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島津法樹『アジアン・ヒーローズ』

2008-12-29 16:37:51 | ノンジャンル
 18日発行の「R25」に「エコかっこいい」という言葉が出てました。当然、倖田來未の「エロかっこいい」のもじりだと思いますが、これってこれからのキーワードだなと思いました。月刊「ソトコト」などもいち早く目をつけてますが、ただの「エコ」ではなく、「かっこいいエコ」でないと、文化的な生活に慣れた人々には受け入れがたいのかなと思います。

 さて、島津法樹さんの'07年作品「アジアン・ヒーローズ」を読みました。骨董の仲買人をしている著者が、アジアで出会ったエピソードを描いた本です。
 ビルマで20億円以上もする器を発掘し大金持ちになりますが、発掘する際に書かれていた呪いの言葉に怯えるタイ人の話、宝石の仲買で財をなし、次から次へと女性を手に入れる生活をタイでした結果、若くして死んでしまった日本人の話、猿をわざと逃げ出させて同情をひいて観客から金をもらっていた老人に、日本に来て大金を儲けないかと持ちかけますが、猿の健康のことを心配した老人に断られた話、宝に手をつけた者には呪いをという銘文を読んで、宝に手をつけなかったことで、重苦しい思いから急に解放されたことを語ったタイの堀屋の話、そろそろ年齢的に終わりの近づいていた売春婦に、年寄りの外人と結婚して財産をもらう方法を伝授し、その通りに財産を手に入れた娘から、金を巻き上げるフィリピンの元売春婦の話、生活苦から幼少時に寺に入れられますが、女も知らずに一生を終わることを悲観して、40を過ぎてチベットの寺を出て、今では生活のために、中国の文革で破壊された、自分の修行していた寺から骨董品をネパールへ運んできている老人の話、戦争のために森が荒廃し、それまで収入源だった香木も取れなくなり、村を捨てて行く、ベトナムのジャングルの中に住む人々の話、インドネシアの南の島の小さな村で、過去の王様の宝物を発見し、それを持ち出す時に誤って人を殺してしまった父親から、死ぬ直前に事の真相を告白された息子の話、以上の8つのエピソードからなっています。
 会話の詳細まで書かれていて、どこまでが本当の話なのか、判然としない部分もありますが、いかにもありそうな話のオンパレードです。島津さんは他の著書でも、骨董の仲買人の面白い話を多く書かれているので、嘘とは思えませんが、嘘のように面白い話ばかりです。ノンフィクション好きな方にはオススメです。