茶雅馬茶道教室 ~MIHO企画~

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湯西川温泉・平家隠れ里そして女将

2007年07月21日 | Weblog
先日訪ねた旅館の女将に帰り際、「貴方に渡したわよね?私の本!」そんな問いかけに、素直に「えっ、いいえ。」と答え、女将は「では今もって来るわ。読んで!私の半生紀」と軽く話すので「はい。ありがとうございます。」と私もあっさりと返答してしまった。そのときは、あまりに壮絶な本であるとは検討も及ばなかった。
何故なら、私の周りには年配者が多いせいか、歴史を残す手段として、手記や生い立ちを綴った本を出版する方々が多い。
今回も人生の先輩からのメッセージと受け止めていた為に、何の戸惑いもなくあっさりとお礼を言ってしまった。
自宅に帰り戴いた本がどうも気になり、湯西川温泉からの4時間の運転には少々疲れは感じていたが「かずら橋を渡って」と書かれた女将の本を読み始めた。その日のうちに、261ページ「女将の半生」を最後まで読み続けてしまいました。
一言で「半生」だが、一言ではやはり半生は語れない。読みきるのがとても辛かった。何度も本を置いた。しかし受け止めようと思い、読み続けた。
本当に沢山の試練が山のように、レールに引かれてベルトコンベアーのごとく運ばれてくる。それは凄まじいものでした。
人の半生に、こんなにも試練が停滞しているものなのだろうかと思ってしまうほど、越えなければならない難問が台風のごとくに否応なしに押し寄せた。
女将はそれらを一つ一つ立ち向かい、解決と導いている。本当に強い。そして凄い。
私は、恥ずかしかった。あの時、「はい、有難うございます読ませて戴ききますとあっさり答えたことが・・・。」
人の人生は、皆違うもの。生まれたからには、生きる課題と生き抜く目的があると思います。その生き方に生き様に人間性が見えると思いますが、一点に向かって生きることの美しさを私は学びました。
生きる上で一点だけを見続けることは本当に大変なことだと思います。
信念を持ち、生きている証をたてることは真の自分と向き合うこと、逃げないことなのかもしれないと自問自答しています。
いつか輝く石になれるよう一つ一つ乗り越えていこうとスタートラインに発つ決意を固めました。