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破綻処理決定一元化(国境越え経営悪化監視)<欧州「銀行同盟」?>毎日新聞Ⓒ坂井隆之氏

2014年04月27日 13時39分28秒 | 日記




破綻処理決定を一元化(国境越え経営悪化監視)<欧州で発足する「銀行同盟」の役割は?>2014年4月27日毎日新聞記事(坂井隆之氏記事)(バックグラウンド→欧州危機ではギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペイン、キプロスの5か国が自力で対処できず、ユーロ圏諸国と国際通貨基金(IMF)から総額約4500億ユーロ(約63兆円)の支援を仰いだ。現在は、危機は収束しつつあり再防止策が焦点。EUの欧州議会は2014年4月15日、銀行の破たん処理を一元化する法案を可決し、銀行同盟発足が確定した)*欧州で「銀行同盟」を作ろうという動きがある。欧州でユーロという同じ通貨を使っている18か国は、銀行の経営に目を光らせ(監視・検査)、経営が著しく悪化した銀行はつぶす(破綻処理)ことを各国ばらばらに行ってきた。これらを統一(一元化)し、破綻処理などに必要なお金を一緒にしようとしています。何故必要か?欧州で2010年以降深刻化した経済危機の教訓から、各国任せでは危機の再発を防げないと判断したためです。危機のきっかけは08年のリーマン・ショック後の不況で銀行の経営が相次いで悪化したことでした。各国政府は多額の公的資金(税金)を投じて銀行を救済しましたが、政府の懐(財政)は急激に悪化。それらの国が借金するために発行する国債は信用を失って、価格が暴落した国債を大量に保有する銀行の経営がますます悪化するという悪循環に陥りました。危機の原因は?リーマン・ショック前に欧州の銀行は不動産投資などに巨額のお金を投じたり貸したり(投融資)していました。ユーロという同じ通貨が使える為、銀行は手間や費用をかけずに国境をまたいで活動でき、不動産などへの投融資をどんどん増やしていきました。リーマン・ショック後に不動産などの価格が暴落し、銀行は多額の損失を抱えましたが、監督が各国ばらばらだったため、国境を越えた投融資の行き過ぎをきちんとチェックできませんでした。このため国境を越えた監視の網をかぶせます。具体的には?第一の柱として、国境をまたいで活動する大手銀行の監視・検査権限を、欧州中央銀行(ECB)に2014年11月から一元化します。第二の柱は、欧州連合(EU)に「単一破綻処理委員会」を2015年に新設することです。ECBが監督・検査を通じて、経営が悪化した銀行を把握し、破綻処理が必要と判断した場合、委員会に警告します。委員会は破綻処理するかどうか判断し、必要なら破綻処理します。処理費用を賄う為、全銀行がお金を出す550億ユーロ(約7・7兆円)規模の基金も設けます。銀行がつぶれたら預金者は大変だ?EUのルールでは銀行が破たんしても10万ユーロ(約1400万円)までの預金は全額払い戻されます。これを預金保護制度と呼びます。が、払い戻し財源の負担するのかといった制度の内容は各国まちまちです。第三の柱として、預金者制度を今年度(2014年)前半にも一元化します。安心して預金できるよう財源の規模や払い戻し手続きを統一する作業が進められている。再建が見込める銀行には、ユーロ圏諸国がお金を出し合う機関「欧州安定メカニズム(ESM)」が直接お金を入れ(資本注入)て、経営を支援します。課題は?最大な問題は即効性に欠ける恐れがあることです。経営が悪化した銀行を破綻処理とESMの大規模な資本注入で迅速に一掃できる仕組みが期待されていました。しかし、国民のお金を他国のために使われたくないドイツなどの反対で大幅に後退し、ESMの資金総額5000億ユーロのうち直接資本注入枠は600億ユーロにとどまりました。また破綻処理の判断は、とりわけ大きな銀行の場合、破綻処理委員会(ユーロ圏各国の代表者18人らで構成)の多数決に委ねられています。ちゃんと機能するの?危機対策が前進したことは間違いありません。ただ、ドイツなどの各国の利害が前面に出過ぎると「銀行同盟」が形だけになってしまいます。そこですね。

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