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佐藤真監督『まひるのほし』

2008-10-05 14:57:35 | ノンジャンル
 DVDで佐藤真監督の'98年作品「まひるのほし」を見ました。知的障害者の創作活動を描いた作品です。
 すずかけ作業所のシュウちゃんは話せませんが、絵を描きだすと切羽詰まったように物を表現します。中心から描かず、印象的なものから描きます。絵の具で様々な縦線を描きまくるユキエちゃん。ユキエちゃんにキスしようとするシュウちゃん。絵が完成して喜ぶシュウちゃん。自転車に乗ったまま、女の人のミニスカートが好きだと繰り返し言うシゲちゃんは、「工房 絵」でしゃべり続けながら、水着の種類、海水浴場の名前を次々にカードに書いていきます。ヌード写真を見ながらポップアートを描くノリちゃん。以前に暴力を振るい傷つけた女性スタッフと話すシゲちゃん。原宿で六人展をやり、饒舌に喜び、窓から若い女性が歩くのを見て興奮し、テレビ画面の中で女性が好きだと語り続けるシゲちゃん。信楽青年寮のヨシヒコさんは、造型物研究所で粘土を使って人間の顔のオブジェを作っています。マッちゃんが描くのは抽象画です。ヨシヒコさんは、休みの日まで撮影するスタッフにありがとうと言います。風呂に入るヨシヒコさん。椅子に正座して朝食をとるヨシヒコさん。青年寮のびわ湖キャンプ。すずかけ作業所のトミヅカ君は、水彩絵の具で細かい絵を描きます。シュウちゃんは家族と夕食を食べますが、家族からの質問に答えられません。シュウちゃんの展覧会。野焼きする信楽青年寮の造型物研究所。翌日割れた作品を窯から取り出すヨシヒコさん。さとえちゃんに宛てた膨大な量の手紙を見せるシゲちゃん。シゲちゃんとお父さんとの生活。海で叫ぶシゲちゃん。通天閣の近くでパチンコをするヨシヒコさん。ヨシヒコさんの個展。最後にシュウちゃんの創作活動を追いながら、映画は終わります。
 全編に流れる井上陽水の歌がポップな彩りを添えています。紹介される作品がどれも独創的で色彩感覚に優れ、それだけでも楽しく見られました。監督がパンフレットで述べているように、シゲちゃんの人間的魅力が突出していて、その素直な感情表現に感動しました。知的障害者の映画はこの映画のように感動的なものが多いのですが、私もそうである精神障害者の映画で感動的なものというのには、まだ出会ったことがありません。今後に期待したいと思います。あまり知られていない映画だと思いますが、佐藤真監督の代表作の一つであると思います。オススメです。