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宮田珠己他『勝手に関西世界遺産』

2008-12-07 20:22:34 | ノンジャンル
 先週の木曜日に発行されたフリーペーパー「R25」を読んでいて、なんと高橋秀実さんのコラムが隔週で載っているのに、今頃になって気付きました。そして今回の内容は、客のお迎えやお見送りをすることの大切さ。これ、私も最近とても感じていることです。若い頃は気恥ずかしくて、お客を見送るのに、いつまでも手を振る、というか手を振ることそれ自体にすごく抵抗があったのですが、最近年を取って、それなりに人生経験を積んだ結果、仕事でデイサービスの利用者さんを見送る時など、自然に笑顔で手を振ることができるようになりました。やはり、もてなしの心って、人の社会の中で生きていく上で、基本ですよね。

 さて、宮田珠己さん、島崎今日子さん、旭堂南海さん、木下直之さん、桂小米朝さん、井上章一さん、石毛直道さんらによる「勝手に関西世界遺産」を読みました。大阪の朝日新聞の夕刊に週1回連載されたコラムを'04年11月4日分から'06年6月30日分までを集めた本です。それぞれの執筆者が交代で1回ずつ推薦と執筆を担当し、それぞれの回には朝日新聞の記者による注釈が加えられています。内容に関しては、題名から推察される通りで、「勝手に観光協会」と同じノリで作られた本です。
 我が宮田珠己さんが執筆しているのは、「ダイダラザウルス(エキスポランド)」「石切神社参道」「堺・泉北臨海工業地帯」「忍者建築(甲賀・伊賀)」「大仏鉄道」「おやさとやかた」「淀川のわんど」「串本のテーブルサンゴ」「化粧地蔵」「竹田城」「蛸地蔵」「補陀洛渡海」「蓬來峡」「お骨仏」です。「淀川のわんど」というのは、淀川の周辺にあって、淀川の水位が高くなると川と合流する池(三日月湖のようなもの)のこと、「蛸地蔵」というのは何百という蛸が法師を救った図が描いてある絵巻、「補陀洛渡海」というのは、補陀洛という南海にある浄土を目指して海を渡るという宗教儀礼です。
 この中で一番宮田さんらしい文章が読めるのは「ダイダラザウルス」でしょう。世界で一番長いジェットコースター(これは2コースをつないでしまったから)にもかかわらず、スリルとは無縁ののどかすぎる乗り心地。読んでいてつい笑みがこぼれてしまいます。他では、天理市での甍が並ぶ見事な風景写真が見れる「おやさとやかた」、雲海に浮かぶ古城趾の写真が印象的な兵庫県朝来市の「竹田城」、殺伐とした風景写真が楽しめる兵庫県西宮市の「蓬來峡」、宮田さんのシュノーケラーの面目躍如「串本のテーブルサンゴ」がオススメです。
 他の執筆者では島崎さんのが関西文化に関するエッセイで面白いと思いましたが、他の方々はまだ世界遺産になっていない関西の文化を真面目に論じていたりするので、飛ばし読みしてしまいました。
 気軽に読める本だと思います。暇つぶしにはオススメです。