政治刷新改革「繰り返される「政治とカネ」」
『小石河連合』で奇跡を起こせ!
政治資金パーティー制度が出来たのは1975年であり、その当時は企業献金から政治家個人への献金への転換を目指すものだった。だが、リクルート事件(1988年)の時に、社員数よりも多い枚数のパーティー券を購入するなどの悪用もみられた。これを受けて92年に100万円超(94年の改正で20万円超)の購入者は名前を公表するなどの改正で、落ち着いた。だが、99年の改正で政治家個人への献金が全面的に禁止になるとパーティーが増加した。政治家や献金したい企業には、パーティーは双方に都合がいい。赤字企業や外国人などの規制と違い、制限がない。公開基準も5万円超の寄付より甘い。政治家にとっても、パーティーの対価としてのパーティー券は売りやすい。
94年に政党助成金制度が出来てから、献金も集まらなくなったが、パーティー券は献金の枠外ということで、便利だし、企業は献金と思っているが対価だが献金ではないという建前だ。
(『振出しに戻った自民党 政治刷新改革の主な流れ』「国民感覚とのズレをふかく反省」(1989)『自民党政治改革大綱決定』→(1992)『政治資金パーティーの規制強化』→(1994)『政党助成金導入』→(1998)『政治家個人への企業・団体献金禁止』→(2007)『国会議員が問われる政治団体の領収書原則公開』→(2009)『自民党下野』『党再生会議 自民党再生の提言』(敗因の分析)「国民感覚とのズレをふかく反省」→(2012)『政権復帰 長期政権(安倍独裁)』→(2019)『(森友・加計)「桜を見る会」問題』→(2023)『パーティー券裏金問題』→(2024)『政治刷新本部初会合』(池田議員・安倍派議員逮捕)(1月26日)『通常国会』→(3月)『予算成立』→(4月)『衆議院島根選挙区補選』→(9月)『政治刷新本部全体取りまとめ』『自民党総裁選挙』→(2025)(夏)『参議院選挙』(10月)『衆議院議員任期終了』……)
チェックする仕組みがないことが最大の問題だ。政治献金やパー券規制制度も、「泥棒に泥棒を捕まえさせるようなもの」であり、規制はすすまない。
強制力を持ったチェック機関をつくるべきだ、というが実際につくるのは簡単ではない。
政治献金の透明性の為に、収支報告書の原本を電子化し、ネット上に公開し、誰でも閲覧・チェックできるように――――――というが個人情報とかで〝のり弁状態〟になるだろう。
政治とカネの問題は深刻で、リクルート事件以前から、「田中角栄が……云々」と口が酸っぱくなるほど言われてきた。その政治家は「政治にはカネがかかる」「後援会の維持費」「事務所の維持費」「選挙の費用」云々、なんたらかんたら――――言い訳ばかりだ。
(飲み会に政治資金は必要ない。ポケットマネーでやれ。政党助成金だけで間に合わせろ。助成金の上に裏金や献金では「泥棒に追い銭」だ)
(パーティー券の問題は、参加人数とは別に全員参加ではなく、参加以上の数の献金が集まること。企業は政党(本部、支部)、政治資金団体以外には寄付できない。派閥のような政治団体にはそのために寄付できない。だから、パーティー券を買い、それが事実上の派閥への企業献金になっているのだ)
2024年1月23日のことだが、自民党による政治刷新会議での『中間とりまとめ案』が発表された。【政治資金の透明性徹底】*政策集団の政治資金パーティー全面禁止*政策集団の収支報告に外部監査を義務づけ など。【派閥の解消と党のガバナンス強化】*「派閥」から脱却し、本来の政策集団に生まれ変わる。→お金と人事から完全に決別。*法令違反の場合、党が活動休止や解散を要求 など。(岸田派・安倍派・二階派・森山派の派閥は解散(麻生派・茂木派(平成研究会)(派閥は解散し、政策集団として存続)は協議中))
(【清和政策研究会(安倍派)98人】【派閥側】「在宅起訴」(会計責任者)
【議員側】「逮捕」池田佳隆+秘書(衆議院)「在宅起訴」大野泰正+秘書(衆)
「略式起訴」谷川弥一+秘書(元・衆議院議員・議員辞職)
【志師会(二階派)38人】【派閥側】「在宅起訴」(会計責任者)
【議員側】「略式起訴」二階元・幹事長事務所(秘書)
【宏池政策研究会(岸田派)46人】【派閥側】「略式起訴」(元・会計責任者)
【麻生派56人】【茂木派53人】【森山派8人】【無派閥(菅氏・小泉氏・石破氏)79人】
*派閥幹部は立件されず。
個人献金は申告が5万円以上だが、パーティー券は20万円以上。しかも、記名は14%で、匿名が86%。これがブラックボックス化していた。
【改革案】*企業・団体献金の禁止*政治資金・パーティーの透明化*「連座制」の導入(議員も処分の党則改正)*政策交付金の廃止*政策活動費の廃止*第三者監査の導入)
(選挙制度の在り方・国会運営の在り方・官僚との距離感の在り方まで今後も改革努力を継続)(【政治家には3つの財布がある】『政党交付金(国民一人当たり250円の負担)』『献金(企業・団体・個人)』『パーティー収入』→(*政党支部*資金管理団体*後援会))
政治資金規正法自体が、いわゆる『ザル法』で、抜け道が大量にある。
まさに「泥棒を泥棒に捕まえさせるようなもの」であり、このままではまた第二第三の政治家不祥事・逮捕、が繰り返されるだけである。
政治家も身を引き締める時期だが、政治家の若手は何をしているのか?
ここで声を上げて、改革案を示さないで、いつ示すというのか?
派閥をなくすよりも、党議拘束をなくしたらいい。自由に議論させるのだ。若手が何も言わないのはなぜだ? 党の公認を得られなくなるから口を噤んでいるのか?
長い物には巻かれよ、と。雉も鳴かずば撃たれまい、と。出る杭は打たれる、と。
昔の若手はバックに後藤田正晴さんがいて、「若手は自由にものを言え」と守ってくれた。
自民党は2009年の下野後、民主党の大失敗で、2012年に政権復帰。安倍独裁長期政権を許してしまった。だが、それでも、今は、自由意見表明の壁、癌、である安倍晋三元首相が殺されていないのだ。暗黒の時代は去った。時代は変わったのである。
それでも口を噤むのか?
安倍さんが殺されたことはいいことだとは思わないが、もう『独裁後』である。
ここで、立たなくて、いつ立つのか?
ーー日本国内では自民党の政治資金パーティーのキックバック問題で大騒ぎになっていますが。
池上 岸田総理にしてみれば、安倍派を一掃できるわけですから、絶好のチャンスでしょうね。例えば、逮捕までいかずとも略式起訴をして、罰金100万円という形で処理する可能性はあるわけです。すると過去の例で言うと、3年間から5年間の公民権停止。つまりこれから3年間は安倍派の幹部が選挙に出られず、国会から追放できるというわけですよ。もちろんその反面、岸田内閣の支持率は落ちるし、自民党全体の支持率も落ちます。でも、安倍派が力を失えば、やりたいようにできるわけです。
ーー諸刃の剣ですね。今後さらに内閣支持率は下がりそうです。
池上 はい、何しろ増税メガネですからね。元総理大臣の竹下登が政権を放り出す直前の支持率は5%ぐらいになりました。その時は消費税並みの支持率になったと言われました。
(中訳)
池上 お金といえば、日銀の植田総裁が、2023年は3%ぐらい給料が上がったので、2024年の春の給料の上がり方を見て、金融緩和をやめるというか、マイナス金利、ゼロ金利をやめる可能性が非常に高くなってきたわけです。昨年の12月19日には「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」と発言したことでも注目を浴びました。植田総裁にとって「チャレンジング」と言えば、金融緩和をやめるということしかないわけですよ。投資家からすれば金利を上げようとしているとみたわけです。これまで日米の金利差によって、日本が円安になってきたけれど、この発言により「日米の金利差がこれから縮まるんじゃないか」と期待されて、いきなり円高になりました。今後も少しずつ、円安が解消されていくということになると思います。
ーーそうなると、少し景気がよくなりますか?
池上 景気はよくなる可能性がありますし、円安で物価高になっている部分には歯止めがかかる可能性もあります。今、スーパーマーケットに買い物に行くと、あれもこれも値上げでしょ。皆諦めの境地ですよ。今は全般に物の値上げがしやすくなっていますが、連動して社員の給料を上げるという好循環が起きつつあります。これで3月の春闘で大企業の給料が大幅に上がり、中小企業まで行き渡れば、これはかなり明るい話になります。為替も、春先には1ドル=130円くらいまで円高に進む可能性もある。そうなればゴールデンウイークの海外旅行も行きやすくなるかもしれませんよ。
ーー期待したいところです。ちょっとだけ明るい希望が持てました。
(池上彰著作から引用)
最近、政治家の質が落ちまくっている。その結句、誕生したようなのが今の岸田政権であるとも言える。
「こいつ、馬鹿じゃないのか?」口の悪い弁護士が岸田政権や岸田首相のことをそうくさした。一方、去年、安倍晋三元首相を暗殺で失った自民党最大派閥の安倍派(清和研)と二階派は、〝寄らば大樹の陰〟の大樹を失ったために、『政治とカネ』の「醜聞」に襲われている。
政治資金で裏金やキックバックを繰り返し、何億も脱税・申告漏れした、というのだ。
岸田首相は財務省のいいなりになって、社会保障費や防衛費やあらゆるものの増税に次ぐ増税をするだけ。
まるで、小泉フィーバー前の森喜朗政権にも似ている。それだけ岸田政権は酷い。
まあ、故・安倍晋三元首相の政権よりはまだマシであるが、安倍氏は本当に酷かった。安倍独裁というほどは、独裁色は強くはなかった。だが、それがいいとは思わないが暗殺されたというのはそれだけ憎んでいた相手が多すぎたのだ。
ここで、日本の政界に期待があるとすれば、『シン・YKK(山崎拓・加藤紘一・小泉純一郎)』ともいうような『小石河連合(小泉進次郎・石破茂・河野太郎)』である。僕が、進次郎氏を所詮は『人寄せパンダ』と呼んだのは、浅はかで、謝罪するしかない。
進次郎さん。ごめんなさい。浅はかでした。どうか許してください。ご一緒に、『新世紀維新』をやりましょう!
でも、進次郎さんは〝これからの政治家〟だ。だが、しくじると、この連合の行動は第二の『加藤の乱』にしかならない。行動は慎重に。
だが、石破茂(1957-)氏はどこまでも謙虚だ。
「自分が言うのも何だけど、俺は知名度がある。さらに政府の中枢にいるわけでもないから政権に対して批判的なことも言いやすい。そういう人に対しては結果的に人気は集まるよね」「いつまでも俺が目立つのはどうなんだろう。俺の新人時代の熱気を今の若手には感じない。いつの時代も世の中を変えるのは若い人なのに。こんなことを言うと『またカッコつけて』と言われるけどさ」「私に寄せられる意見は大きく二つ。『そんなに文句があるなら、自民党から出ていけ』『いっそ新党を作ればいい』。でもね、誰も内部で批判をしなくなった組織はいつか潰れるよ(ビッグモーターやジャニーズのように)」(石破茂氏談)
天王山は次期自民党総裁選挙である。ここで、最後の砦『小石河連合』が出派ってこなければ、石破氏か河野氏が新総裁にならねば(大した派閥も人脈もないのだから小泉純一郎パターンしか勝機はない)日本はおわってしまう。夢よもう一度、ではないが、よくよく戦略を練ることだ。進次郎氏の応援演説(真紀子さんのような。でもただの悪口でもないし、真紀子さんがまた外相とか……日本がおわってしまう)や、河野氏や石破氏のパフォーマンス。
それに、皆が知っている大物旗頭と、キャッチ―な大義名分と、有力なスポンサー……戦わずして勝つのが兵法の上策だが、政治で戦わないなどあり得ない。とにかく、『小石河連合』で、新世紀維新を起こせ!
次の自民党総裁選挙こそ、天王山、いや、関ケ原だ。今こそ、根性を、意地を、底力を、未来を、見せてくれ!
臥竜 長尾景虎2024年1月12日午後4時55分