海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「生徒がキリスト教徒の女教師を殴り殺す」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2007年03月23日 | イスラム問題
 ナイジェリアのイスラム教徒の生徒たちは、彼らの女教師がコーランを侮辱したという理由で、彼女を殴り殺した。イスラム教徒が多数を占めるナイジェリア北部のゴンベ州のある学校の生徒たちは、それ以外に、いくつかの教室に放火し学校長を集団で殴ったとナイジェリアの新聞"This Day"は報道している。
 女教師は、「イスラム教」という科目のペーパー・テストを監督していて、一人の生徒がカンニングをしていると疑った。彼女は、彼から本を取り上げ、『コーラン』も取り上げた。このことが生徒達を怒らせた。警察は12人の容疑者を逮捕した。
 ナイジェリアでは、1億3千万人の国民が250の民族集団に分かれている。1億3千万人のうち50%がイスラム教徒で、40%がキリスト教徒である。いくつかの北部の州でイスラム法に基づく判決が刑法においても導入された1999年以来、暴動で何千人もの人が殺された。4月21日に予定されている選挙では、キリスト教的な南部の出身であるオレスグン・オバサンジョ大統領は、イスラム教徒の多い北部出身の州知事ウマル・ヤルアドアに大統領職を譲る予定だ。
 オバサンジョ大統領は、キリスト教的な南部出身の最初の大統領だった。もし、予想通りヤルアドアが後継者になると、大統領職は、再び北部出身のイスラム教徒の手に渡ることになる。最近の人口調査では、激しい議論の後、どの宗教に所属するかという質問条項は断念された。
 両方のグループは、自分たちが多数派だと称している。1999年に北部の12州にイスラム法が導入されて以来、数千人の死者を伴う暴動が起こった。現在、キリスト教徒とイスラム教徒との関係は比較的穏やかである。だが、情報通は、古い紛争が急激に再燃するかもしれないと思っている。
[訳者の感想]ナイジェリアは、南部では、石油利権を巡る反政府活動に悩まされています。これにキリスト教徒とイスラム教徒との対立が加わると内戦が始まる可能性もありそうです。
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