高野秀行さんが敬愛する高橋秀実さんの'05年作品「センチメンタル・ダイエット」を読みました。
高橋さんの奥さんは158センチで80キロあり、動悸が激しく救急車を呼んだりしますが、医者は体型を見てニヤっと笑うだけです。奥さんは運動が嫌いで、汗をかくことも嫌い、几帳面なのでストレスをためやすく、母、祖母ともに太っていたという太る要素だらけ。著者はダイエットについて調べ、体の様々な部分を毎日測って体に対する自覚を促す測量ダイエットに協力し、歩くダイエットと自称する女性に今まで試してきたダイエット法について語ってもらい、そんなことをしているうちに家の体重計が壊れ、同窓会を目標にやせる方法を教えてもらい、運動でやせた人の体験談を聞き、踊りの好きな妻のためにエアロビクスでやせた人にインタビューし、「空想のワーク」をすると、奥さんは道化になることを望んで現状を正当化し、同窓会では太っていたことで話がはずみ、著者は毎日のように全身マッサージをしてあげ、最終的には太った奥さんを肯定し、彼女の脂肪の中でぬくぬくと暮らすことを望んでしまうのでした。
出だしから奥さんがダイエットする話と思ったら大間違いで、読めども読めども奥さんがダイエットを始める気配はなく、結局ダイエットせずに本は終わってしまいます。著者が奥さんに敬語を使っているというのが、それぞれの立場を暗示させますが、逆にここまで奥さんのプライベートな数字を明らかにしてしまっていいのか、それが元で夫婦仲が悪くなったりしなかったのかどうか心配してしまいました。
「はい、泳げません」と同じく、妻がダイエットを目指す話だけで1册の本を書いてしまうというのがスゴイと思いますし、ダイエットに関する調査に関しても右に出る本はないのではないかと思いました。コミカルな文体も「はい、泳げません」と同じで、高野秀行さんが著者のことを「エンタメ界の横綱」と呼ぶのも頷けました。文句無しにオススメです。なお、詳細は「Favorite Books」の「高橋秀実『はい、泳げません』」にアップしておきましたので、是非ご覧ください。
高橋さんの奥さんは158センチで80キロあり、動悸が激しく救急車を呼んだりしますが、医者は体型を見てニヤっと笑うだけです。奥さんは運動が嫌いで、汗をかくことも嫌い、几帳面なのでストレスをためやすく、母、祖母ともに太っていたという太る要素だらけ。著者はダイエットについて調べ、体の様々な部分を毎日測って体に対する自覚を促す測量ダイエットに協力し、歩くダイエットと自称する女性に今まで試してきたダイエット法について語ってもらい、そんなことをしているうちに家の体重計が壊れ、同窓会を目標にやせる方法を教えてもらい、運動でやせた人の体験談を聞き、踊りの好きな妻のためにエアロビクスでやせた人にインタビューし、「空想のワーク」をすると、奥さんは道化になることを望んで現状を正当化し、同窓会では太っていたことで話がはずみ、著者は毎日のように全身マッサージをしてあげ、最終的には太った奥さんを肯定し、彼女の脂肪の中でぬくぬくと暮らすことを望んでしまうのでした。
出だしから奥さんがダイエットする話と思ったら大間違いで、読めども読めども奥さんがダイエットを始める気配はなく、結局ダイエットせずに本は終わってしまいます。著者が奥さんに敬語を使っているというのが、それぞれの立場を暗示させますが、逆にここまで奥さんのプライベートな数字を明らかにしてしまっていいのか、それが元で夫婦仲が悪くなったりしなかったのかどうか心配してしまいました。
「はい、泳げません」と同じく、妻がダイエットを目指す話だけで1册の本を書いてしまうというのがスゴイと思いますし、ダイエットに関する調査に関しても右に出る本はないのではないかと思いました。コミカルな文体も「はい、泳げません」と同じで、高野秀行さんが著者のことを「エンタメ界の横綱」と呼ぶのも頷けました。文句無しにオススメです。なお、詳細は「Favorite Books」の「高橋秀実『はい、泳げません』」にアップしておきましたので、是非ご覧ください。