ピアノの先生の生活

ピアノ講師、ブライダル奏者としての日常と
その都度のはまりものへの情熱を綴るくだらな雑記

父の闘病記

2007-06-30 00:05:38 | 日常
父が退院した。
実は三月から入院していて、この間我が家は結構大変だったのだ。
治ったわけじゃあないけど、とりあえず退院して来たのでもういいだろうと
その顛末を書かせて頂く。

二月。
父は痔の手術にその筋の有名病院に入院。
その時の検査で肝臓の異常を察知される。
若い頃に結核の手術をした時の輸血にC型肝炎のウィルスが入っていたらしく(当時は結構
杜撰なのでありがちらしい)、そのウィルスがガン細胞として残ってしまったらしい。
とりあえずこの病院ではなんとも出来ないのでと紹介された病院にて再び精密検査。
そしたらやはりその通りで、「年が年なのでガンは進行が遅いから
放っておいてもあと三年は生きるとは思いますがとりあえず切ってしまいましょう」と
即座に手術が決定した。
ちょっと待て!
父は痛いだのだるいだのの自覚症状など全くなく、元気ハツラツなのだ。
それをいきなり切るって…。
入院や手術をすることによって弱くなってしまうお年寄りも多く見てきた。
放っておいても進まないなら放っておいた方が良いのではないか?と私は思ったのだが、
「切って済むなら切っちまえ」という父の固い信念で手術は決定したのであった。
しかし手術。決定と言ったって何日に行われるかとかは全く未定。
考えてもいなかった予定をいきなり言われても、こっちも困るのだ。
最低人数で賄っているバイト先、自分が休むとどうなるのか?ブライダルだって早めに
連絡しないと悪いし、ピアノの方だって年単位のスケジュールだから変更となると大変なのだ。
それに手術ったって事故とかじゃなく、悪いところを切るだけなのだから
「何も私が行かなくてもいいんじゃない?」と言ったら、猛烈な勢いで母に怒られ、泣かれ、
相談した人々にも「行った方がいい」と諭された。
自分も平穏だった生活が変わらざるを得ないことを改めて知り、将来のことを
考えたりした時期である。

そして三月に入院。
切る前に調べることがたくさんあると言うが、その割には主治医が金曜日しか来ないからと
週一の検査くらいで、父は暇を持て余していた。
しかも病人の中で元気で居るのがはばかられるらしく、ちよっと困ってもいた。
病院のカロリー制限された食事で痩せ衰えていくその姿を不安に思っていた私達。
一向に手術をする気配がないまま時は過ぎ、とりあえず内科の検査は終わったからと
四月の終わりに一時退院させられる。手術はまだ?
我々は「切っておしまい」と思っていたので予想外に長引くことに不満を感じていた。
そんなゴールデンウィーク中に、私は友人がその病院でお父様を亡くされた話を聞いた。
それはそれは酷い扱いで、どう考えても医療ミス。絶対あの病院だけはやめなさいと熱く語られる。
大体そこはもう二回も新聞に載っていて、最近にも載った事があったので
「今なら逆に大丈夫だろう」と私は楽観していたのだが…。
しかし病院がきれいなこと、地の利がいいことなどで父は「いいんだよっ」と引かない。
そして再びの入院。「今度こそは切るんだな」の家族の願いむなしく、今度は外科の検査だって。
内科と外科は資料を共有しないのか?と素朴な疑問。ちょっと金取り主義疑惑発生。

六月に入り一体いつまでかかるのか、年寄りだから進行しないのをいいことに
後回しなのかなどと思っていたらついに手術日決定!
父は手術のための“呼吸を整えるための器具”というのを四千円も払って買わされ、
それを一生懸命練習していた。なんかプラスチック管の中にボールが入っていて強く息を
吹き込んでそれを舞い上がらせるというもの。見せてもらったが四千円はないだろと思う。
そして「本人抜きでご家族との話し合いをしたいので来て欲しい」との連絡があった。
さすがに四ヶ月も経つと母も環境に慣れたらしく、「あんたは来なくてもいいから。
手術も来なくても問題ないね」と言うようになっていた。
私もどう考えても、教室の仕事を休んで行ったことを後悔しそうだと予感があったため
話し合いに行かずに弟に行ってもらうことにした。
そしたら!なんとその当日の午前中の検査で、肝臓の裏側に別のガンが発見されたため
切る事が出来なくなった(両方切るわけにいかないので)。手術中止!」だって。
結局ガンの餌になる血を送る血管を塞ぐ注射だかをして進行を止めることに。
って、老人だから進行しないんじゃなかったの?もうわけわからん。
そうなったらなんだか早い。その三日後にはその注射をした。
そしたら父はまいってしまい、痛がるわ熱は出るわでやっと病人らしくなってしまった。
そして二週間。なんとか復調した今、「絶対あの注射だけはしない。二度としない」と
固く決意していた。
今後は通いつつその処置を施してもらう計画らしいが、どうなることか。
ほーら、言ったでしょ。結局入院してもしなくても同じことだったのだ。
元はと言えば単なる痔だったんだから!
結局父の手元には使われなかった手術器具が、私には病院不審が根強く残ったのであった。
ジャンジャン。長くてゴメン。

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2 コメント

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大変じゃないですか! (vienne)
2007-07-03 12:46:27
パパ、大変だったのね、知らずにごめんねー、
心よりお見舞い申し上げます。

でも、その病院怪しいの極み。
他の病院でも、絶対診てもらったほうがよいと思うよ。セカンドオピニオン、サードオピニオンは大事~
ご家族はお家に近いほうがよいと思うけどさ・・

なるべく痛みとかなく、快適に生活できるのが、人間として一番だもんねえ。
でも、そんなに待たせたり言うことがころころ変わるなんて、人間的の前に医療的におかしすぎるよ!
お知り合いに、お医者さん、いない?
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大変と言うか~ (ピルカ)
2007-07-03 23:12:19
>vienne
ご心配をかけてすまぬ。
この父の入院一連の話をする度、人は「別の病院に行った方が良い」と
言います。
そうよねー、あんなヘンな器具まで買わされて手術ナシだし。
でももう父本人の気持ちを尊重するしかないのよ。
多分彼的には、祖母が亡くなった救急病院が
ギガ古い・汚い・感じ悪い病院だったので、
そうじゃなきゃOKなんだと思う。


まそれより何より、
「病院に入らなければ今まで通りに健康に生活出来ていたのに
この始末」
というのが一番腹立たしい。
私は検査しろと言われても絶対にしないことを心に決めました。
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