みちくさ茶屋

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読書記録2006-31

2006-12-28 | book
最後の読書記録です。
来年からは、読んで特に印象に残った本だけアップします。

75「愛してよろしいですか?」田辺聖子  充実度★★★★☆
「芋たこなんきん」がおもしろいので、田辺作品を読みたくなった。
自分の本棚にもあったっけ……と探したら、これが見つかりました。
いつ読んだんだろうな~。たぶん20歳くらいのころだったと思う。
(発行されたのは昭和57年)
でもけっこう内容を覚えていて、「好きなくだり」というのがいくつか
きちんと頭にもココロにも刻まれていたみたい。

ストーリーは、34歳の「ハイ・ミス」すみれと、大学生ワタルとの
とてもキュートなラブストーリー。
12歳年下の男の子との恋愛に戸惑う、すみれの想いがいじらしくてかわいい。
そして、すみれのことを「スウ」と呼んで愛するワタルがすっごくいい男だ。

ハタチの私が読んでおもしろかったんだもの、
すみれに近い年齢の今の自分が、この小説をつまらないと思うはずがない。
経験値分、深く堪能できたし、田辺聖子という作家と、作品の「味」のようなものを
しっかり楽しむことができた。

「芋たこなんきん」で、健次郎が言ったプロポーズの中に
「僕と結婚したらおもしろい小説がたくさん書ける」という言葉が
あるんだけれど、(これが実話なら)そのとおりになったなあ、と思う。
町子(聖子さん)は「もっとロマンチックな言い方はないの?」と返すんだが、
小説家としてこれ以上うれしい言葉はないじゃないか!
お聖さんのあたたかでユーモアのある文章の傍らには、
あんなすてきなご主人の愛があったのね……などと、
別の見方もしてしまいました。
時代をぐるっとまわって、また田辺聖子の世界が世の中に求められてるのかも。
田辺作品、もっと読んでみたいです。

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