えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

鈴の音のような歌集「岸」

2017-06-30 09:40:26 | 歌う
俳句より長い本の題名が多い昨今、たった一字の「岸」という歌集。著者の岩尾淳子は「未来」の歌人、加藤治郎に師事している。

🔘自転車を水辺の柵に凭れさせ二人はちがう島を見ていた

歌集のなかのこの1首が歌集名の由来なのだろうか。共に暮らしていても異なる目標に向かって生きている、そういう二人は多いのではないか。

岩尾淳子は神戸在住の高校の先生である。この6月に「ながらみ書房」から刊行した歌集「岸」のあとがきに「おそろしい速さで過ぎ去ってゆく時の流れのなかで偶然に出会ったかすかな心象」を握りしめるように詠んでいることが記されている。

🔘あたらしい藤棚に蔦のびる日々うすむらさきの気分で語る

🔘遠き人のかたわらにいる心地してしばらく坐る睡蓮のそば

🔘この道を文字になるまで歩きたい挿絵のなかのしずかな月夜

🔘信号のみどりがきれいに見えている夕べあかるい道を帰ろう

🔘この家の隅々までを知りつくしぷつんと掃除機うごかずなりぬ

🔘よろこびを手放すようなさえずりが午後のわたしの耳に残りぬ

🔘月かげに灯の消えている家はあり自分で閉めた鍵を回せり

日常の些細なことが詠まれているが、読みながら幻想的な気分になる。儚い美しさ、握りしめないと消えてしまいそうな数々の歌が収められた歌集である。

歩けばポイントが、、、

2017-06-28 14:33:09 | 歌う
健康のために歩いてポイントをためると、景品と交換できたり、途上国支援につながったり、こんな制度を各地の自治体が進めている。生活習慣病を予防して、できるだけ長く健康を保ってもらうのが狙いらしい。

こうしたポイント制度は全国に広がっている。国民健康保険の加入者で実験に参加した人と参加しなかった人を比べると60代で年間約4万3千円、70代以上は年間約9万7千円の医療費を抑える効果があったことが分かった。(本日朝日新聞より)

♠わたしは歩く 五首

歩かねば歩けなくなるかもしれぬ左の脚もきげんが悪い

泳がねば死ぬとうマグロのごとわれは昨日も今日も一万二千歩

明日もまた歩いてくれよバスタブのぬるき湯の底に眠そうな脚

ひとりではリズムにならぬ黒猫の歩幅に合わせて歩いて行こう

この青いビ一チサンダル履いたなら過去へ向かって歩いてしまう

読書で離婚を考えた。

2017-06-26 14:36:49 | 歌う
読書で離婚を考えた。これは私のことではない本の広告である。芥川賞作家の夫とホラ一作家の妻、仲良くなるために本を勧めあったのに、雰囲気はどんどん険悪に!夫婦読書リレ一の意外な顛末とは?

芥川賞作家の夫の名は円城塔、男か女かわからない名だ、妻は田辺青蛙、これは男を思わせる、夫の塔は1972年生まれ、妻の青蛙は1982年生まれ、ホラ一・怪談作家。「生きた屏風」が代表作らしい。

夫婦の危機を覗き見ながら、読みたい本にも出会える、類まれなる書!広告を見たとき少し驚いたが妻が芥川賞作家で夫はなかなか受賞できない場合だったらアブナイが、こんなタイトルの共著を出すのは夫婦仲がいいのではないか、二人とも大人、経済的に安定することが何よりですからね。

「あんなに仲が良いのに」という夫婦が突然破局、「別れる別れる別れる」と言われながら添い遂げる夫婦の多いこと それにしても次々に新刊の波〰

♠10分で1冊の本が読めるらし10分後には忘れる本を

俳句より長い本の題名

2017-06-25 13:26:33 | 歌う
朝刊を開くと本の広告が私に押し寄せて来る。梅雨の日曜は家で読書か。それにしても本の題名が長い、俳句より長い題名が多過ぎる例えば「わたしたちは銀のフォ一クと薬を手にして」著者は島本理生 (大人になるって、この人を好きになるとは思わなかったっていう恋愛から始まることかもしれない)という広告文のこれは前半。

著者の島本理生の言葉

まったく赤の他人と共に生きることは難しいです。それでも人と人が出会うのは、やはり素晴らしいことだと思います。思いがけず救われる言葉。

同じページの♠週間ベストテン
1位 「はじめての人のための3000円投資生活」横山光昭著
これも長い題名ですね!

同じページの書評♠売れてる本

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由 著者・汐街コナ

本の題名を見ればその内容がおおよそ分かって読者に親切なのだろうか

茂吉も私も莓牛乳

2017-06-24 16:46:51 | 歌う
いつからか莓は1年中食べられる果実になってしまった。私の子供の頃は初夏の果物は莓、潰して砂糖をまぶし牛乳をたっぷりかけて食べた。斎藤茂吉も私と同じように莓を召し上がったらしい。こんな一首がある、

🍓乳の中になかば沈みしくれなゐの莓を見つつ食はんとぞする

茂吉の歌の後に私の🍓の歌を、図々しいかもしれませんか、


青春はたった三日か「とちおとめ」をセ一ルで購う 乙女の莓

乙女らよ、ほどよき甘味と酸味あれ莓のパックを抱きていたり

管理され実りし莓はどれもみな同じ真紅の小さき円錐

若きらが老人と仲良くするような莓大福、おいしいですね