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クリント・イーストウッド監督『目撃』

2008-12-25 16:56:30 | ノンジャンル
 映画監督ロバート・マリガンさんが、12月8日、米コネティカット州の自宅にて心臓発作を起こし、83歳で亡くなりました。代表作はグレゴリー・ペックがアカデミー主演男優賞を受賞した'62年作品「アラバマ物語」とされていますが、私は見る機会が多くあったのにもかかわらず見ていません。それよりも、ミッシェル・ルグランの音楽が素晴らしく、また当時は自分にとってお姉さんだったジェニファー・オニールの美しさ、そしてそのお姉さんと最後は寝てしまえるという夢のようなストーリーに魅せられた'70年作品「おもいでの夏」が、私にとってもマリガン作品ナンバーワンです。慎んでご冥福をお祈りいたします。

 さて、クリント・イーストウッド共同製作・監督・主演の'97年作品「目撃」をDVDで見ました。
 画家のルーサー(イーストウッド)はサリバン邸に侵入し、隠し部屋にあった貴金属類を盗んでいると、そこへ若いサリバン夫人が、夫が後ろ楯になって当選した大統領(ジーン・ハックマン)を浮気相手として現れ、暴力沙汰を起こした末に、大統領のSPが夫人を射殺するのをルーサーは目撃します。女性の主席補佐官が中心となって泥棒が殺したように偽装工作をしますが、ルーサーは証拠物件を手に入れて逃亡し、それをSPに見られてしまいます。ルーサーは海外に逃げようとしますが、大統領がサリバンを慰める演説をテレビでしているのを見て、真実を明らかにしようと決心します。刑事はサリバンの娘で、父と距離を置いているケイトに頼んでルーサーに連絡を取ってもらい、ルーサーは警察の大包囲網と、刑事の電話を盗聴していたSPたちの暗殺部隊が見守る中に姿を現しますが、窓拭きのアルミ板による光の反射のおかげで最初の弾丸が外れたため、ルーサーは助かり、すぐに警官に化けて現場を脱出します。ケイトが家に帰ると、ルーサーが先に来ていて、大統領のSPによる殺人を目撃したこと、それを暴露する考えであることを伝えて、去ります。ルーサーが証拠物件を持っていることを大統領に知らせると、大統領はルーサーがそのことをケイトにも知らせた可能性があるとして、ケイトをすぐに殺すようにSPに命じます。ケイトは車ごと崖から落とされ、重傷を負って病院に収容され、そこでもSPに殺されそうになりますが、寸での所でルーサーがそのSPを殺します。そして運転手に化けてサリバンに接触し、真実を告げてホワイトハウスでサリバンを下ろすと、サリバンは大統領を射殺し、自殺したとして記者会見を開くのでした。仲直りして眠るケイトを、ルーサーが静かにデッサンしているところで映画は終わります。
 ジーン・ハックマンが出て来るところで、以前にも一度この映画を見ていることを思い出しましたが、最後まで面白く見ました。テーマは「正義」でしょうが、話の運びがぎくしゃくしていて、イーストウッドの最良の作品ではないと思いました。その一方で、主人公がSPに暗殺されかかるところや、ケイトが病院で殺されかかるところなど、ハラハラさせられました。シドニー・ルメット版「十二人の怒れる男」のE.G.マーシャルがサリバン役で出ていたのも見どころです。手ごろな娯楽映画を見たい方にはオススメです。