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オーソン・ウェルズ監督『偉大なるアンバーソン家』

2008-12-12 15:38:12 | ノンジャンル
 スカパーの260チャンネル「シネフィル★イマジカ」で、オーソン・ウェルズ製作・監督・脚本の「偉大なるアンバーソン家(の人々)」を見ました。
 20世紀初頭、名門のアンバーソン家の娘イザベルは、自動車を発明したユージーン(ジョセフ・コットン)をふって、ウィルバーと結婚し、男の子を一人もうけます。アンバーソン家主催の舞踏会に訪れたユージーンと娘のルーシー。イザベルの息子ジョージはルーシーに一目惚れしますが、深夜まで母と踊るユージーンに反感を覚えます。ウィルバーが死に、イザベルとユージーンの仲を知ったジョージは、二人の仲を引き裂き、母を連れて家を出ます。が、母は病気になり、最後までユージーンに会いたいと言いながら、亡くなります。母の遺産はなく、叔父は破産して家を去り、叔母も投資に失敗して全財産を失い、ジョージは人生に悲観して自動車に飛び込み、両足を骨折します。そしてジョージを見舞ったユージーンとルーシーは、ジョージの目に光が戻ったのを見て安心するのでした。

 アップはすべて写真として耐えられるほどの見事な構図で、ドヴジェンコの映画を思わせます。舞踏会でのワンシーン・ワンカットはカメラの前に次々とカップルが来て会話するという見事なもので、映画史に残るシーンでしょう。逆光でのシルエット、構図を変えながらの移動撮影によるワンシーン・ワンカットなども印象に残りました。
 それにしても、こんなに暗い題材の映画に巨費を投じたオーソン・ウェールズの金銭感覚はやはり尋常ではないと思いました。ロバート・ワイズが撮った、取ってつけたような最後のハッピーエンドはないにしても、やはり題材をもう少し選ぶか、小予算で撮るべき映画だったと思ってしまいます。「市民ケーン」のヒットでできた資金を全て注ぎ込んで作ったのかもしれません。いずれにしても、すごい映画でした。必見です。
 なお、詳細は「Favorite Movies」の「Orson Welles」のところにアップしておきましたので、興味のある方は是非ご覧ください。