前回で述べた結果、やはり茸を食草とする鱗翅目(蝶・蛾)は蝶ではなくて蛾のようであるとわかったところで、本題の「茸を食草とする蒙古の蛾は?」に移ることにする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/00/cb65eaea15765022744bd2d97aea1447.jpg)
モンゴル(蒙古)では上掲のような草原(森林ステップ、ステップ)が国土の60%を占めている。モンゴルへ茸栽培の指導に行かれた日本人研究者の「モウコシメジとモンゴルのきのこ事情」というホームページが目に止まったので、ひょっとすると「草原の記」の蒙古茸はモウコシメジを指しているのでは、と思い読んでみた・・・モウコシメジは、草原に発生するきのこで、全体は白色で傘の径が5~15cm、表面は平滑だが後に亀裂を生じる。古い子実体では褐色を帯びる。傘の周辺は幼時内側に巻きこんでいるが、後に開く。ヒダは白い。柄は短く、長さ2~7cmで、ずんぐりしている。柄は中実で肉質はしっかりしている。乾燥すると独特の香りがある。発生の時期には、遠くからもきのこ狩りに自動車でやってくる。モウコシメジの生息地は、標高600~1,800mで、土壌中に大量の腐植質(18~20%)を含んでいる所が良いとされる。生息地では、6~8月に年降水量の60~70%が集中し、8月上旬が子実体発生の最盛期になる。草原では放牧を行っているので、家畜の糞や枯れた草が発酵してできた腐植質がモウコシメジの絶好の栄養源になっている。モウコシメジの子実体は下に示した画像のように草原上にリング状(菌輪)に発生する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/10/a6a12366e3f5cd44191cf7105cd80e65.jpg)
モウコシメジのシロ(菌糸層)は、外側へと生育場所を移動するので、リングの直径は毎年大きくなる。モンゴルでは均一な条件の草原が続いているので、直径が数十mの見事なリングが遠くからも数多く見られる。現地人は、馬に乗ってモウコシメジのありかであるリングを見つけ、採りに行くという。ところでモウコシメジ以外のきのこは、もったいないことに、ほとんど利用されていない。・・・
上掲のオレンジ色で表した文章を読むと、前回(3-1)に引用した「草原の記」の蒙古茸はこのモウコシメジを指していると考えて間違いない!と思われた。残念ながらこの研究者は蝶・蛾の研究者ではないので、当然蝶や蛾への言及はない。
インターネットを駆使してモウコシメジを食草とする蛾の正体を探ったが、検索で引っかかる材料は残念ながら出てこなかった。モウコシメジを食べる蛾の存在は確実であるが、茸を食べる蝶はやはりいないだろうなとの思いを強く抱きながら今回の「知の探検」を終えようと思った時に大きなニュースが入った。次回の「3-3 知の探検・・・」をお楽しみに。
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モンゴル(蒙古)では上掲のような草原(森林ステップ、ステップ)が国土の60%を占めている。モンゴルへ茸栽培の指導に行かれた日本人研究者の「モウコシメジとモンゴルのきのこ事情」というホームページが目に止まったので、ひょっとすると「草原の記」の蒙古茸はモウコシメジを指しているのでは、と思い読んでみた・・・モウコシメジは、草原に発生するきのこで、全体は白色で傘の径が5~15cm、表面は平滑だが後に亀裂を生じる。古い子実体では褐色を帯びる。傘の周辺は幼時内側に巻きこんでいるが、後に開く。ヒダは白い。柄は短く、長さ2~7cmで、ずんぐりしている。柄は中実で肉質はしっかりしている。乾燥すると独特の香りがある。発生の時期には、遠くからもきのこ狩りに自動車でやってくる。モウコシメジの生息地は、標高600~1,800mで、土壌中に大量の腐植質(18~20%)を含んでいる所が良いとされる。生息地では、6~8月に年降水量の60~70%が集中し、8月上旬が子実体発生の最盛期になる。草原では放牧を行っているので、家畜の糞や枯れた草が発酵してできた腐植質がモウコシメジの絶好の栄養源になっている。モウコシメジの子実体は下に示した画像のように草原上にリング状(菌輪)に発生する。
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モウコシメジのシロ(菌糸層)は、外側へと生育場所を移動するので、リングの直径は毎年大きくなる。モンゴルでは均一な条件の草原が続いているので、直径が数十mの見事なリングが遠くからも数多く見られる。現地人は、馬に乗ってモウコシメジのありかであるリングを見つけ、採りに行くという。ところでモウコシメジ以外のきのこは、もったいないことに、ほとんど利用されていない。・・・
上掲のオレンジ色で表した文章を読むと、前回(3-1)に引用した「草原の記」の蒙古茸はこのモウコシメジを指していると考えて間違いない!と思われた。残念ながらこの研究者は蝶・蛾の研究者ではないので、当然蝶や蛾への言及はない。
インターネットを駆使してモウコシメジを食草とする蛾の正体を探ったが、検索で引っかかる材料は残念ながら出てこなかった。モウコシメジを食べる蛾の存在は確実であるが、茸を食べる蝶はやはりいないだろうなとの思いを強く抱きながら今回の「知の探検」を終えようと思った時に大きなニュースが入った。次回の「3-3 知の探検・・・」をお楽しみに。