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石丸元章『KAMIKAZE神風』

2008-10-27 18:35:34 | ノンジャンル
 高野秀行さんが推薦する、石丸元章さんの「KAMIKAZE神風」を読みました。大平洋戦争の特攻隊の生き残りの人々にインタビューした本です。
 アメリカ人から取材を依頼され、著者は軽薄な相棒と、ドライバーに雇ったこれまた軽薄なオカマとともにバリバリのスポーツカーに乗って、特攻隊ゆかりの土地や特攻隊の生き残りの人を訪ねていき、時には日本刀で斬りつけられそうになったりもします。そうした中で、特攻というものがいかに無謀で、いかに作戦とは到底呼べないようなシロモノであったかが明らかにされていきます。また、現在の鹿児島空港が、大平洋戦争当時は海軍航空隊第二国分基地という、当時九州で唯一舗装された特攻隊出撃基地だったこと、海軍だけでなく陸軍も特攻をしていたこと、特攻隊員は普通の公務員の2倍以上の給料をもらっていたこと、軍服マニアが集まる軍装集会というものがあること、KAMIKAZEアタックを受けたアメリカ兵たちは恐怖に震えたということ、陸軍が「突撃一番」という名のコンドームを当時配布したこと、特攻隊員は出撃前に覚醒剤を飲まされたりもしたこと、標準語は様々な地方の者が集まる軍隊のためにそもそも作られたものであること、最近の自爆テロは特攻隊と同じ観点から見直す必要があることなどが知らされます。
 ということでとても勉強になる本なのですが、この本は読んでいてとてもイライラさせられます。というのも、文体が度を越してふざけているからです。普通の文の途中で「じゃーん、」と書いてみたり、いきなりでかい活字で擬音語を書いてみたり、自分のことをはでに自慢してみたり、自分のことを「オレ」と書いてみたり、「~であーる。」と書いてみたり、取材先の人をヤギ扱いしてみたり、ジジイと呼んだり、「です」を「DEATH」と書いてみたり、そしてやたらに出て来るのが、「Y‥‥E‥‥S‥‥」と、YとEとSをやたらに沢山並べてみたりと、悪ふざけにもほどがあると言うものです。いくら優れた内容でも、この文体では台なしです。しかし、このような文体を楽しめる方もいらっしゃる方もいるかもしれません。そういう方にはオススメです。