間観察する → 袋に戻す
      
  ・さっき選んだじゃがいもをみつけてもらう →大抵の人が即答できる
  

■ゆるゆるダイアローグ 1回目と2回目は何が違ったか?

ここ、めちゃくちゃ深いダイアローグが繰り広げられていました。想像の通り、ここでは2分間じっくり見ることによって違い・個性が際立つ、自分のメンバーもそういう目で見てましたか?という投げかけでした。
ところが、設計以上。

「特徴のあるじゃがいもを選ばず、とにかく目の前のを選んで、じっくり見た。見ているうちに顔に見えたり、あ、このくぼみは何かに似てるな~とか、手触りとか、普段、まったく意識しないのにじゃがいもってこんなにいろんな表情があるんだな~ってわかった。」

「ずっと見てると確かに愛着がわいてくるよね、こいつの違いを見つけなくっちゃ、と思う」

「私はお尻の形に見えるな、と思ってこれを選んだけど、え?そうなの?と言われて気づいた。●●さんからの方向ではお尻の形には見えない。(ってことは一方向からしかメンバーをみていなかったかも。)」
 
会心
もちろん練りに練ったつもりではいたし、そういう話になるように仕向けたけれど、解説するまでもなく気づいてくれたっていうのは感動的でした。


■レクチャー じゃがいもから何を学ぶか 
  観察する目/コトバを与える/愛着を持つ/Name the World

みんなのダイアローグで十分だったんだけど、いちおー用意していたので解説とネタを。
これは加藤先生の受け売りですが、じっくり見てると愛おしくなるでしょ、そうやってじゃがいもは単にポテトサラダの材料から「Myじゃがいも」になるんだ。メンバーもそういうことで、この業務をやってもらうAさん、Bさんじゃないよね、っていうのを体感してもらいました。

あと、これはあたしの解釈なので怪しい部分はあるんだけど、フレイレ先生が言ってるName the World。上田先生がセサミストリートに出会った衝撃のお話をされた中で触れられていて、興味をもった。あたし的解釈は、導管型の落とし込みでは腹落ちもせんし、共感もできない。じっくり向き合って、愛情もって、自分で考えてつけた言葉だから意味や価値を持つ。世の中すべてのものはそうなんだと思う。
教えられた言語のままではなくって「My言語」にしましょうよ、ってこと。
じゃがいもがMyじゃがいも、メンバーがMyメンバーになるように、名前=言葉をつけよう!

これ、いまいちうまく伝えられなかったんだけど、リフレクションシートに
「Name the Worldがすごく響いた。なんの変哲もないじゃがいもを多方向から観察し、特徴を言葉にすることで、愛着を持つことができ、My Potetoになりました。メンバーについても、いろいろな面から観察し、長所短所を言葉にしていくことで、My Memberになっていくのかなと思いました。」
とあって泣きそうになった。
  
   
■アクティビティ チームで協働する

ここはよくワークショップなどでも活用されるチームで協働するためのワーク。4人一組のグループを作ります。
「1分間で紙を高く積み上げてください」
というごくごく単純なワーク。紙は配布直前に配るのでどんな紙が来るかわかりません。作戦会議として5分間自由に使えます。

ええ、想像の通り、紙の積み上げ方が目的ではなく、何が来るかわからない状況で、5分間という

短い間にどう役割を形成していくか、役割分担をしていくかを体感してもらうワークです。
そして、名刺ってのはこれ。

 

紙代すらないので(うそ、単にケチなだけ)、名刺チームのリーダーに「ねぇねぇ、捨てるだけとかっていう簿外の紙ってない?」って訊いたら、ありますよーってことで名刺の断裁をたんまりいただきました!


これがねー、ものすごいおもしろかった。
1回目のときは2グループ対抗だったんだけど、見事に作戦を立てるプロセスが違っていた。A班は、とにかく戦術から先に立てる、口火を切る人がいて、その人のアイデアでとにかくやってみよう、と高く積むためのトレーニングを始めた。それに対してB班は作戦会議そのものがチーム形成のプロセスになっていた。その場を取り仕切る人がいて、「何か意見は?」と訊くと「こんな紙が来たらこうしよう」とか「それだと~~な問題があるんじゃない?」とか「まずは焦らずに、誰かの号令ではじめよう」とかいとんな意見を出しながら調和させていく。
   
もちろん、紙の積み上げ方そのものも、イノベーティブなアタマの訓練のためにはひとつの効用かもしれんな、とも。切って高さを出す、なんて発想あんまりないもん。

 


■レクチャー チーム内の役割 タスクとメンテナンス

方向感を示さないでダイアローグすると、拡散しっぱなしな傾向が強かったので、今回は
「創って→語って→振り返る」のプロセスに「授ける」を追加して
「創って→授けて→語って→振り返る」にした。


ここで説明したのは、チームの中には2つの役割があって、
  ものごとを推し進める、前に進める「タスク」の役割
  維持したり安定させていく「メンテナンス」の役割
チームの中にはどっちもなければならないし、一人ですべての役割を担うのは無理なので、自分ができないことは得意な人やその因子を持っている人い補佐してもらえばいい。全員がタスク型で前に進め~!タイプだったら、足元はぐだぐだかもしれないし、重要な欠陥に事前に気づかずに大きなトラブルが取り返しのつかない段階で起こるんじゃない?といった話を紹介。


■ダイアローグ  今日の2つのアクティビティを通じて感じたこと、気づいたことは?

タスクとメンテナンス、自分はどっち?メンバーは?そもそもそういうこと=モティベーターを意識したりしてた?なんてことを中心に話してもらうといいんじゃない?と誘導。

感想とかそこで出てきた意見はこんな感じ。

 自分はメンバーを決めつけた概念で見ていなかったか? と反省した
 「この人は何が出来るだろう?」「何が苦手なんだろう?」「何に向いているのだろう?」
 ある程度は考えていたつもりでしたが、長所を伸ばす為、短所を克服する為を意識した
 適切な役割を与える努力をしていたのか?


 紙を高く積み上げる作業では、リーダーと呼ばれる人間が集まっている中、
 短い時間の間に役割が分かれるところが見られ面白かった。
 アイデアを纏めようとする人、作業を進めようとする人、客観的に見ながら問題を探す人等、
 その都度役割も様々に変化する姿が見えた時、現場もこうありたいと思った


 大急ぎで料理をしなければならない状況では、ポテトに愛情は注げない。
 そんな感じで、ずっとポテトを「ただの材料」として見ていたのかもしれない。
 忙しいときは仕方ないとしても、私はポテトを、1つずつのポテトとして見ているのか、考えさせられた。


■ラップアップ

毎回、知識のお土産として、本日紹介した理論を再度復習するのと、今回のセッションを通じて考えたかったことはこれです、というのを提示しています。

今回はこの2点。

  観察→言葉を与える→愛情を持つ あおくさいけどこれが人と関わる上では重要だ
    →My Potateにする 愛おしい存在にする

  チームにはいろいろな役割がある 一人で全部は担えないけれど、得意な人、モティベーターを持っている人は必ずいる
    →似たような人ばかり集まってないですか?
    →その人の得意なことを見極めていますか?




蛇足ながら、ワークショップが終わった後にはリフレクションシートを書いてもらっています。フォーマットを添付しつつ、ホーヤさんの足元にも及びませんが、リフレクションメールを送って、事務局仕事は終了。
このリフレクションメール、結構、効果あるみたいで、必ず返信をくれます。こんな話ができてよかった、今日は○○に気づけた、とか、ゆるゆるとリフレクションが促されるみたいです。


なんかね、今回のワークショップでは「場の力」を感じた。
こう見えても(どう見えてる?)かなり練り込んで、いろんなことを想定して、この話をこう伝えたらこの人はう思う?みたいなことをうじうじぐだぐだと悩んで創り込んでいる。ある意味予定調和。
ランスルー、一人ロープレも相当やるし。今までは、自分が作り込んだ内容、想定内でした。
でも、今回は違った。あたしが設計した以上に深い気づきがリーダーたちにはあったようです。かなり抽象的な内容だったにも関わらず、全員が「より実践的な内容でよかった」と言っている。不思議。


これが場の力なのかもしれない。場と対話。そして参加者の卒意。


そして、
あたしが何よりも嬉しかったのはこの言葉。


  三日月さんの飽きさせない試みを毎回楽しみながら学ばせて頂いています。


学ぶってこういうことなのかもな、って。
楽しみながら、学んでいるという自覚すらなく学べたら、こんなに素敵なことはないよね。
あまっちょろいかもしれないけれど、あたしはそういう場をもっともっと作りたい。それがすべての人は生まれながらのLearnerなのだ、ということの証になるような気がする。



そう、やっぱりジンザイイクセイには愛。


  農家の人間でもないのに、こんなにジャガイモをまじまじと見るとは思いませんでした。
  最終的には愛おしくさえ思いました


って、感想くれたリーダーがいたけど、やっぱり愛だろ、愛(笑)


次回もいい場にしたい。がんばります 
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リーダーワークショップ Session2が終わった! ※またもや超長文

2010-09-28 07:58:05 | カイシャ・シゴト
人の成長には振り返りが必要なんです、その振り返りをする場と時間と手段が今の職場にはないから、その場が必要なんです!と暑苦しく且つ論理的におぢさんたちを説得して、やってみなはれ的に実施しているリーダー対象のワークショップSession2が先週終了しました。


全体の構成は、前回Session1の記事に掲載されているので、そちらを参照あれ。


Session2は、おぢさんたちからの要望が高かった「メンバー育成」に関すること。とはいってもおぢさんたちも「育成」ってどういうことなのか漠としていて、目の前の業務がこなせる業務手順の育成なのか、放っておいても一人で自己完結できる(あくまで業務面)レベルに到達させる育成なのか、はたまた社会人としての基礎的なスタンスやらスキルやらの育成なのか曖昧。
でも、リーダーたちにはメンバーを育ててもらいたいし、メンバーが育たないと組織もラクにならないし(これは短期的な意味での、目の前の仕事をやってもらう、ってこと)、次のリーダー候補も生まれてこないから、組織も成長しない。でも、育てるって言ってもよくわかんないし、そもそも、人を育てているより自分がやっちゃった方が早いって考えている人も少なくない。


ということで、チームで働くっていうことを前提として、育成、人を育てる、成長ってどういうことさ?というのを考えるSessionを行いました。


以下、進行などなど。このあと、おぢさんたちにレポーティングしなくちゃならないので、記録も兼ねて時系列に記載します。


■前回の復習
はい、これまたラーニングイノベーション論のパクリです。 
前回ご紹介した理論をさくっと振り返って、リフレクションシートに記載されていた感想をいくつかピックアップ。

前回のセッションでは
  ・リーダーたちの悩みは共通 それは上司、メンバーとの関係
   多様なメンバーたちとどう関わっていくかということ
  ・同じ悩みを持つリーダーがすぐそばにいるってのは心強い
というのがみんなに共通した感想でした。

でも、それだけじゃダメだよね、あたしたちは、メンバーと一緒にチームで成果を出す存在なのだから、メンバーに何か、働きかけなきゃならんよね、それを一緒に考えて行きましょう とつなげる


■アクティビティ
 「わたしが成長した出来事をレゴブロックで表現してみてください」
そのときに、周りにどんな人がいたか、どんな助言や関わりがあったか、も合わせて考えてみてください
蛇足ながら、お人形を豊潤に使いたかったので(関係性を図示するために)、今回は3回に分けて、一人当たりの人形使える数を増やしてみました


■シェアリング
これまた意味付けかなり秀逸。

たとえば、これ。
  
ひとつの組織に10年以上という超ベテランの方。その時の様子を奥のブロックで表現していて、そのときは10年もやってきているから、かなり耕せていたし、自分自身も楽だった、去年、新しい部署に異動したときに、あまりの違いや「え?こんなこともできてないの?」という驚きがあって最初は戸惑った、でも、仕事がわからないからメンバーにやってもらわなければならないし、自分で全部はできないっていうのをその時に初めて知った。今は、ここを耕してきれいにしていくことも大事だけど、もっと自分には新しい世界があるかも、って思っている。


 
そしてこれ。
 
中途入社の彼女は、親会社を経験しているので、親会社のノリで着任したんだそうです。誤解を恐れず言うと、親会社のノリとは、出退社時間ルーズ、私用外出・私用電話全然OK、深夜まで残業~?ガッツあるね~?みたいな。でも、うちは違うよ、規律がある、業務時間中にコーヒー買いに行くなんて絶対NGだし、遅刻なんて言語道断、的にあれこれ細かいことまで最初にがつんとやられたそうです。かなり凹んだけど、でもこのときにこれだけ細かいケアをしてくれたことでうまくチームに合流し手溶け込むことができた、って言ってました。

 
総合するとやっぱり

 ・初めての仕事や難しい仕事(プロジェクトや、メンバーの欠員など)を乗り越えたとき

 ・上司や先輩からアドバイスや叱咤を受けたことで仕事の仕方が変わったとき 

というように、リーダー自身が自覚している成長した経験には、難しい仕事をやりきる=ストレッチと、他者からのアドバイスた手助け=フィードバックがありました。ここらへんは狙い通りの展開。


 →リフレクションシートとか感想メールでは「上司からの一言が響いたって話があったけど、私はそういうオブジェは作れなかった、でも絶対に言われていたはずだし、耳を傾けていなかったんだなーって思った」「何気ないひとこととか、仕事とは関係なさそうなことが結構手助けになってるし、それがきっかけで、仕事の仕方やスタイルが変われた気がする」ってのが多かった。
そうそう、これなんだよー、絶対だれかに助けてもらってるし、それを忘れちゃうからギスギスしちゃうんだよー、と狙いがはまって会心なり(笑)



■レクチャー
と、話しがつながったところで、松尾先生の回でご紹介があったストレッチ⇔フィードバックのご紹介。
経験学習モデルをくどいくらいに前回説明していたので、単に経験すりゃいいってわけじゃなくって、その質が重要、つまり、ちょっとがんばればできる、ちょっと背伸びした経験なんだよーって話。

 →これも参加者の腹落ち度高かったようです。ちょっと無理すればできる、っていう尺度を間違えやすい、それって人を見てなかったってことですよね、という感想多かったです。

 
■ダイアローグ
前回のアンケートでもっと話したい!という声多かったので、そんなに言うんじゃ、おおいに語っていただきましょ、と今回は2つのテーマで合計40分くらいゆるゆるダイアローグ。

  1つめ:人が育つ職場って?

はい、これまた松尾先生の回からのパクリです。答えがないテーマなので、松尾先生からご提示いただいた

  ①学習資源がある
  ②オープンなコミュニケーション   
  ③目標共有と事後検討  
  ④粘り強い実行  
  ⑤上司・先輩からの指導  
  ⑥仕事を任せる  
  ⑦経験の語り
を例えばこんなこと的に紹介して、あーでもない、こーでもないと語ってもらった。

 →これは、人によって大事にしていることが違って面白かったです。コミュニケーション=話しかけないでねオーラがない、ってことがとにかく基礎!って力説する人や、任せることだ、って言う人。でも突き詰めて話していくと、自分が成長したって思えるときにやってもらったことや周囲の環境がすりこまれてるみたい。
 
 
  2つめ:教え上手な人、この人と一緒に仕事をすると成長するよねって人ってどんな人?

はい、これまた松尾先生の回からのパクリです
  ①ポジティブなフィードバック
  ②率先してビジョンを明確化
  ③ストレッチのきいた目標設定
  ④原因分析と改善策を策定
  ⑤相談を促し、進捗確認をする
  ⑥自分で考えることを促進する
を例えばこんなこと的に紹介して、あーでもない、こーでもないと語ってもらった。

 →途中、「成長意欲のない人には何やってもいっしょ」とネガティブな方向に行きかけた。それを話し始めちゃうと夢がないので、自分だったらどう?と切り替えたりしながら語る。これも人によって違う。っつか、アタリマエのことだし、松尾先生もおっしゃっていたけど、その人の成長段階によってアプローチは異なるわけで。新人にはとにかく褒める、進捗管理する、でも中堅になったら考えさせる・・・とか。


このダイアローグが特徴的だったのは、最初はみんな一般論とか、やる気のない人にどーしたらいいか?的なネガな発想になるんだけど、あるリーダーが自分はこんなことしてる、と自分の体験を語り始めるとそれが伝播していく。4人で話していたら、4通りのマネジメント手法を聞くことができる。これすごい。どこでどう場が切り替わったのか、残念ながらあたしの中でこれ!ってポイントが見つからなかったんだけど、でもこうした場に慣れてきたってのも大きいと思う。ここは安全な場所だから安心して自分のことを一人称で語れるってわかったからなのかも。


■ラップアップ

リフレクティブマネジャーで紹介されていた、私たちは異なる人から異なる支援を受けている、ってくだり。

  業務に関する助言・指導 →上司や先輩
  業務を振り返らせてくれる →後輩や部下
  精神的安息を与えてくれる →同僚や同期

この中で後輩が振り返らせてくれるってなんでかって言ったら、教えるときに、ついついあたしたちは「なんでこいつ、こんなことできないんだろ?」って思ってしまいがちだけど、自分も絶対どこかでつまずいていたんだよね、それを思い出させてくれるし、つまずいていたときにどうやって乗り越えたのかを振り返らせてくれるってことなんだよね。

 →大学院の同期が中原先生の講演?を聞いた、ってシェアしてくれたことの中に、この話がありました。先生は「一人でやらんとみんなでやろうや」っていうネットワーク型、360度型の育成って文脈で話されていたようですが。
あたしは、一人でがんばらんでもいいんだよ、って文脈。自分でなんでもしようとしないで、その人をきちんと理解して、その人にあった支援の仕方をすればいいってことを言いたかった。押しつけじゃダメ、自分の画一なマネジメントスタイルに固執するのもよくないよね、って。

そして最後に金井先生のセッションのときに紹介された
What can I do for you? を〆の言葉としてセッション終了。


参加者からの感想メールやリフレクションシートを見ると、このWhat can I do for you?が一番響いた、って声が多かった。今まで押しつけてたかも、こうするべきって思って相手見てなかったかも、って。
あたしも全然できてないから偉そうなこと言えないけど、これが一番伝えたかったこと。あたしたちは一人ひとり違う。違うことは悪いことではないし、わがまま聞くことがいいことではないけど、でも、一人ひとりの違いをきちんと認めるってことなんだよね。


このやり方、このワークショップがおぢさんたちが求めていることなのかはわからない。総じてリーダーたちからの満足度は高くて、今日はホントに楽しみにしてました!とか次も楽しみにしてますと言われるとそれだけでテンションもモティベーションも上がる。けど、一方で、もやもやが残る、マネージャーに報告を求められた時に困る、という意見もあるのは事実。それを薄めたくて理論の紹介を組み込んだんだけど、昨日、上司からは、「悩んだ結果、対話=結論求めない、自ら気づく、と、理論=即効性のお土産 のハイブリッド型にしたのはわかる、でも、それによってシャープさは欠けちゃったかもな」と言われた。はい、認識してます。おぢさんたちの「で、これをやったらどんな成果が?」っていうのに応えようとしちゃったけど、アキレスさん@あおぞら銀行がおっしゃるように、効果を求められるようではまだ信頼関係ができてない、ってことなんだよね。道のりは長い。


ひとつだけ、確かな手ごたえ。
リーダーたちは学びたがっているし、つながりたがっている
そして、他者を尊重しようとしたがっている


でね、一番嬉しかった感想。


 何を得たのかよくわからないが、何かを得た120分


この感触、大事にしていきたい。そして彼・彼女らと学ぶことを大事にしていきたい。



・・・・と言いながら、ここんとこ、兼務している部署絡みの仕事で「なんでルール通りにできないのかなー(怒)」と眉間に皺寄せてる自分…・全然ダメ。猛省。

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たのしくあやしくまじめに。

2010-08-31 00:56:57 | カイシャ・シゴト
【ちゑや】LIVE~法改正が障害者雇用に与える影響~が無事、終了しました。


めちゃくちゃ緊張したし、皆さんの意識の高さにニーズにこたえられるんだろうか?と心臓ばくばくだったけど、すっごーーーーーい楽しかった。気づきも学びも盛りだくさんな1時間半+その後のリフレクションランチ@タリーズ、でした。


自分自身のリフレクションを兼ねて、いつものごとくだらんだらんと書き留めておきます。
どうも、あたしは端的に書く、ってことができなくて気づくと6000字を超える長文(>_<) 読み手のことを考慮しとらんね。
ポイントは2つ。学習者としてのあたし目線で学んだこと、カイシャの使命を持ってやった内容と効果についての振り返り。
この2つはシンクロしないんだな、きっと。


そもそも【ちゑや】は、社内で【ちゑや】的活動がしたくて(ラインにいたときは有志募って【ちゑや】的なことやってたんだけど、スタッフに来たとたん、それが”仕事”になっちゃって水面下活動ができなくなっちゃった。)お近づきになりました。
きっかけは中原先生のブログで、同じグループ会社内でこんなことしてるんだー、参考にしたい!ってのがスタート。
このころはどーしたら、【ちゑや】的活動を社内で実現できるかってことを考えていたので、一緒にやるっていう発想はなかった。


では、なんで今回の話が実現できたのか。


景気変動の波に揺られて当社では親会社+グループ統合各社の従業員数が減っているので、雇用率は達成中
。けど、仕事はどんどん縮小されていて収支は厳しい状況が続いております。当社ではオフィスの中で発生する細細した事務仕事を親会社から集めてきて、ボリューム作って、定型化して、分業化して行うというシェアードサービス的な事業展開を行っているのですが、アンケートの集計とか、資料の作成とかは、自分たちでやりますよ、ってな感じでなかなか発注いただけない。あるいはフツウに合い見積もり取られて負けたり、とか。ショウガイシャだからと言って全然やさしくないんだな(笑)


という厳しい現状をわかってよ(ついでに仕事ちょうだいよ)ってニーズともう一個は、障害者雇用促進法の改正によって、今までは雇用率が未達成の企業からの納付金・・・平たく言っちゃうと罰金みたいなもんが、301人以上の企業からのみ徴収されてたのが、201人以上に引き下げられた。中小企業よ、もっと雇用したまえ、というお上の意思ですね。


となると、Rグループ内でも201人以上規模のグループ会社が5~6社出てくるわけで、それをグループ統合しますか?≒当社で雇用を肩代わり、それとも、一人二人なのであれば自社で雇用する?みたいなことをグループ人事と議論し始めている。
現状のRグループは当社以外ではほとんど雇用されていなくって、おぢさんたちは「それってどうなのよ?」と理屈ではなく感覚で怒っている。あたしはこの件に関してはなんとも言えない。


というようなこともあって、もっとグループ内に当社のことや障害者雇用のことを広めていかねばならん、ということをあたしの上司である取締役が言い始めて、いろいろ活動しているわけです。あ、でもこの取締役も時と場合によってぶれるんだな、この普及活動はショウガイシャコヨウの啓蒙なのか、ビジネスなのか(≒当社に発注しよう)。
役員向けに勉強会やったり、求人媒体の営業マン向けに勉強会やったり、クライアントからこんなこと言われた~なんてときは電話相談的なことをやったり、親会社の広報部にお願いして社内報で何度か取り上げてもらったり・・・。


で、【ちゑや】。Rエージェントさんは、1000人を超す従業者がいるのですが、なんと、障害者はゼロ。意図的に採っていないわけではなくて、結果としていないのと、ぶっちゃけ、それどころじゃないってのが経営側にはあったらしい。一般社員目線では知らない、ただそれだけ。


でもまぁ、数字だけを見て、おぢさんたちは「けしからん」的に思うわけですよ。で、啓蒙してこい、宣伝してこいと「そりゃー、ごむたいな」ということをおっしゃる。あたしなんて親会社からの出向とか転籍ではないからネットワークも持ってないし、どうすりゃいいのさ?ってことで、ダメ元で【ちゑや】に「知のニーズがあったらぜひぜひ!」と売り込んだらば、店主から「障害者雇用は優先度が低い、のではなくて、上げられていないだけ。まさに【ちゑや】的コンテンツ」とLIVEが決定。


ちょうど9月は障害者雇用月間でもあるので、営業的には早めにインプットしておいた方がいいんじゃないか、ということで、とんとん拍子に話が決まり最初の打ち合わせから3週間(うち1週間は夏休み)で、LIVEを開催。


ひとまず、障害者雇用ってなんなのか?今、市場や環境はどうなっているのか?自分たちの仕事や会社への影響って、はたまたクライアントや求職者への影響って???って概論だけでも、とにかく勉強になる、とのことで、雇用環境をメインにした内容でメニューを構成してみました。プラスして当社のご紹介+宣伝も。


で、【ちゑや】。
進行としては、下記の流れ。
■導入 5分
店主から【ちゑや】の目的、今回のLIVEの内容と『正しい拍手』の仕方講座

■テーブルごとに自己紹介+意見交換 10分
今回のLIVEになぜ参加しようと思ったのか、どんなことを聞きたいか

■LIVE 45分

■テーブルごとに復習 10分
話を聞いてどう思ったか? 質問や知りたいことの共有  

■質疑応答  20分


LIVEの内容はともかくとして、この【ちゑや】がなぜすごいのか、っていうのを学習者のあたし目線でつらつらと。
テーブルごとに復習の時間、島を回ってどんな話がされているのか耳をそばだてていたら、店主が「(対話に)入っていいですよ」とおっしゃるので、ぜひぜひ!ってことであるテーブルにおじゃまさせてもらった。
仕事上で、クライアントから相談受けたりしていることもあって、聞きたいことてんこ盛りって感じでした。でも、それ以上に驚いたのが、ものすごく深くてリアルな話が繰り広げられているってこと。


うまく言えないんだけど、ショウガイシャコヨウって本音と建前の部分って少なからずある。企業は効率を追求したいから、設備投資がいらなくて通常の仕事ができる身体障害がほしい、けど、採用市場にはそういう人は残っていなくて、重度の知的や精神障害って人をターゲットにしていかなければならない。コンプライアンスとも相まって、部位によって差別区別もできんしね、でも、採用しても仕事がない(作れない)、雇用率のためにいるだけ、ってのは『なし』だよね・・・というジレンマを抱えている。
そういうリアルでディープな話がざっくばらんになされていたことに驚きました。それも、一般論ではなくて「わたし」はこう思う、と一人称で語られている。


前回、社内でワークショップをやったときに、やっぱりリーダーたちは「対話」に慣れていなくて、最初はキレイごとを言おうとしたり、結論を作りたがったりしていた。話題を提供したりして、場が温まって、ここは安全なんだ、一人称で話していいんだ、というのがわかってはじめて、対話ができるようになっていった。


それが【ちゑや】ではほんの短い時間なのに、活発にできている。しかも、一人が発言したことを受けてどんどんと話が展開、膨張していく。それってホントにすごい。
自分の仕事に結びつくことでの当事者意識というか、ひっ迫感もあるだろうけれど、でも、それだけじゃない気がする。おそらくは、雇用率達成のためのノウハウを教えてください、クライアントがほしがってるので、ということではなく、「働く人」とか「雇用市場」ということをもうちょっと広い目線で捉えて仕事をしている人たちだから、なのかもしれないな。そして、【ちゑや】が安全な場所だ、という共通認識があるから、リアルでディープな話ができるんだと思う。
そして、ここまでリアルでディープな話ができたのも、テーマが仕事に直結していることに遠からず関係しているように思う。


このことをそのあとのリフレクションランチで店主と若女将に率直な感想としてお伝えしたら「それは私たちにも発見でした」と。


まとめることに意味はないけど、むりにまとめてみると
リアルでディープな対話を引き出すためには
 ・テーマが身近で緊張感/ひっ迫感がある
 ・安全な場所(話が独り歩きしない)
ってのも重要なのかもしれないなー、なんて思った。今後の参考にしたい。


反省点としては、ほとんどインタラクティブにはできず、せいぜいが「障害者と一緒に仕事した事ある人?」とか「障害者は増えていると思いますか?」とか「じゃ、なんで増えていると思いますか?」とか、その程度の投げかけしかできんかった・・・
講師的なスキルを磨こうとは思わんけど、こちらの伝えたいことを伝えるためには、巻きこむってことが必要で、それは全然できてないなーと凹む。


そして、もう一つの目線。カイシャの使命を持ってやった内容について。
↑でもリアルでディープな話が繰り広げられていたことに驚いた、って書いたけど、ホント。社内の経営ボードで会話される内容よりもずーっと核心をついてました。っつか、おぢさんたち+お局様は怖くてここまで踏み込んでないんだろうなと毒を吐いてみる。


 ・面談にきた求職者が障害を持っていたらどう接していただろうか
  コンプラ的側面から「訊いちゃいけないこと」には考えが及ぶかもしれないけれど、
  そもそも企業と個人のマッチングということを考えたときにはどう接するべきなのだろう
 ・企業側のニーズは、受け入れにコストがかからず能力が高い障害者
  でもそれを採用時に選別することは可能なのか?
 ・精神障害者が認定を外れたとしたら企業はどうするのか
  雇用継続できるのか?   などなど。


この話を持ち帰って、めちゃくちゃ高揚して話したら、Rエージェントでは一人も雇用していないのに・・・(お局様)と
言われて、げんなり。
そりゃそうだけどさー、でも、そんな身内で足を引っ張るようなことを言ってしまう前に、
単に、雇用率達成のためのノウハウを教えてください、ではなく、広く「働く人」「雇用市場」のために自分たちができること、ってのを考えているからこそ、の意見や質問だとあたしは感動したんだよな~。


同じグループ内で雇用していることは知っていたけど、こんなに多くの障害者がフツウに仕事をしていることは初めて知った、という率直な感想も嬉しかったです。パワポのスライドショーに音声つけて簡単なカイシャ紹介のムービーを作ったんだけど、音楽の力ってすごい、あたし、作りながら号泣じゃもん。笑。上映後に拍手いただけたのも嬉しかった。


最後に店主から、これまた核心つく質問をいただいた。
「特例子会社で雇用する方法とユニクロのように本体で雇用する方法といろいろあるが、これから先どうなっていくと思いますか?(Rも世の中の雇用も、という意味で)」私見で構わないので、とおっしゃるので、会社の見解ではありません、とお断りをした上で

  特例子会社のメリットは制度を独自で作れる、という点。
  でも、仕事をする、という視点に立てば別に特例だろうが本体雇用だろうが、
  一人ひとりの能力に合って且つ、企業経営上も健全な・・・雇用のためにいるだけでよい、ではない・・・
  採用雇用が実現できればよいと個人的には思っている。
  Rグループの中では当社は引き続き、雇用を頑張っていく
  ・・・それは採用したあと、その人が長く活躍する、という意味で・・
  各社に対して雇用のノウハウやら、派遣、出向のような形で関わっていくんだろうと思う

と答えてきました。


そのあとのリフレクションランチ@タリーズで、店主がはからずもおっしゃっていたけれども、障害者雇用は法律があるから対応するんじゃなくて、ワーキングマザーやグローバル人材の活用と一緒で、ダイバシティの問題なんだよね、と。
そして、日本はずっと課題を解決してきたけど、この問題(障害者が働く、ひいては働く上での差別や障害をどうなくしていくか)はまじめに取り組んでいくべきなんだと思うし、そういうことに取り組んできたのがRなんだと思う、と。
あたしもそう思います。世の中を変える、だなんて大上段に立たなくても、不具合を解消してきたのがRなら、この問題も単に法律をどうくぐるか、ではない『何か』を考えていくんだろうな、と。


【ちゑや】では、参加者、テーマ、箱、の3つをきちんと設定して毎回企画していて、大抵1つは新しいことにトライしているそうですが、今回はほとんどすべてが新しいことで【ちゑや】にとってもチャレンジだったとか。
その点でも全体像、市場やトレンドなどを網羅的に紹介したというのは、とても意味のあることだったのではとおっしゃっていただきました。そして、今回のLIVEで紹介した内容はものすごいノウハウだし、ビジネス云々ってことではなくってもっと世の中に発信すべきだ、とも。いやはや恐縮です・・・・。


そして、店主も若女将も、今回のLIVEを、仕事に直結できる話が聞けてよかった、では終わらず、今後の雇用や社会を考えていく、もっと大きな視界を持つきっかけにしたい、事後アンケートの設問もそのような視界を引き出すようなものを考えたい、とおっしゃっていただきました。


そしてあたし的ネガティブ内省。


・上司の期待には応えられたのか?
この仕事は、あたし個人にとってはいろんな学びや気づきがあったけど、会社の使命を受けて行ったこととして、このやり方は適当だったんだろうか?【ちゑや】に関わりたい、【ちゑや】でLIVEやれるかもーっていう高揚感に押されたんじゃないか?


・組織化、伝承化できるのか?
あたしが仕事をしていく上でのポリシーは、組織化。属人化を嫌って、そういう仕事の仕方しかできない人のことを非難もしたりしてきた。でも、この仕事って、あたし以外にできるんだろうか?そして、これは知見として継承できるんだろうか?継承しなくちゃならないし、コンテンツは引き継げるけど、こういう機会を創ること、コンテンツづくり、はたまたプレゼン力・・・そうしたものは引き継げるんだろうか、引き継がなきゃならんよね。


・乗り越えられてないかも
こういう話=障害者雇用云々 は、知らないことだから、初めて聞いた人は皆一様に「勉強になった」と言ってくれる。それは理解が進むことだし、まさにダイバシティっていうか多様な価値観の受入につながることだから、やったことに意味はあると思う。
けど、どうしても”健常者”目線で話していること、聞きたがること、に場数をこなせばこなすほど、違和感を感じるし、ぶっちゃけ、障害を持っている彼らは、こうして語られることをどう思っているんだろうと考えるとぐるぐるしちゃう。見学対応に同席してもらってもいつもめちゃくちゃ緊張する。マネジメント上の課題や質問を聞かれると、どうしたって”健常者”目線になってしまって彼らにとって聞きたくない話もあるんじゃないかと緊張する。
あたし自身がまだまだ障害者と一緒に働く、共生するということを乗り越えられていないのかもしれない。


・合わないことやってるんじゃないか?
最近、こういう活動していて、三日月さんはやはり専門にそういう(福祉とか障害者雇用とか)勉強されてきたんですか?って訊かれることが多いんだけど、あたし自身は相変わらずそんなに興味も関心もない。あたしが興味があるのは、働く人がその人の能力や志向に合った仕事について、パフォーマンスを上げること、そのために何をすべきか、何ができるのかってこと。そこには障害者もなにも関係ない。今はたまたま障害者と一緒に仕事をしていて、彼らの多様さにハッとさせられたり、勉強させられたり、が楽しいだけなんだな。


そんなこともあってかラインに戻りたい、チームで何かをするって仕事にシフトしたい、っていう思いが最近むくむくと湧いてきて、あたしのぐるぐるは続いている。


おまけ。
中原先生も着た憧れのはっぴを着て店主と。これだけで大満足です(笑)
 
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一番考えているのは誰?

2010-01-20 13:12:48 | カイシャ・シゴト
ずどーんと脳天撃ち抜かれた話。


今、設立20周年に向けて記念誌を作成している。超突貫工事。
無謀なスケジュールなこともあって、寄稿という形ではなく、取材して速攻記事にして、それをチェックしてもらって入稿、ってパターン。大体取材は30分くらい。ボイスレコーダーは使わず、パソコン持ち込んで語ったキーワードをその場で打ち込みながらインタラクティブに会話してっていう30分はめちゃくちゃ疲れる。鉄は熱いうちに打て、とばかりに終わるとすぐ原稿づくり。この間、せいぜい2時間。このスピード、しびれます。


関係者からメッセージをもらおう、ってなると、20周年誌だから、基本的には「おめでとう、これからもよろしくね」的な当たり障りのないものに陥りがち。それはそれで意味があるけど、それで何ページも割くのはせっかく作るのにもったいない。
いちいちこだわりたいあたしとしては、●●さんからはこんなこと、○○さんからはこんな方向で、というシナリオを作って話を聞き出すようにしている。


常駐の役員からもメッセージを、ということで、最初は1500字くらいで自由に書いてもらいましょうか?という話だったんだけど、それじゃあ、内容もかぶるし、何をどう伝えたいのかわからなくなっちゃうよねー、それにいつもメンバーに「がんばれー」って要望するだけじゃなくって、お前らのここがすごいんだよー、お前らのことかわいいって思ってるんだぜーっていうのをメンバーに伝えたいなって思ってました。


当社には親会社の経理の機能がそっくりそのままあり、常駐の役員の一人はそこを管掌されています。経理というプロフェッショナル領域ですから、障害者雇用、という面においては正直なところ意識が離れているところもある。それは仕方がない。
けれど、この人と一緒に仕事をして、この人は障害者雇用、はたまた当社に対して、相応な思い入れと熱意、愛情を持っている人だとかねがね思っていたので、そこ(お前らのここがすごいぜぇ、お前らのことホントにかわいいんだぜぇ)を聞きたい!と切り出したら・・・



5年前なら、言われなくてもべらべらしゃべれた。
ところが、今、そう問われて悩んでいる自分がいることがショックだ。


と。


そのあと、いろいろとお話を伺っていく中で、最近は事業として成立させたいという思いが強くて、個々人の障害に向き合っていく意識が薄くなってしまっているのではないか?本気で向き合っているか?あきらめるの早すぎないか?そういうこだわりこそが大事なんじゃないか?という話になり、


今、誰が一番、社内で障害者雇用のことを真剣に考えているか?
俺は5年前は自分だと思っていた、少なくとも、り●●ー●(親会社)の中では


ずどーん。
そうなのだよ。スタッフにいるから、とか、管理職だから、とか、役員だから、とか、そんなことは関係ない。
自分がいちばん会社のこと、会社にいる人のことを考えている、って胸を張って言えないようじゃダメだし、そういう自負や熱意や思いがないとダメなんだ。



昨日の役員会。無事、障害者雇用に関する勉強会は終了。
まったく興味のなかった社長が身を乗り出して話を聞き、予定していたコンテンツが終了しても「もっと聞きたい、何かないか?」と言い出し、最後には「これからどういう役割を持つのか、グループ人事と協調するもよいけれど、自分たちでも考えていかないと」とまで。大成功といってもいい。


今日お話を伺った役員も昨日の役員会には出席されていて、前のめりで質問したり意見をおっしゃったりしていた。
「昨日の勉強会も、ああいうことを踏まえて、じゃあ、自分たちはどうしたいのか、どうありたいのかを自分たちで発信していかないといけないんだよな。」


今までのあたしは、メンバーがいきいきと働いているってことがモチベーションだった。
そのために、何をしたらいいか、どう働きかけるべきかってことを青臭く考え、取り組んでいた。
でも、ケイエイキカクなんてところにきて、あたしに求められる役割が変わったことに甘んじていたかも。メンバーに愛情、愛着を持ち、彼らのために、って思いが薄れていることも事実。
彼らのことがかわいくて、本気で彼らの将来をかけがえのないものにしたい、という思いが薄まってしまって、全社視点だなんて高見の見物をしていたかも。昔の自分のブログの記事を読んで「最近のあたし、全然イケてない」って思っていた矢先だったから、脳天ぶち抜かれた。


そうだよね。


自分がいちばんメンバーのことを愛しているっていう自負や熱意がなかったら、青臭いと言われようと、仕事している意味がない。


ショックだった。
けど、同時にエナジャイズされた。


たぶん、あたしが投げかけた質問に対して、この役員も自分が障害者雇用というものに向き合うスタンスについてリフレクションしたと思う。
あたしもおおいにリフレクションした。



がんばります  がんばれます

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5年後の方向性 (超長文、過去最長かも!?)

2009-07-07 01:32:39 | カイシャ・シゴト
前回の長岡先生の授業でゲスト講師でいらした石山さんは、キャリア開発はすべての人に必要なんだっていうお考えをお持ちで、お話の中で
『5年後の長期的な目標を設定して、そこに到達するような道筋で単年度ごとに細かな目標を立てる』というものがありました。


5年後~?


1ヶ月先に何やってるかだってわかんないのに、5年先なんて決められないよ~


長岡先生曰く「目標というよりは方向性なのではないか?」



方向性かぁ。そう考えるとちょっとはハードル下がるかなー?
でも、今までそんなこと考えずに、そのときそのときを一生懸命過ごして、そのときのアンテナに引っかかったものに進んできちゃったからなぁ。キャリア・・・って話はとっても重い。


キャリア開発は明日の授業で取り上げるテーマなのだけれども、あまりにも方向性も目標も持たずに進んできちゃった・・・まさにPlanned Happenstance。



ということで、予習も兼ねて(?)あたし自身のことをちゃんと振り返ってみようと思います。



あたしの永遠の問い。
あたしが就職したときには既に男女雇用機会均等法は施行されていたけれど、でも、それでもやっぱり、じょしが働き続けるっていうのは、バリキャリ(ばりばりのキャリアウーマン)か、パートのおばちゃんかって選択肢だった。
バリキャリになるには、相当優秀でクレバーじゃないと鼻から無理!って感じでした。それこそ、東大出身ですー、在学中に●●の資格取りましたー、原典で読めるくらい英語ができますー、とかね。



でも、あたしがずーっと引っかかっていたこと。


誤解を恐れずに言うと、男子なら学歴なくても、そんなに優秀じゃなくても、ずーっと働き続けて、働き続けることで社会の中での位置、地位っていうものを確立していく。
ぢょしの方が中学校や高校の成績が圧倒的に優秀でも、男子は男子というだけでアタリマエに働き続ける。


中庸なじょしだって働き続けていいじゃんねぇ。


これがあたしの問題意識。


だから、別に大層な職業観は持ってないけど、あたしにとっては働き続けるってことはアタリマエのことなんだよね。
仕事の種類、方向性ということよりも、働く、ということそのものが大事なんだ。


と言いつつ、高校生のときは、自分の凡庸さはじゅうぶんにわかっていたから、四大ではなく短大に行って、立派な職業人にはなれなくても、立派な主婦にはなれるんじゃないか?(まぁ、主婦を軽んじた、今となっては失敬な発想です。)と思っていました。青短とかとんたん(東京女子大の短大)、めいたん(明治大学の短大)あたりは憧れでしたもん。笑。


それが、四大に行こうと思ったのは、これまた非常に浅はかなんだけど、村上龍の『愛と幻想のファシズム』を高3の時に読んで、こんな大変なことが世の中では起きようとしている。文学だぁ、歴史だぁ、家政学だぁ、なんていってる場合じゃない、ちゃんと経済とか政治とかそういうことを知らんとダメだ。と思ったから。
で、商学部に行ってるあたりが、これまた場当たり的ですね。


そして、大学生活はバイトとサークルと、学部イチ厳しいゼミに明け暮れ、決して勉強熱心な学生ではなかったけれど、学校は好きで多くの時間を過ごした。成績は相当お粗末
就職は、会社のことも仕事のことも全然研究もしなければ、調べもしなくって、これまたイメージで、全国の店舗を飛び回って陳列だぁ、接客だぁに携さわる仕事ってかっこいいじゃん?と思って、流通業、チェーンオペレーションを展開している企業に決めた。


仕事は楽しかったです
売り場作って、ボディにコーディネートして、店内の販促ツール設置して・・やったことは必ず反応があったし、接客も楽しかった。入社してからずっと個人売上ランキングも上位だったんだよね~。
ただ、バブルがはじけちゃったのとずさんな経営だったからか、あっという間に斜陽。入社して2年目に早期希望退職が募集されたくらい。
退職金の加算は魅力的だったけど、3年は続けないとねぇ、なんて話を同期として、とりあえず残ることに。
でも、それからが大変!引越しを伴う転勤を3か月に1度の割合で繰り返し、店は社員が2人(あとはパートさんとアルバイト)だから、そうそう休みも取れないし・・・9連勤、16連勤はしょっちゅうでした。
あるとき、ぷっつーんと「やめよう!」と決心が固まって退職。


失業手当もらいながら資格でも取るかなーと思っていたんだけど、毎月、職安に行くのがめんどくさくて、仕事探しているふりをするのがめんどくさくて就職することにした。


そして、店舗展開を始めたばかりの通販化粧品会社の販売スタッフになったわけですが、これまたオペレーションがめちゃくちゃで、ちょこちょこ改善したり、レポート書いたりしてたら、本部に来ないか?と誘われ、商品管理や物流管理のお仕事につきました。


その後は流されるままに、店舗の企画や販促、マーケティングなんかをやって、気づいたらマネージャーをやっていた。

キャリアの転機っていうのかな?あくまでも、今思うと・・・ってことなんだけど、ちょうどマネージャーになるちょっと前に病気が見つかった。
ちょうどその年、創立20周年を記念して海外へ社員旅行に行くことになっていたので、旅行に行かずにその分の1週間の休みと有休使って手術しようかな~なんて軽く考えていたところに降ってわいたマネージャーの話。


今だったら悩んだかもしれないけれど、そのときは、迷うことなくマネージャーの話を受けた。やりがいとかチャンスとか、そういう色気よりも、「おもしろそう」っていうシンプルな気持ちが勝っちゃった。
当時、売上が低迷していて、回復させないと後がないっていう背水の陣でもあった。たいした経験もないあたしを登用したんだからガッツのあるカイシャだ。


病気のことは誰にも言わず、その当時は自覚症状もまったくなかったし、貧血もいまほどひどくなかったし、生理もそんなにつらくなかったから、なんとかなる、って思ってた。実際なんとかなっちゃったけど、あのときに、病気じゃなくて仕事を選んで、その見返りとしていろんな経験させてもらって、その時の経験があるから今があるって言っても過言じゃないかも、って思う。


あたしのキャリアはこの会社で形成されたと言っていい。いわゆるディレクション業務を通じてネットワークもできたし、仕事の進め方、企画の通し方、人の巻き込み方なんかを学んだ。
海外研修や出張にも連れて行ってもらったし(エイゴがまったくできないのに、おパリ2回、イタリア、ニューヨーク、香港・・・本当にありがたいことです。)、30そこそこのぢょしに年間10億近い予算権限持たせてもらえて・・・生活の9割以上が仕事!みたいな状態で、1ヶ月250時間くらい働いてたけどツライって思ったことなかったなぁ。


辞めた理由はいろいろあるけど、なんだかんだ言っても、働く人のモチベーションや質が一番大事だよな~、どんなにいい企画やいいデザインの店つくったって最後は人だよな~って思ったこと。そう思ったのに、あたしにはその当時の店舗スタッフが信じられなくなっていたから辞めた。彼女たちは企画の趣旨を理解していない!って怒ってた。それって明らかにあたしが間違っていて、理解してもらえるように説明しなきゃ、腹に落とさせなきゃならなかったんだよね。


仕事で知り合ったプランナーが「フ●ン●ルで店舗の企画チーフをやっていたなら引く手はある」って言ってくれたこともきっかけになった。
でも、販促や企画をやるつもりはなくって「人」に関わる仕事、店舗のスーパーバイザー、エリア長みたいな仕事がしたいと思って、某ジュエリーブランドの営業担当になった。


仕事は楽しかったんですけどね~。スタッフたち一人ひとりと話をして、動機付けして、一緒に店づくりして・・・
でもどーしても馴染めなかったのが、毎月の10時間会議。大げさでもなんでもなく朝の10時からよる9時まで拘束される。しかも1日だけじゃなくて3日間連続。こりゃ続けられん、って初めて参加したときに思った。


このカイシャでは入社早々濃い~い先輩について年間10億くらい売上げるニホンイチの売り場を担当して、2ヵ月後には本店や路面店のブランディング戦略みたいな仕事を任された。といってもそんなにかっちょいい仕事ではなく、毎日青山通りを外苑前から骨董通りまでダイヤを抱えて歩いたもんです。


学ぶことも多かったなぁ。
濃い~い先輩は、ほんとにこのブランドの商品が好きで、愛していて、店が好きで、売上を上げるためには商品力と組織力だって持論を持っていた。単にジュエリーを売るだけではなく、10人くらいのスタッフにきちんと役割と目的(目標)を持たせて組織を作るってことが大事と言って、そのノウハウを教えてくれた。この人が長い営業経験の中で培ってきたノウハウを惜しげもなく教えてくれるって、今となっては本当にありがたいことだと思う。


でも、10時間の拘束会議と、土日は店舗周り、ウィークデーは会議と商品調達とデベロッパーやバイヤーとの交渉・・と全然休みが取れないことと数字のプレッシャーに心底疲れ果てて、辞めた。


そしてたどり着いたのが今の会社。
スーパーバイザー募集をリクナビで見て、やりたかった「人」に関わる仕事ができることも魅力だったけど、とにかく病んでいたので、休みたい、数字の圧力から解放されたいってことで、『特例子会社ならきっと働く人にも優しいはず』となんにもわかってないじゃーん、という状態で入社。


入社してからの半年間はとにかく楽しかった
「多様な価値観」ということを身を持って知ることができて、この人たちがそれぞれの価値観を大事にしながら楽しく仕事をするためにどうしたらいいか?ってことを考えて、実行して、結果が出て・・・っていう正のスパイラル。
5日以上絶対に働かない、毎日6時には帰れる。天国でした
古参のベテランスーパーバイザーにも、最初は軽くいじめられもしましたが、よい関係性が構築できたし。


とーこーろーが
半年たって、マイクロマネジメント型の上司と組むことになって一変。細かいこともすべてプロセス管理されて自分らしく働けないし、ココロが病む一歩手前でした。


なんで立ち直れたのかは今となっては理由がたくさんあり過ぎるんだけど、キャリアの転機・節目、ということで言えば・・・
本気で辞めようと思っていました。
とはいっても、部下を80人くらい(パートさんも含めて)抱えているからそんなにすぐには辞められないだろう、時期を決めて算段を付けたい、と別のマネージャーに相談したら、人事担当のおっちゃんが飛んできた。
まったくもってありがたい話で、イチ社員にとってはこれ以上ない話だと思うんだけど、「残ってもらうためにはどうしたらいいか?」的なことを言われた。


そこで、不届きなあたしは「へへん、じゃあ、あたし、生活のためにだけカイシャに来ちゃおう、仕事に楽しみなんか見つけないで、ほかに楽しみ見つけよう」と当時たまたま薦められていた産業カウンセラーの勉強ができる大学に行くことに。


これが、今のあたしを形成する上では大きな転機になったことは言うまでもありません。


大学(通教だけどね)に行ってみたら、周りの人は意識が高いし、レポート出して、それに合格してテストを受けて単位がもらえるっていうサイクルがロールプレイングゲームみたいでおもしろかった。


大学で人材マネジメント論をかじったときに、エンプロイアビリティってコトバを初めて知った。
従来の日本的経営の終身雇用のように企業がずーっとその人を雇用し続けることは約束できないから、ならば、代わりに企業はその人が雇用されうる能力をきちんと身に着けさせる使命があるのだ、ということ。(解釈少々意訳です。)


その頃、カイシャでも、採用拡大期に入社してきた面々が力をつけて、次の階段に昇ろうかって時期に来ていたので、あたしは派遣社員でありながらスーパーバイザーとしてチームを切り盛りしてきた方たちを呼んで、
「これから1年半後に、社員をスーパーバイザーにしたい。そのために、彼らのことをきっちり教育し、ひとり立ちしたときに困らないように業務の整備もしたい。それはすなわち皆さんの職を奪うことになる。キレイごとかもしれないけれど、この活動を通じて、皆さんにはスキルと経験がつくし、私はそれを支援していきたい。」
と宣言した。


今思うとよく「うん」と言ってくれたと思う。
けど、その当時のスーパーバイザーはみんなとても協力的に情熱を傾けてくれた。
そして、それに報いたくて、つたないながらもいろんな勉強会を開催して、彼・彼女たちの力をつけようとした。
これがあたしが人材育成や研修に興味関心を持つきっかけになったことなのかも。


はじめから研修や人材開発に興味があったわけではなくって、一緒に働いている人たちに何かしたい、報いたい、という思いから発したものだったんだよね。


ついでに言うと、障害を持つ彼・彼女らに、仕事って意外とおもしろいものなんだよ、世の中のモノにはみんな意味があって、だからあたしたちの仕事にも意味はあるし、おもしろいものなんだよー、どうしたって物理的に行動範囲が狭くなってしまう彼らに違う世界を見せたい、知らせたい、伝えなくっちゃ、伝えなければ!という奇妙な使命感なんぞを勝手に持ってしまったことも手伝った。
こんな取るに足らないあたしのことを慕ってくれる車いすのダーや若い連中たちに「三日月さんはやっぱりおもしろい」って思われていたかったっていうのも大きい。


大学院に進学したのは、せっかく勉強するってことのおもしろさがわかったり、習慣づいたりしたので、これは続けたいなーって思ったのと、彼がMBAを取るために留学したからっていうのが大きい。
このまま仕事をしているだけだったら、取り残される、って思った。レンアイ関係がうまくいかなくなることよりも、2年経って全然成長してない自分と、大きくなった彼を比較するのってめちゃくちゃ残酷だって思った。
負けるに決まってるけど、それでも、彼との距離はこれ以上広げたくないってそう思った。


そんな理由と、育成、人材開発ってキーワードをつなげたのが、「あたしも大学院に行こう!」ってこと。
お勉強が好きなわけでも、研究したいことがあるわけでも、キャリアアップしたいわけでなく、習い事の延長だったんだよね。
だから1年の1期目は本当につらかった。全然わかんないんだもん、周りの人が言ってること、先生が言ってることが。


大学院に来たことが、あたしのキャリア形成において何か意味を持つのか?と言ったらそれはわからない。
けど、大学院に来たことで、カイシャでも異動があり経営企画室なんてところでトップの意向にじかに触れる機会を得たり、授業を通じていろんな人のいろんな考えに触れたり、中原先生の活動に傾倒したり、『偶発的な』何か・・・・にはなっているような気がする。


Planned Happenstance・・・と言っても、あたしの場合は、ホントに場当たり的でそこから何かを学んだり、キャリアをきちんと形成したりしているとは思えないんだけど、振り返ってみて、すべての行動にはきちんと意味づけができて、そこから何か(明快にこれ!と言えるものもないんだけどねー)を得ていることは間違いない。


人生折り返し地点、じゃすふぉーを迎え、そろそろ『偶発』ではなく、意図して進むってこともしなきゃならないのかなーと思いつつも、しばらくは脳みそを酷使し、ココロに刺激を与える日々を送っていきたい。
そうした日々の中からきっといつか答え=進むべき道が見つかるような気がするもの。


がんばります
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リーダーシップ開発は恋愛に似ている?

2009-06-20 09:44:04 | カイシャ・シゴト
中原先生が主催されていてるLearning Bar。6月のテーマは『リーダーシップ開発を考える』。
すごい興味がある分野というわけでもないし、仕事で今今必要か?と言われるとそうでもないんだけど、日常と違う場所に身を置きたかったのと、好奇心と中原先生への興味関心で申し込み


Learning Barはいつも満員御礼で今回も競争率2倍! 抽選に外れたらまぁ仕方がないと思っていたら、見事当選
本郷キャンパスに17時半ということは早退しなくちゃならないんだけど、折からの残業抑制と新しい上司が『学ぶ』ということに非常に協力的且つ渇望されていることもあって、大腕振って16時半に早退。


前半はマイクロソフト社のリーダーシップ開発はどう行われてきたのか?をマイクロソフト社の小林いずみさんがご登壇。


さすが、世界のマイクロソフト・・・リーダーシップを開発するときの目線がぜんぜん違う。その国の法人(リージョンというらしい)でのリーダーを創出するだけが目的ではなく、グローバルな視点で、どこのリージョンでも通用する人材をプールしておくことが目的なんだ、とのこと。
全世界で1730名がリーダーシップ開発プログラムの対象者なんだそうです。
リーダーシップ開発は長期的な投資であるから、「旅」そのものなのだ、ということをおっしゃっておりました。


レベルと規模が違いすぎる~


お話の中で、『リーダーを育てる5つの要素』として挙げられていたことに

On-the-job development ・・・ 今の仕事でチャレンジを経験しているか?
Leadership Commitment ・・・ リーダーがリーダー教育にコミットしているか?
Proffesional Network ・・・ 適切な人脈を持っているか?
Manager Relationship ・・・ 上司が能力開発をサポートしているか?
Deveropment Plan ・・・ 効果的な開発プランが作成されているか?

というものがありましたが、これって、マイクロソフトというハイレベルな企業のリーダー育成に限らず、企業内で人を育てるときの原則、っていうか、アタリマエのことなのかもしれない。


たとえば新入社員だったら
まずは、仕事を覚えることからスタートして、徐々に難易度の高い仕事を経験させる・・・On-the-job development

上司が新入社員に期待していること(たとえば1年後にはこんな仕事をしていてほしいんだよ、とかね)をきちんと伝えて、それを本人も納得している状態だとがんばろうって気になるよね・・・Leadership Commitment

躓いたときや悩んだときにアドバイスをくれるような先輩や、愚痴を言える同期など上司部下の1対1の関係だけじゃないと、疎外感からのドロップっていうのはなくなるはず・・・Proffesional Network

仕事の手順だけではなくって、上司は新入社員の強みを見極めてそれを伸ばすような導きができれば、さらに新入社員の能力は高まっていく・・・Manager Relationship

そして、耳にタコができるくらい言われ続けていることだけど、OJTをはじめとする育成計画は場当たり的ではだめで、ありたい姿を設定してそこへ到達するまでのプロセスを描くことが大事・・・Deveropment Plan


レベルとボリュームの違いなだけで、誰に対してもこの5つの要素を持って育成するべきだし、されるべきなんだろうなとあらためて痛感。
(今、ぐるぐる悩んでいる課題に一筋の光が見えてきました



後半は神戸大学大学院の伊達洋駆さんという「え?この人学者なの~」とびっくりするくらいお若くて赤西君ばりのグッドルッキング。笑。(大体ブラックスーツに黒のシャツ、シルバーのネクタイってところからして、学者然としてない。)


さすがに、わたくしも大学院で学び始めて2年目ですからね、紹介された理論は一応存じておりました。
でも、やっぱり専門に研究されている方は違う!と思ったのは、『独自の切り口』『視点』ってことでした。


伊達さん曰く、


リーダーシップ、リーダーシップ開発には「これぞ」という決定打がない。
みんなが共有することができないのだという前提に立って、自分たちの組織の中で定義を決めていくことが大事。
そして、この決めた定義を「なぜ、こうなったのか?」「なぜリーダーシップ開発が必要なのか?」を考えていくことこそがリーダーシップ開発なのかもしれない。
リーダーシップ開発とは、『考える素材』。



確かに。
これまた別のところで、上司からちらと「考えておいてほしいんだけど~」と、
・マネージャーとリーダーの役割
・その行動特性の言語化
みたいなお題を出されました。それって論文のテーマになるくらい巨大な課題
これらを考えていくプロセスこそが重要なんだ、そして、なぜ上司が役割定義の言語化なんつうことに思い至ったかの背景をきちんと見極めないといかんのだな、と。
そうでないと目的が手段になってしまうもんね。


最後、質疑応答と中原先生のまとめのなかで、
「リーダーシップ開発と恋愛は似ている。時間が経つと初期の頃の熱さを忘れてしまうし(一概には言えないけどね~)、定期的に見直し、メンテナンスが必要だし・・・」
まぁ、何事もそうなんでしょう。どんなことでも始めた目的ってあったはずなのに、それがいつしか「やること」が義務になっていってしまう。


よくあるもんね、「これってなんのためにやってるんですか?」と聞くと「今までやってきたからです」という答え。答えになっとらんじゃん。笑。
だから、常に問いかけることが必要なんだろうし、新しい風(会社で言うならば異動とか入社とか)が必要なんだろうな。


昨日、名刺交換させていただいた方は、人事関連の専門誌の編集長さんや、大手企業の研修センターの所長さん、人事関係の仕事をやめて大学院に通われて今はフリーで人事関連のコンサルをされている方など、そうそうたる方々ばかり・・・
そして皆さん、意識が高くて人の話を聞き出すのがうまくて、お話がうまくて、あたしはうなずくばかりでした・・・ 
こういう場所でうまく関係性がつくれるようになりたーいっ!


昨日、名刺交換させていただいた某社で人材育成を担当されている方が来月のLearning Barにご登壇されるそうです。
行きたいな、行けるかな。言い続ければきっとかなう。


楽しく、適度に脳みそとキモチが動いて、心地よいひとときでした。
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教科書なんてどこにもないんだもん

2009-06-17 23:47:10 | カイシャ・シゴト
2週間くらい前の話になりますが、以前一緒に仕事をしていたぢょしと銀座でお食事。
彼女はあたしよりもひとまわり以上も年下ですが、とってもしっかりしていて、美人で気の強いところがあたしは大好きです


あたしの会社には親会社の経理部の機能がそっくりそのままあって、そのセクションには親会社からの出向者が常駐しています。彼女もその一人。
新卒で親会社に入ったとってもクレバーな子。もともと経済学を専攻していたり、カイシャに入ってからも会計の勉強(アメリカ版の会計士の勉強とかね。)をしている。親会社に入ってくる人たちって営業や編集をやりたくて入ってきているんだけど、その中では異色でした。


彼女とは、委託料設定のスキームを作ったり、収支計画のフレームを作ったりと、なかなか神経質な仕事を一緒にしていました。
彼女とあたしとでフレーム作って、えらい人にプレゼンして、決まったことが、なぜか次の決算の時には「なんでこうなんだっけ?」と前回のおさらいから入る・・・っていう「おっちゃん、決まったことは忘れんなよ、議事録も覚えも送ってるだろ」という連続でした。
お互いに担当外れた(異動になった)ので「お疲れ様会しましょうね」と言い続けてやっと実現。


彼女は、今、結婚情報誌の編集をやっています。
分不相応の仕事をさせる、がモットーの親会社らしく、いきなり「○ページの担当な、明日までにページ割とレイアウト案考えてきて」とオーダーされることから仕事が始まったそうです。
研修?OJT?何それ? 習うより慣れろを実践してますね。


経理から編集って、天と地ほど職種違うのに、異動させちゃうカイシャもすごいなぁと思うけど、それにちゃんとついていってる彼女もすごいなぁと思います。
もともと経理や財務がやりたくて入ってきていて、編集なんてぜんぜん興味もないし、ましてやファッション誌、女性誌も興味ないって言う彼女ですが、勉強家な彼女らしく、日常の中の些細なことも全部仕事につなげて吸収しようとしてます。


早く帰れる日は本屋でファッション誌を軒並み立ち読み(最近のソファに座って読める本屋は常連だそうですわ。)してるって言ってました。ぜんぜん興味ないし、記事がおもしろい、とは思わないんだけど、ページ構成とか、レイアウトとか、取り上げられてる小物とか、1冊通したときのコンセプトって何かな?を考えたりしながら読んでるって。
あたしも、販促や企画やってたときにはそういう読み方してたなぁ、でも誰に教わったでもなく、そういう読み方するのって、そこまで勉強しようと思うのってなんで?と聞いてみたら


会計はたくさん教科書あるじゃないですか?
でも、こういうファッションやセンス、イメージの世界のことは教科書がないから、教科書っぽいものを教科書にしていくしかないんです。


すごい


あたしが彼女くらいの年齢のとき、そんなことを考えていただろうか?


そして、彼女はこうも言っていた。


女性誌を読んでいると言葉の表現とか、小物の使い方とか特徴がわかる、そして、それを自分なりの言葉にしないと、ライターさんやカメラマンに伝えることはできない、もとより企画書を出すとき、上司にプレゼンするときにも同じ
感覚では伝えられない


そうなんだよね~。
あたしたちは天才クリエイターじゃないから、理屈で考えて、理屈で一本筋が通ったものを作らないとコンセプトが伝わらないのだ。天才はそんなことしなくても感性で撮った写真、感性で考えた言葉で最初から最後まで一本筋が通ったものが作れるけれど。
それが天才とフツウの人の違いなのだよ。


今、学校やそのほかの場所で出会って刺激を受ける人ってどちらかというと同年代から年上世代の人が多いけれど、こういう年下の人から受ける刺激はホントにピリリと来ます。
負けられないぞ、というのとも違う、焦り・・・それに似てるかな、でももうちょっと嬉しい気持ち。


いいね、年下のおともだち 特にぢょし
彼女が新しい仕事でもいろんなことを発見して、もっともっと輝くことを期待してます
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リハビリしているだけじゃもったいない

2009-05-16 00:17:56 | カイシャ・シゴト
自分の行動や存在が直接誰かを変えるってことは、そうそうあるもんじゃない。


クライアントからの与件が全然ない状態で採用パンフレットを制作している。”感性”で判断されるから、結構しんどい。
パンフレットに登場させる人物の選定でもひと悶着。思いつくままに名前を挙げるので、半ばやけ、でもこんなチャンスはそうそうないからね、ってことで総勢12名に取材を敢行しました。


さすがにしんどかったです
インタビューしては文字起こし、そして、この人のメッセージは何か?をコピーワ
ークする・・・
議事録書く時もこういったインタビューでも、あたしはICレコーダーは使わない。テープ起こしって、その人が何を言ったか・・・ではなく音声を再現するような気がするから。そこで話したことを体感したいから、メモはとるけど極力「会話」することを心がけている。インタビューってそういうことだと思う。客観性はないかもしれないけど、話し手の思いをどう引き出すか、受け止めるかが大事だと思っているから。
もちろん、事実をちゃんと記載しなければならない議事録は感性では書かないけどね。


話がそれました


このインタビュー、しんどかったけど、でも、おもしろかったです。


みんながこんなに仕事に思い入れを持っているんだってことがわかったこと
一人ひとりに仕事観、人生観があること
話を聞くたびに、「そうだよね」「そうなんだ」と発見することばかりで、とっても勉強になりました。


そんな中でとっても嬉しいことがありました。
昨日インタビューした男子。
彼は事故にあって、ほとんど寝たきりの状態からリハビリを繰り返して、今も麻痺は残っているけれど、立位で歩行できるまでに回復した。
そんな彼の仕事、会社選びのポイントは「リハビリ」。
社会復帰のために、自分でもできそう、設備、制度、待遇が整っている・・・仕事の内容や種類はどうでもよかったそう。だから、残業がないこと、何よりも自分の体が大事ってスタンスだった。


それが、いまや全社表彰されるぐらいチームの中心人物。
そして、彼自身もスキルアップのための勉強を始めたりと、もっと自分に力をつけたいと思い始めたんだそうです。


インタビューしていくときには、そのときの話の流れを重要視していたので、彼のスキルアップの目的やそれを仕事に生かしていきたいとか、これからこうしたい・・・みたいな話をしていたら、前に戻っていいですか?とあえて話をさえぎって、「仕事はリハビリ」と割り切っていた自分が、スキルアップしたいと考えを変えたきっかけがあるんです、と話し始めた。


それが、あたしが以前開催していた勉強会だった。勉強会の内容とそれを活用のして新規事業提案に応募したこと、そのときに、自分でもできるかも?という自信がついてきたんだそうです。
曰く、リハビリしているだけじゃもったいない、もっと自分にもできることがあるかもしれない、と思えた。


なんかね、落ちてるあたしにとって、とても嬉しい言葉だった。
彼を誘ったきっかけ。
もともと彼の上司が中途で入社してきて、あたしの妖怪アンテナが「この人と話をしたい!話が合うはず!」と思ったので、「こんなことやってるんですけど、よかったらどうですか?メンバー連れて来てみてください」とお誘いしたら、「うちのメンバーでそういうことに興味があるやつがいるので、声かけてみます」と言って彼を連れてきてくれた。
まさに必然。
いろんな偶然が重なっただけかもしれないけれど、彼の上司が彼の興味を見抜いてくれていたこと、あたしが勉強会をやっていたこと、新規事業提案をしてみたこと・・・それがなかったら、彼は今でも「リハビリのための仕事」しかしていなかったかもしれない。


彼の世界を広げられたこと、力がつくことが楽しいと思えるようになったこと・・・・そんなことにちょっとでも関われたことがただただ嬉しい。
こういうことなんだよね、仕事をしていく上での楽しみって。こんな楽しみを味わえるあたしは幸せだと思う。


そして彼がもっともっと力をつけていくことに、ちょっとでもいいから関われるように、がんばろう
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妄想人事劇場

2009-01-16 17:32:24 | カイシャ・シゴト
2つの組織を兼務していて、兼務先の上司に「今の仕事の算段をつけて来期からは専任で」的なことを言われているっていうのも記事にしています。
そんな話をするときにこの兼務先の上司が「お前の今の状態は、前のオトコと別れ切れなくて荷物も置いたままな状態。早くきっぱり縁を切って新しいオトコと一緒に住み始めろ」というようなくだらないたとえを出すので、同僚とおもしろおかしく「妄想人事劇場」を繰り広げてみました。


あたしは前のオトコを取るのか、新しいオトコになびくのか!笑

前のオトコは、借金もたくさんあるし(課題が山積み、売上鈍化)、子沢山だし(スタッフがたくさんいる)、そしてそれを切り盛りしていく甲斐性もないし、苦労することは目に見えてる。
住んでいるアパートはスーパーとかもあって便利なんだけど、狭いし、収納もないし、生活レベルはあんまり高くない。


新しいオトコは、借金はあるけど(課題は山積み)、融資は受けられそうだし(課題はこれから手をつけるから、期待値でお金を貸してくれそう。)逼迫はしてなさそう。子供がいないから(部下、後輩育成はしない)、二人で働けばそれなりの生活水準は保てそう。
住んでいるところは、オートロックマンションで眺望もまぁまぁ。でもセキュリティチェックは厳しいけど。


条件だけ言ったら、新しいオトコなんだけどね、そうはいかないのが女心なわけですよ。

前のオトコとは付き合いも長いし、未練も情もある。ダメなオトコほど「あたしが支えてあげなくちゃ」って思うじゃない。

なーんて話をしていたら、ぽつりと同僚が
「でも三日月さんは前のオトコの方が好きなんでしょ。
新しいオトコは、必ず俺のところに来る、って思っているところが図々しい。」
とな。


あたりです。

そうです、なんだかんだ言っても、あたしは前のオトコの方が好きだし、新しいオトコのことはそんなに好きでもないのであった。


でも、人事なんでね、あたしの気持ちだけではどうしようもないのであった。


この商況下、親会社では人員配置プランが粛々と進行しているようです。
売上に合わせてビビッドに配置していくシンプルなやり方(売上稼ぐところにはたくさん配置、そうでないところは絞る。直雇用じゃない人たちは採用を抑制していく、場合によっては契約終了。)なので、余剰した人員は、今まで非正規雇用の方や限定的にその業務だけを行っていた人たちの仕事に着くことを余儀なくされる。
親会社の人員配置によって、あたしたちも多少は影響を受けるし、このシュリンク傾向の売上に対してどう組織していくことが一番効率がよいのか?という議論が繰り広げられるんだろうなぁ。


今朝アップした記事じゃないけど、その仕事に打ち込むことで見えてくること、掴めることがあるはずだから、「天命」に従おうと思ってます。
その前に意思表示はするけどね。
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どっちの仕事が好き?

2008-12-31 02:45:53 | カイシャ・シゴト
一年の締め括りに仕事の話もなんですが・・・


今年は、仕事でもちょっとばかり転機があった。
それなりにいろんなことはしたし、客観的に見てもあたしの仕事量は多いと思うんだけど、でも大学院との両立が前提なので、あたしの中では「仕事は抑え目」な一年でした。


2つの組織(実際には3つの仕事)を兼務しているんだけど、ひとつはいわゆるラインの長で、部下を持って彼らに仕事をしてもらって組織としての成果を出す、っていうもの。もうひとつはスタッフ部門で、あたしは一スタッフとして担当を持って仕事をしている。今さらながら思うけど、毛色の違う仕事2つを兼務させるっていうのは無謀だよね。志向とか適性とか考えなかったのかね?


あるとき、スタッフの方の組織(経営企画室)の上司から
「経営企画と事務センター(ラインの方)の仕事とどっちが好き?」と訊かれた。
非常に答えにくい質問を、しかも、別ビルに移動する道々に世間話の延長みたいにされたので面食らってしまったわけだけど、そのあと、畳み掛けるように「じゃあ、質問を変えるけど、どっちの仕事の方が自分には向いていると思う?」と。


そのときのあたしの答えは
「好き嫌い、向き不向きはわからないけれど、現場にいることが楽しいです。」
というもの。
この上司の質問の腹としては、今は兼務だけど、これから先あたしの工数をどう使っていこうか、ってことなんだと思う。ラインの方も問題山積みで、上司がぼんやりと描いたことを形にするってのはあたししかできないし(と敢えて強気に言ってみる。でも、あたしがいちばん力を発揮できるのはそういう働き方。上司が笛を吹くタイプの場合には、ちゃんと譜面を書いて踊るってことをしていく。)、経営企画も長年染み付いたやり方を変えたいんだと思う。


この上司もなかなかなもので
「現場にいるのが楽しいっていうのは、メンバーがいるから? 間接的にメンバーの役に立つ仕事では楽しいとは思えない?」と訊いてきた。


そこで時間切れになってしまったんだけど、この質問はあたしの今の会社での働き方を暗示する深くて濃いものだ。


経営企画室なんてところで、人材開発に携わったり、社外広報なんて立場で障害者雇用について来訪企業に説明したり・・・っていう仕事は、この会社に根付きなさい、と示唆されているように感じた。そろそろ腰を据えてこの会社の行く末に取り組めよ、って言われているのかなって。
そう思ってもらえるってことは嬉しいことだし、健常者であるあたしのこの会社でのキャリアを考えたときには経営企画室にいた方が居心地はいいのかもしれない。それこそ定年までいるには経営企画室でキャリアを積んだほうがいいのかもしれない。


けど、どこかに棘が刺さっている。
あたしがこの会社に入ったのは、特例子会社だからという理由ではなく、経理や財務の仕事ができるからという理由でもなく、センター運営ができる・・・っていうことだったんだよね。
だから、あたしの経営企画室への異動を周りは若干の妬みや羨望をもって見ていたけれど、あたし自身は複雑な心境だった。


センターで偉くなりたいんだよね。
偉くなりたい、っていうのは非常に即物的な表現だけど、今までたくさんの人が理不尽な思いをしてきたのを側で見ていながら何もできなかったこと、車いすのダーはじめ優秀で前途洋洋の若者たちがワンマンな上司に合わないって理由で辞めていったこと・・・そんな悔しい思いはもう二度としたくないし、そのためには偉くなるしかないんだよね。
悲しいことだけじゃなくって、派遣スタッフさんもパートさんもホントにいい人、仕事にプライド持っている人たちが集まっていて、それに支えられてきたこと、その恩返しもしたい。そのためにも偉くなるしかないんだよね。


今年、仕事をしていて嬉しいことが3つあった。
一つは、体調を崩しがちでもう4年もいるのになかなか組織にうちとけられなかった車いすの女子が、夏に開催された組織全体のじっくりミーティングの最後に
「今日はとっても楽しかったです!」と自分からあたしに言いにきてくれたこと。
企画者として、推進者としてこんなに嬉しいコトバはなかったです。感想を聞かせて、って言って出てきたコトバじゃなくって、彼女が本心で思ったから言ってくれたんだと思う。


2つ目は、11月に行った研修に参加した聴覚障害の女の子。そのあとも組織全体の取り組みで幾つか意見を訊く機会があったんだけど、「研修で勇気をもらったので、もう負けない。がんばる。」って言ってくれたこと。研修で劇的に何かが変わるなんてことはないけど、キモチを変えること、盛り上げることはできるんだってわかったことはあたしにとっても嬉しいことだった。いつもいろんな人に勇気をもらっているあたしだけど、ちょっとでも返せたのかな?って思えた。


3つ目は車いすのダーに「三日月さん、偉くなって楽しい会社にしてください。そしたら僕も負けないくらい成長して戻ってきます。」って言われたこと。


あたしが働く理由ってこういうことなんだって思う。
もちろん生活のために働いているんだけど、でも、誰かから必要とされること、誰かの気持ちをプラスに変えられる存在でいること、一緒に働きたいって言ってもらえる存在でいること・・・そのためにあたしは働いているんだと思う。
それは経営企画室なんてところにいてもできるのかもしれないけれど、なんだか一段高いところに身を置いて距離をもってしまうのはイヤだなぁ。
現場にいたから、こんな嬉しいコトバが聞けたのかもしれない。


1月から第4四半期が始まります。
4月からの来期に向けて、あたしの工数をどうしようか、どっちを「主」にするんだ?っていう話がおぢさんたちの間で繰り広げられるんだろうけど、どこに行ってもあたしはあたしらしく働きたい。
一スタッフとして機能するよりも、誰かに影響を与えるような働き方をしたい。
そして偉くなってまた車いすのダーと一緒に働くんだ。笑。



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