えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

味方に恵まれる女

2014-06-30 09:13:00 | 歌う

              「 味方に恵まれる女 」

✿ どの花もわれの味方のように見え向日葵畑を去りかねており   松井多絵子

 昨日の新聞は日曜のせいか本の広告が派手だった。雨の日こそ本を読む日、本の中を歩き周る日か。

✿ いつも 「味方に恵まれる女」 になる方法  

 著者の有川真由美サマ  この本の題名は16字。長すぎますよ。 「味方に恵まれる女」 にしたら8字。

♠ 人間関係が 「もうイヤ」 というあなたへ  このキャッチフレーズ?はもっと大きな字がいいのに。「絆」という言葉が3・11後から安易に使われて、特に女は群れたがる。誰彼と繋がっていないと不安になる。この風潮の乗っかっているのか。「通話料無料サービス」は。 私のケータイの領収書には「あと1000円ご使用可能、期限は来月」などと書かれていることが多い。オシャべリ老女A子は電話老女でもある。さほど親しくない人にも電話、電話、電話。「使わないと損よ」が口癖。でもねえ。彼女はかなり、リッチ。ご主人は
某会社の役員なので、頂いた固定電話のおしゃべりに皆が丁重に付き合うと、頻繁に彼女から電話、ヤレヤレになったのは私だけではない。仲間たちが「通話料が無料、それに彼女は豊かでヒマだからよ」。と

♠ あっさりした人間関係を目指しましょう

♠ 基本的には 「言わせておけばいい」 のです

 たしかに、そうだ。オシャべり老女A子から色々情報もいただける。しかし 怪情報も多くふりまわされる。

♠ 前を向いていれば敵はいなくなります

♠ さらりと自分の意見を言いましょう

♠ ケンカしても、逃げ道を作ってあげましょう 

♠ ”助けてもらい上手”になりましょう   

 有川真由美サマ    こんなに本の内容を箇条書きしたら本を買う人がいなくなりますよ。まして女は。オシャベリとグルメとオシャレが好きな女たちを味方にするのがアナタの課題ですね。

                                  6月30日     松井多絵子

 

 

 

 

 

  


寺山修司の妻なりし人

2014-06-29 14:16:22 | 歌う

            「寺山修司の妻なりし人」

 ☀ つゆ晴れの空には本が、あの本が、寺山修司の『田園に死す』   松井多絵子

 生きていたら寺山修司はいま78歳、お酒も煙草もダメだったらしいのに48歳で亡くなるなんて。10代の半ばから俳句をはじめて、短歌、小説、作詞、脚本などなど言葉の錬金術師になってしまった。短歌はさっさと中退して 劇団 ✿ 天井桟敷 を旗揚げした寺山修司、 その彼の元妻が4月30日に亡くなった。九条今日子という演劇・映画のプロデューサーだったことを昨日の朝日夕刊ではじめて知った。 寺山と知り合ったときは、松竹歌劇団から映画に入った人気女優だったらしい。ともに27歳のときの結婚。しかし自宅は劇団のたまり場となり、妻は耐えかねて離婚を切り出すと、寺山は「これからは同志になろう」と。

 昨年は寺山修司没後30年、元妻・九条今日子は ✿ 青森県三沢市の寺山修司記念館など ✿、テラヤマ・ワールド のために協力。若い寺山ファンが次々生まれたのは九条のおかげだ。昨年の大仕事を終え、
寺山の命日の5月4日を目前に亡くなった。 周囲には隠していた病名は 食道静脈瘤破裂 である。

 九条今日子のノートに 「皆さん私は今日でお別れです/そして寺山の待つ世界に行きます(中略) /全ての皆さんと会えて楽しい人生を /送ることができて感謝の気持ちでいっぱいです /ありがとう!又、会える日まで」 と鉛筆の走り書き、「返礼のことば」という題である。

  九条今日子さま  つゆ晴れの空には ✿ テラヤマ・ワールド の入り口が見えますよ。

                                6月最後の日曜日の午後   松井多絵子    


渋谷のデュフィ

2014-06-28 10:01:46 | 歌う

            「渋谷のデュフィ」 六首     松井多絵子

 ♠ ベレー帽被りてBunkamuraへ行くわれを待つのはラウル・デュフィ

 ♠ あの海はマルセイユですか、木陰にてベンチに座る汚れた白の

 ♠ 人体のようなり夕日のなかに立つ女のようなり 「レスタックの木」は

 ♠ なんとなく棟方志功の裸婦に似てデュフィの素描の湯に浸る女

 ♠ うしろより描かれし網を持つ漁夫のするどき眼差し、ふりむく顔の

 ♠ 絵の森の奥には馬に乗るわれをラウル・デュフィが見つめていたり

  

  昨日、わたしは渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで  ✿ デュフィ展 を見ました。金曜の午前中なのにかなり混んでいました。若い女性、あるいは若く見えるオシャレな女性が多かったのは、デュフィがファッションの仕事もしたからでしょうか。彼のデザインの織物も展示されていて、うっとり。館内の柔らかな椅子にときどき座り、デュフィ氏がわたしの傍らにいるような楽しいひとときでした。
 7月27日(日)まで。 7月2日(木)のみ休館  入場料 一般 1500円、学生(1000円~700円)

    今日は6月最後の土曜日、みなさま 楽しい週末をお過ごしください。

                         雨を見ながら、聞きながら   松井多絵子

 

 

  


バスを走らせるミドリムシ

2014-06-27 14:38:46 | 歌う

               「バスを走らせるミドリムシ」

 ◆ むし暑きまひるま我を我のみを降ろして去りゆく冷房のバス  松井多絵子

 ガソリン価格の値上がりが続いている。全国平均で1リットルあたり167・4円。イラク、ウクライナ情勢の混乱が原因で、今後も続きそうだ。こんなとき ミドリムシに含まれる油脂でバスが走れるというニュースは楽しい。藻のミドリムシに含まれる油脂を抽出、精製して、燃料をつくる。2018年までに開発し、実用化をめす
ベンチャー企業のユーグレナといすゞ自動車。この記事を読み 「アリガトウゴザイマス」と私の頭は下がる。  ミドリムシとは葉緑体微生物で、豊富なビタミン、ミネラル、アミノ酸を含み、多くの野菜、植物を上回る豊富な栄養素がふんだんに含まれていそうだ。 ミドリムシ入りのヨーグルトが発売されるらしいとか。化粧品としてミドリムシ配合の  スキンケア―なども。これからの人間の生活を変えるか、ミドリムシは。

 ◆ まだ雪を脱がない山を引き寄せて引き離してゆく高速バスは

 乗り物のなかで私はバスが一番好き。旅行はバスがベスト。でもバスのツアーは以前に比べて少なくなっている。ガソリン代が高くなってきたためらしい。原油はなぜか中東に集中して、日本ではほとんど産出しない。それなのに漁業も農業も原油に頼っている。早く日本で原油に代わるものを作らなければと、私は気をもみながら、原油を使っている。ミドリムシよ、サッカーに負けた日本を元気にしてほしい。

 ◆ 地球のみの虫かもしれぬミドリ虫さがしていたり我の老眼  

         草取りをしながら思いました。この雑草にもミドリムシたちが、、。

                                    6月27日  松井多絵子                  


さい子さんの波

2014-06-26 13:57:36 | 歌う

                 「さい子さんの波」

 先月、梶原さい子さんから 第三歌集 『リアス / 椿』 を頂いた。彼女のことは昨年3月のブログに
「ふしぎなキモノ」を書いた。 「塔」の歌人で、第29回現代短歌評論賞を受賞している。この歌集には、彼女の30代から40代にかけての歌が収められている。読みながら 「波」 の歌の多いことに気付いた。
 432首の作品のなかに約25首。波という言葉は使わず波を暗示する歌もかなり多い。

 ♠ ものすごい音だったよとおとうとはまづ大波がひくことを言う

 「大波」は3・11の津波だ。彼女の実家が津波に襲われた様子を弟から聞く。 「あとがき」 には

 東北の長い長い海岸線。 そこに、津波が来ました。ひとつずつの入り江に、そこに営まれてきたシステムにも、津波が来ました。実家は気仙沼市唐桑町にある神社です。津波が来ました。

 ♠ 庭に散るガラスに映る黒波の 三月十一日の海底に立てり

 ♠ この部屋に波はあふれた 張り替へし床板の上にかかとを下ろす

 ♠ この板の下に彼らのゐることをつくづく知りて誰も語らず

 私は海から離れたところで暮らしている。 「波」は、北斎のあの波、海辺で暮らす人々の波とはまるでイメージが異なるだろう。まして津波に襲われた人々の波とは。

 ♠ まだ波になりきれぬ波があることを思うて立てり昏れきるまでを

 この歌はなぜか私に 山本有三の小説 「波」 を 思い出させる。 逆境の教え子と結婚した教師が妻の不貞を思い疑うという小説だったような、理性は無力なのだろうか。荒波。津波。

      梶原さい子サマ  この夏はじっくり波をながめたいと思っています。

                                   6月26日  松井多絵子 、