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堤幸彦監督『包帯クラブ』

2008-10-01 16:11:11 | ノンジャンル
 WOWOWで堤幸彦監督の'07年作品「包帯クラブ」を見ました。
 女子高生のワラ(石原さとみ)は屋上の柵の上に乗っていると、手首の包帯がほどけて柵に引っ掛かります。そこへディノことタツヤ(柳楽優弥)が現れて、柵に包帯を結び、手当てだと言います。ワラは友人のシオ(貫地谷しほり)の心の傷を癒すため、ブランコに包帯を巻き、その写真をネットにアップすると注目され、ギモこと柳本という高校生は包帯クラブというサイトを立ち上げます。傷ついた人からメールをもらったら、その人が傷ついた場所に包帯を巻いて、その写真をサイトにアップしてその人の心の傷を癒すクラブです。そこで、そのアイディアを出したディノに会いにいくと、彼は富豪の息子の変人で、弱者の気持ちを理解するために裸足で外を歩いたり生ゴミを持ち歩いたりしていました。4人は活動を開始し、救われる人が出てきますが、自分たちの心の傷に向き合うことにもなり、ワラとシオのかつての友人のリスキも加わります。が、クラブを攻撃する書き込みが続出し始め、警察にも密告され、クラブは活動を休止します。そしてクラブを攻撃したのはワラの旧友のテンポで、ワラらが楽しそうだったので邪魔したと聞かされ、ワラはテンポを救うために挑発し、テンポの自殺を止めるために、ディノは高層ビルの屋上に無数の包帯を巻き、大声でテンポに呼び掛け、テンポの自殺を思いとどまらせ、ワラとシオとリスキはテンポとの友情を取り戻すのでした。そして最後にディノの心の傷を解決させるために、ワラが手助けをし、ワラは離婚して働き疲れている母(原田美枝子)にも優しくなるのでした。
 唇が肉感的な石原さとみがかわいらしく、貫地谷しほりのコミカルな演技にも好感が持てました。柳楽優弥はカンヌの主演男優賞をもらった時のピュアな感じはなくなり、若い頃の原田大二郎と赤井英和を足して2で割ったような、エキセントリックな風貌になっていてショックでしたが、役自体がそういう役だったので違和感は感じませんでした。冒頭とラストは独白で、フィルムをつまんで時間が止まったような効果を出したり、風景をインサートさせたりした演出は陳腐でしたが、風吹ジュンを含めた演技派の役者たちが魅力的に映されていたことは評価されるべきでしょう。改めて天童荒太の原作を読み直してみたいと思わせる出来でした。石原さとみ、NHKの朝ドラ「ちりとてちん」での貫地谷しほりファンには必見です。