海外のニュースより

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「ヒズボラは、ドイツに入り込んでいる」と題する『フランクフルター・アルゲマイネ』紙の記事。

2006年08月27日 | 国際政治
8月26日発:、『フランクフルター・アルゲマイネ日曜版』の情報によると、多数の過激イスラム主義民兵のヒズボラは、8月初め、レバノンからのドイツ国民の短期的な避難行動を利用して、ドイツに入国している。その際問題なのは、個々の場合だけではない。
避難行動は非常に短期的に組織され、6千200人という数はあらゆる予想を超えていたので、詳しい吟味は、可能ではなかった。そういうわけで、一連のドイツ国籍を持たない人達がドイツ連邦に入国し、その中にはヒズボラのメンバーもいた。
 「連邦政府は、この状況で慎重に考慮しなければならなかった」と避難行動におけるベルリン政府のやり方をショイブレ連邦内務相は正当化した。「勿論、ドイツ国民が戦争から抜け出すのを助けなければならない。するとわれわれが入国の際パスポートの替わりの文書を発行した人達がやってくる」とショイブレは言った。「われわれはケチケチしている訳にはいかない」と大臣は付け加えた。
 シーア派の「ヒズボラ」は、ドイツに900人のメンバーを持っている。彼らはうまく機能している支援組織を利用し、ドイツを休息所として利用しており、イスラエルの外でテロはしないと言っている。「これまで治安当局は、ヒズボラがテロを企てていないということを前提にしていたが、彼らはここで寄付を集めるべきではない」とショイブレは憂慮して言った。
 レバノンからの帰国者は、大多数ドイツ系レバノン人である。「ついでに言うと、ドイツ国籍を持った人々もヒズボラのメンバーでありうる。彼らの入国を妨げることはできない」とショイブレは、連邦政府の困った立場を指摘した。内務省と治安関係の役所では、脱出作戦の前にヒズボラのメンバーも入国するだろうという憂慮があった。
 ショイブレは、7月末に週刊誌『シュピーゲル』との対談で、帰国者に注意しなければならないということを指摘していた。「その際、連邦警察は、外務省の同意を得て、特に監視する必要があるが、これまでは問題はない」と述べた。
 戦争状況のために徹底した吟味は十分でなかったと言われている。憲法擁護官は、本誌に対してヒズボラ指導者がメンバーの入国の背後にいたかどうかを疑っている。
 ショイブレは、ヒズボラに門戸を開放することを恐れて、レバノンからの避難者に一時的にドイツでの庇護を保証することに対して強硬に反対した。そのために、彼は「緑の党」の党首クラウディア・ロートに激しく批判された。「彼の態度は、精神的冷酷さとキリスト教的隣人愛の欠如と人道的責任の欠如の現れである」とロート女史は言った。
[訳者の感想]ドイツは中東諸国からの移民をいろいろな形で認めて来たので、ドイツ国籍を持ったレバノン人もパレスチナ人もいるはずです。先日のようなレバノン人による列車爆破テロ未遂事件が起こると、ヒズボラのメンバーがドイツ国内にいるということが一般のドイツ人の間にかなり不安を呼んでいるのも事実だろうと思います。
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