★★★「コワイわ、ママの歌」★ 松井多絵子
先日、「あなたは東直子の娘さんってよく聞かれますの。ほほほほ」 とツィートしたら、「わたくしは東直子のお孫さんってよく聞かれますの。ふふふふ」 というメールが届く。暴走老女からである。それにしても、ママはコワイ歌を詠むのね。「短歌追求1月号」を詠んだひとは、コワイ初夢をみるわ、きっと。
死体になるまでが夫婦と思います畳の上の二つの蒲団
柵の上に降り積もる雪 生前の記憶のように一夜ながめた
つまさきを折り膝を折り肘を折り夜に格納されて眠った
ごうごうと風連れてくる者たちを東京駅は腹の真中へ
遡上する鰻のように戻り来て東京駅の穴に飲まれる
※ 以上は「短歌研究」1月号の東直子の東京十景より抄出