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佐藤真監督『阿賀の記憶』

2008-10-11 16:19:26 | ノンジャンル
 昨日の午後6時からNHK・BS2で放送された「コンバット」に、若きロバート・ウォーカー・ジュニアが「ロバート・ウォーカー」の名前で出ていました。父のロバート・ウォーカーはヒッチコックの「見知らぬ乗客」の犯人役で、ロバート・ウォーカー・ジュニア本人は、バート・ケネディの西部劇で有名です。こんな役者が見られるのも「コンバット」を見る楽しみの一つです。

 さて、DVDで佐藤真監督の'04年作品「阿賀の記憶」を見ました。
 山道の前進移動。老女の語り。「阿賀に生きる」を畳みの上に座って見て喜ぶ出演者。荒れ果てた田んぼに、以前撮影した場所を探すスタッフ。夜の田んぼに張られたスクリーンに上映される「阿賀に生きる」の1シーン。網にかかる川魚と、それを舟に上げる漁師。粗末な家に住む老女。民謡を歌う老人。家の中で座ったまま餅をつく老人。おじいちゃんが財産を全部飲んでしまったと言う老女。無人の室内。列車から見る阿賀野川沿いの景色。列車に乗っている老人。冬。老人は昔話を語ります。川を下る舟から見える川面の風景。走る汽車の遠景。ラーメンを食べる老人。川面の前進移動。老人の歌う「北国の春」。無人の室内で沸騰しているヤカン。低い老人の声。薪をくべる老女とスタッフの声。枝を打ち、柿を取る老女。老人の歌う民謡。野外スクリーンに写し出されるエンディングタイトル。
 音楽、風景、逆光の撮影、これらすべてが懐かしさを演出しています。無人の室内や、荒れ果てた田んぼが映されることからも、そこには10年前に出会った人々の思い出が漂っているようです。実際に、映画の冒頭で、自分たちの姿を映画で確認して笑う「阿賀に生きる」に出演した老人たちが映されています。ソクーロフの映画を思わせるような、追憶をテーマにした映画と言えるでしょう。懐かしさの情に浸りたい方にはオススメです。