えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

「未来賞」のこと

2017-12-31 14:42:02 | 歌う
歌壇で活躍している歌人に「未来賞」の受賞者が多い。そのためかこの「未来賞」について歌人たちからしば しば私は聞かれる。毎年1回、1月号に発表される。応募作品の選考会は2017年度作品は9月23日だった、応募作は82編、事前に無記名で選考委員に送付し委員は1位から5位までを選出する。

選考委員は 🔘岡井隆🔘大島史洋🔘加藤治郎🔘佐伯裕子🔘池田はるみ🔘大辻隆弘🔘笹公人🔘黒瀬珂瀾🔘田中槐

応募作は20首、今回は28編が候補作品となり選考会の結果🌟工藤吉生🌟大西久美子🌟蒼井杏の3人が未来賞を。

最高得点でも受賞しなかった応募者2人もいる。悔しさをエネルギ一に頑張ったら工藤吉生氏のように凄い作品を産むだろう。来年が楽しみた。私は長生きしますからよろしくね。

未来賞の工藤吉生

2017-12-29 14:48:51 | 歌う
「未来1月号」をひらく。「未来賞」は誰か、今年は3人である、🌟工藤吉生
🌟大西久美子🌟蒼井杏 今日は工藤吉生氏について書いてみる。

「短歌を始めてから、選ばれたいとか、目にものを見せてやりたいとか、オレがオレがという気持ちが前に出てきました。良くも悪くもエネルギ一が湧き出したのです。数々の賞に連作を応募し落選してきました。(略)未来賞一回、これが24回目の応募でしてた。一つ、たどり着きました。励みにします」

この工藤吉生の受賞の言葉に感服する。受賞作「うしろまえ」は20首連作
そのなかから私が注目した作品を、、

⚡休日の朝七時から一日をなぜだかあきらめてしまうんだ

⚡恐ろしい形相をした歳月がうしろからくる 前からも来た

⚡目を閉じて夜の電車に乗っているできれば耳も脳も閉じたい

⚡ぼろぼろを渡って帰る二十二時ぼろぼろは来てくれた部屋まで

きみの痩身

2017-12-28 16:11:12 | 歌う
「きみの痩身」六首

もっと大きく咲きたかろに切りとられ葉牡丹は机上にあわき紫

いちばんに言いたきことを言わぬまま別れの部屋にきみの痩身

涙より咲きし白薔薇一輪をきみの棺のなかに納める

弔電にも順位あるらし殿(しんがり)に読まれる無職・哲夫の電文

薄氷を踏むごと師走の夕暮れの舗装道路を歩いていたり

ひと坪の砂漠となりて公園の夕べの砂場に風紋があり

今年も終わる

2017-12-27 14:10:35 | 歌う
今年も終わる 七首

繋がれるままに今年も終わるのだ犬の鎖の擦れ合う濁音

胸もとのオ一プンハ一トネックレス心のなかは空っぽである

ひと束の水仙を買い水仙はわれのみの花になりてしまいぬ

禅宗の寺への石段上りゆく間もなく下りてくる石段を

急坂を上り左折し右折して帰り来灯りのともらぬ我が家

去る年にとどめを刺すごと門松を凍える土につき刺しており

わたしには短歌があるというほどの歌もできずに新しき年

林真理子と穂村弘の対談 その二

2017-12-24 13:52:28 | 歌う
この対談の半ばで、林真理子は穂村弘になぜ小説を書かないのかと聞く。

「書こうとしても上手くいかない」と応える、穂村弘も本音で話す。「ワンシ一ンを記述したりするのが上手くいかない、登場人物が次に何をするのか想像できない」

林真理子は「小説は、登場人物が動いてくれるのを書きとめていくわけです。時間がかかりますが、勝手に台詞を言ってくれたりします」と。

「最高で400字詰80枚。このときは倒れました。長い小説は土日が多い」テレビもよく見るそうだ、林真理子は。

穂村「詩を書いていた人が小説を書くとはじめは詩的で文章も短いし大きな出来事はおきない」と。

林「歌人の方は言葉を研ぎ澄ましすぎてしまうのでは」

穂村「たぶん意識がそっちにひっぱられてしまうんだと思う」

◾ ここまで書いた時電話、親しいひとの訃報、一応ここで終わりにします。