海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「ドイツに二度と帰らない」と題する『シュピーゲル』誌の記事。

2006年08月30日 | 福祉と経済
ハンブルク発:かなり多くの読者の物語は、外国で百万長者になった皿洗いの伝説の現代版のように聞こえる。ある読者はメールに次のように書いている。「自分は最初タイでイカの販売店を開いた。後にはそこで不動産業者になった。」
もう一人の女性の読者は、ある夜、ロンドンにいかねばならないという夢を見た。そこで彼女は一度もイングランドに行ったことはないのに、荷物をまとめた。今日、彼女はいくつか夜間学校に通った後、相変わらずロンドンである欧州連合の機関に勤めている。ドイツにいたら彼女が経験したキャリアを、高校卒業証明書(アビトウーア)がなければできなかっただろうと思っている。
殆どすべての読者は、多くの国々では就職条件はドイツに比べてましであると強調している。ある、空調技師は、ドイツで身をすり減らす就職活動をした後、キャンピングカーでスイスに行って職探しをした。「私は12箇所で面接を受け、どこでも仕事を始めることできた。」
ある情報工学の専門家は、ドイツで7ヶ月、求職活動をしたがだめだった。そこで彼はインターネットの求職サイトである「モンスター・コム」に履歴書を送った。「短い時間の間に世界中からいろいろな就職口を見つけることができた。」アメリカで就職することに決めたが、「そこではドイツの2倍の給与がもらえる上、税金は一部しか払わなくていい」と彼は書いている。「一年後には、私は大きな庭とプールつきのちゃんとした家を手に入れることができた。」
誘惑的な求人は、当たらしふるさとでの非常に多くのカルチャー・ショックを埋め合わせる。米国に引っ越したある女性は、「ここではいくつかのことに慣れなければならない。たった1パックの卵を買うために車でスーパーマーケットへ出かける人や、酔っ払いが信号機の前で追突するから、必要な自動車保険を掛けなければならない。」
「特に初めから永遠の外国人としての地位に甘んじなければならない」と多くの人々は書いている。「われわれの金髪や、アクセントや身振りを見れば、われわれが外国人だと分かるのだ」とトリニダートに移住した読者は書いている。「しなければならない一番滑稽なことは、土地のしきたりに完全に服従しなければならないということだ。土地の人たちも、金髪のラスタファリなんかいないと言うことを知っている。」
彼らがどんな問題を抱えていても、帰国を考えているひとは、殆どいない。その代わりに、大抵の人たちが、もとの故郷に対して激しい憤懣を抱いている。「年金問題を考えてみなさい。ドイツでは私達の世代は、破産した年金制度と高齢者の貧困を目の前にしている」とスイスで広告業に従事しているある男性は言う。
 トリニダードへ移住した読者は、ドイツで彼が我慢できないのは、特につまらないことである。「例えば、仕事に出かける前に隣人がゴミ容器の前に立っていて、容器の満杯量が、清算のために測られるために、ゴミを押し付け回っているのを見る場合だ。」トリニダードにおける彼の新しい生活の最初の5年が過ぎようとしている現在、「結論として、どうしてもドイツに帰る必要がなければ、二度とドイツに戻らない。現在、朝、気温28度、南東からの微風と光り輝く青い空のあるトリニダードから挨拶を送る。これに付け加えるものは何もない。」
[訳者の感想]ドイツから出て行く人が増えているようです。日本人に比べると外国での生活に適応する能力は、ドイツ人のほうが優れているようです。
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1 コメント

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Unknown (yosi29)
2006-09-24 12:23:38
移住者は色々な理由で移住する。習慣や文化や経済の仕組みなど多くの困難にぶつかるだろうが選択は自分が行った。2世は理不尽で不当と感じるのではないか。
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