gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

溝口健二監督『祇園の姉妹』

2008-12-08 17:27:59 | ノンジャンル
 昨夜、父の納骨を終えて、京都から帰ってきました。晩秋の京都、奈良はとても美しく、堪能しました。その話は改めてさせていただきたいと思います。
 それから、高校で2年間同級だったK子さんとY子さん、今日は楽しい時間を過ごさせていただき、ありがとうございました。当時はほとんど言葉を交わすことも無かったのに、不思議なほどの居心地の良さ。「本当に今まで生きていて良かった」と言われたY子さんと、同じ思いでした。また、お会いできる時を楽しみにしています。

 さて、WOWOWで、溝口健二監督・原作の'36年作品「祇園の姉妹」を見ました。
 倒産し、家財道具が競売にかけられている店では、妻とけんかした夫の古沢が家を出て、なじみの芸者・梅吉の家に転がり込みます。人のいい梅吉を、妹のおもちゃ(山田五十鈴)は責め、古沢と別れるように言います。金に困りながら、古沢に尽くす梅吉。おもちゃは知り合いの客の木村となじみの仲になることによって、梅吉の晴れ舞台のために着物をしつらえます。梅吉が家に連れてきた古沢の知り合いの客に、古沢は金をたかります。おもちゃはその客を家に送り、古沢を家から追い出すために、金を出してもらい、梅吉の新しい旦那になってくれるよう頼み、金をもらった古沢はあっさり梅吉の家を出ます。反物屋の工藤(進藤英太郎)は、番頭の木村がおもちゃに反物を都合したことを叱り、おもちゃに談判しに行きますが、逆におもちゃにうまく丸め込まれます。おもちゃの家を訪ねた木村は、そこにいた工藤とおもちゃに追い出され、木村はおもちゃの不義理を怒ります。梅吉は古沢を訪ね、おもちゃが嘘をついて、古沢を追い出したことを知ります。工藤はおもちゃのことが妻にばれ、詰問されます。梅吉はおもちゃのしたことに腹を立て、家を出ます。工藤と木村は一緒になって、走行中の車からおもちゃを突き落とし、ケガを負わせます。包帯だらけになって家に帰ったおもちゃは、これからも男に負けないと言い続けます。梅吉が古沢の家に行くと、捨てられたことを知ります。落ち込む梅吉に、ここぞとおもちゃは弁説を振るい、悔し涙を流すのでした。
 ごちゃついたあらすじですが、これは私の責任であって、映画は少しも分かりずらくありません。流麗な移動撮影、ひいた構図の素晴らしさ、リズム感あふれるカットつなぎ、そして何と言っても当時19才でしかなかった山田五十鈴の堂々たる演技。素晴らしい傑作ですが、溝口監督は戦後に「山椒大夫」「近松物語」「西鶴一代女」とこれを上回る作品を連発していきます。戦前の溝口監督の傑作を見たい方にはオススメです。