★★★「朝日俳壇あれこれ①~俳句はコワイ」 松井多絵子
大きな声では言えないが、私は短歌より俳句の方が好きである。月曜日の今日、まず朝日俳壇を、そしてコーヒーを飲んでから歌壇を見る。歌歴二十年を吹聴しながら、何度となく俳句と浮気をした。俳句は短歌のようにねちねちしていなくて男っぽい。しかし、どうもコワイ。作っても、作ってもみな既に誰かが作った句のように思えてしまう。朝日俳壇に投稿し、入選しても数週間後に「酷似した作品があり入選を取り消します」ということになるだろう。「そんな簡単に入選しませんよ」と俳人たちに笑われるかもしれないが。12月24日の入選句から私の好きな四句☆のない句ばかり。たまたまですがみな男性の句。
❤ 寒がつてばかりもをれず歩きけり (姫路市)陰山一舟 稲畑汀子選
まさに今の私である。一日一万歩の目標が千歩。一舟さん、一歩が一句ですよ。
❤ 着ぶくれて本一冊分の独り言 (清瀬市)峠谷清広 金子兜太選
暖房費節約のため着ぶくれても寒い寒いと私が話しかけてる相手は私
❤ 星ひとつ拾って飾り聖樹とす (さいたま市)川辺了 長谷川櫂選
星を拾うという発想がすごい。聖樹とはタイミングのよいこと。
❤ 言の葉の枯葉のごとく宙に舞ふ (東京都)吉竹純 大串章選
この句を読み私の句は枯葉のような気がしました。今日の俳壇は☆は2個、歌壇
4個です。やはり私は短歌にします。 松井多絵子