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シニカルな現実否定は、政治的無能力の欺き得ない兆候である。断頭台で首を刎ねられたフランス王妃マリー・アントワネットが言ったとされる次のような台詞からは、彼女の本心が分かる。「百姓はパンがないのなら、ケーキを食べればいいのに。」
化石化したスターリン主義の北朝鮮の指導部は、この政治的な現実拒否の伝統に連なっている。日本で発行されている機関誌『朝鮮新報』を通じて、金正日総書記は、歴史的な革新を告知させた。北朝鮮の科学者達は、空腹感を顕著に遅らせる特殊な麺を開発することに成功したと。
たいていの北朝鮮の国民は、このニュースを聞いたら、ただ、「あほなことを言うな」という反応を示すだろう。実際、国際食糧機構の報告によると、2千2百万人のうちの6百万人がこの偉大な「首領様」の支配下で飢えており、緊急の食糧援助を必要としている。北朝鮮国民の2人に1人は、自分と家族のために食糧を調達することにかかり切っている。
いずれにしても、少し前から、西側からの食糧輸送がこの経済的に崩壊している国に行われている。だが、相変わらず、役所が配分を監視しているから、援助食糧が数十万人に届かないほど経路が分かれている。1990年代の終わりには、この情実のせいで、大飢饉に際して約百万人が命を落としたと推定されている。
目下、北朝鮮政府は、知られた形では小麦やトウモロコシから作られたのではなく、大豆の粉で栄養を付加した新しい奇跡の麺の導入を賞賛している。大豆は、北朝鮮では伝統的な食糧ではない。木の根や草のスープが伝統的な食糧ではないのと同様に。この両者は、しかし、北朝鮮の多くの人たちにとっては、彼らの激しい空腹感と戦うためには、唯一の可能性である。彼らは麺などは長い間、口にしたことがないのだ。
[訳者の感想]とうとう「奇跡の麺」でだますより方法がなくなったと思われます。政権の末期症状と言うべきでしょう。終戦直後、東京では米の代わりに大量の大豆が配給され、毎日、大豆ばかり食べた経験があります。終戦直前に、満州から内地へ大豆を輸送したせいだと聞きました。北朝鮮では、大豆が普通の食糧ではないようにこの記事では書かれていますが、もし、大豆があれば、飢えたりしないはずで、大豆ももちろん手に入らないのでしょう。北朝鮮ではそもそも配給システムが全く機能してないのだと思います。
マリー・アントワネットの言葉は、彼女がいかに庶民の生活について無知であったかを暴露していますが、この北朝鮮の報道は明らかに無知の産物ではなくて、悪意の産物だと思います。
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