海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「イギリス軍、バスラから撤退、将軍たちは、アメリカの戦略を罵倒」と題する『シュピーゲル』誌の記事。

2007年09月03日 | イラク問題
ロンドン発:ゴードン・ブラウン首相は、彼の前任者だったトニー・ブレアと同様、イラクからの撤退計画の時間割を公表することを拒んだ。しかし、彼は、国会が夏休みから帰ると、撤退を10月に開始すると公表した。今年の初めには、バスラとその周辺に、まだ7千名のイギリス軍が駐留していた。
イラクにおける元イギリス軍総司令官だったマイク・ジャクソンは、自分の自伝の中で、イラク紛争における米国の戦略と政策を「知的破産」であり、「ばかげている」と述べた。アメリカは、民主主義的構造を建設する代わりに、軍事力にあまりに多くを賭けたと述べた。
イラク攻撃の直後にイギリス軍の総司令官であったティム・クロス大将も、「イラクに対するワシントンの戦略は、致命的に間違っていた」と述べた。『サンデー・タイムズ』紙とのインタービューでは、当時のラムズフェルド国防長官が、正しい警告を無視するか、退けたと述べた。
攻撃の作戦計画立案中に、クロス大将は、ラムズフェルドに、攻撃後の時期に対する詳細な計画ができていないということを指摘したが、ラムズフェルドは、全く聞き入れようとせず、イラクが半ば自動的に復旧され、短期間で民主的な国になると信じていた。ジャクソン大将もクロスと同意見であった。
1991年の「砂漠のネズミ」作戦で最高司令官だったパトリック・コーディングリー中将は、「プレス・アソシエーション」に対して、「クロス大将の批判は的を射ている」と述べた。問題は、彼や他の人たちがどうして自分の言うことに耳を貸すように説得できなかったのかということだ。」
これでもって、労働党政府が直接批判されることになる。英国政府の代表者たちがこの論争に首をつっこむのを差し控えている間に、野党の自由民主党の優れた代表者であるメンジース・キャンベルは、「将軍たちの言明は、絶対に正しい」と支持した。
保守党の国防大臣だったマーカム・リフキンは、BBCとのインタービューで、「根本的な批判点の一つは、ラムズフェルドが無能力だったことではなくて、彼の上司であるブッシュ大統領が国防省とラムズフェルドに国家の再建まで任せるという異常な決断をしたことだ」と述べた。
将軍たちの非難は、ロンドンの政府にとって具合の悪いときに起こった。デス・ブラウン国防相とデービッド・ミリバンド外相は、金曜日に『ワシントン・ポスト』の寄稿で、ワシントンとロンドンの間の緊張関係をごまかそうとしていた。
解放と安定化のためのこれまでの戦略は不十分だという英国のトップの軍人の批判は、米国政府の敵対者を援助するかもしれない。米国議会の民主党は、戦略の変更を要求している。
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