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マキノ雅弘監督『殺陣師段平』

2008-10-19 14:57:24 | ノンジャンル
 スカパーの707チャンネル「日本映画専門チャンネル」でマキノ雅弘監督の'50年作品「殺陣師段平」を見ました。
 「大正十年 大阪」 新国劇で殺陣をつける段平(月形龍之介)は酔っ払い、橋の欄干の上で宙返りをやって川に落ちて風邪をひき、妻で髪結いのお春(山田五十鈴)に看病してもらいます。主役の澤田正二郎(市川右太衛門)は剣劇と言えるような立ち回りができないと言いますが、段平は自分ができると言い、考えた立ち回りをして見せますが、リアリズムがないと澤田に言われます。段平は昼から酔っ払い、路上でケンカをしているところを澤田に助けられると、リアリズムの研究をしていたと言い、澤田は段平の殺陣で評判を取ります。東京から不入りで苦しむ澤田の、すぐ来てくれという電報を段平は受け取りますが、全財産を渡してくれたお春が結核にかかっていることを知ります。段平のおかげで澤田の評判は盛りかえしますが、お春の容態が悪くなっていると知り、澤田はわざと立ち回りのない芝居を入れ、段平に大阪に帰るように言い、段平は怒って劇団を辞めますが、その時お春が亡くなったという電報が届きます。「五年後 京都」 痛風で寝たきりの段平の元に澤田の使者が来て、澤田の痛風の忠治を見せますが、段平は澤田の芝居はダメだと言い、澤田に自分の殺陣を30円で買ってもらい、養女に殺陣を覚えさせて澤田に届けさせます。開演ベルが鳴り終わった後に、澤田は観客にお詫びを言って待ってもらい、養女に殺陣を教えてもらい、舞台は大成功します。舞台後、養女は段平の実の娘であることを澤田に教えられ、娘は段平の遺言を澤田に伝えると、澤田は号泣するのでした。
 以前にやはりマキノ監督の森繁久弥主演「殺陣師段平」を見ましたが、今回の段平は冒頭の部分を除いては、やはり月形の演技が固く、また重く、森繁の軽やかさは皆無でした。他のキャストは、今回も見事な演技を見せている山田五十鈴が同じ役を演じているのを始めとして、それほど変わらない出来だと思いました。ラストも冗長で、マキノ監督がリメイクをした気持ちが分かるような気がしました。山田五十鈴ファンは必見の映画です。