えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

「第五回現代短歌賞」の宴

2017-11-30 14:28:28 | 歌う
11月28日、第五回現代短歌社賞の授賞式が山の上ホテルにて開催された。
🌟生田亜々子氏の「戻れない旅」300首が受賞した。

現代短歌社は、歌集をまだ出していない歌人を対象に、その歌集出版を後押しすべく三百首を構成した応募作品を募集している。第六回の応募締め切りは平成30年7月末日である。

第五回 💐生田亜々子「戻れない旅」

⚡また歩き出す一瞬の戸惑いを持って渡って行けそうな虹

⚡ブラインド下げては空の面積を半分にして街を見渡す

⚡住む場所を何度変えても変わらない地図記号なら果樹園が好き

選考委員 沖ななも 「戻れないたび」は安定していて難がなく、流行を追うような感じがないので推薦したい。

外塚喬選考委員 安定した力、何を詠うか が明確である。

雁部貞夫選考委員 今年の候補の多くはまとまりのよい作品。ダイナミックな作品が現れることを願う。

安田純生選考委員 ともあれ今年も幾編もの力作を読むことがてきた。

生田亜々子は1971年生まれ。熊本出身
、別府大文学部史学科卒、2016年中城ふみ子賞佳作、第28回歌壇賞候補

💐 おめでとうございます、次は何賞かしら、楽しみにしております。

第四回佐藤佐太郎短歌賞の宴

2017-11-29 14:23:00 | 歌う
昨夜、「第四回佐藤佐太郎短歌賞」の授賞式と祝賀会に出席した。電飾に華やぐ神田の山の上ホテルへと歩きながら私を短歌に導いたのは佐太郎のような気がした。

💠 あぢさゐの藍のつゆけき花ありぬぬばたまの夜あかねす昼

佐太郎のこの歌はあじさいをさらに愛しい花に、そして私を短歌に導いたような気がする。

「佐太郎賞」は短歌と評論の両面で活躍する歌人のために現代短歌社が平成26年に創設した。選考委員は、秋葉四郎、大島史洋、小島ゆかり、永田和宏

第四回授賞は香川哲三氏 現在「歩道」選者、広島県歌人協会長、1948年生まれ、68年歩道短歌会に入会し佐藤佐太郎に師事。歌集「島韻」「赤雲「淡き光」「佐藤佐太郎全歌集各句索引」

選考委員の言葉

⚡秋葉四郎 佐太郎の作歌を「純粋短歌の世界」として追求し平明に解き明かした佐太郎短歌の金字塔として推薦する。

⚡大島史洋 五百ベ一ジを越す大冊である。佐太郎の短歌その背景に横たわっている生活について実に詳しく調べ、一首一首を丁寧に鑑賞している。

⚡永田和宏 「佐太郎短歌賞」も、第四回に至って、ようやく佐太郎にゆかりの受賞者を得ることになった。一人の敬愛する歌人への思い入れの深さ。何よりもまず、とことん一人の作家にほれ込んでみること。

香川哲夫さま 私からは紫陽花の花束をお贈りしたいのですが、来年の初夏までお待ちくださいますように。

第五回 現代短歌賞「戻れない旅」は明日書く予定です。

朝日俳壇11月27日

2017-11-27 13:49:10 | 歌う
本日の朝日歌壇は☆が8個もあるが俳壇はゼロ、投稿句が短歌よりはるかに多いからではないだろうか。秋から冬に変わる身辺を詠んだ句が新鮮だ。選者4人が最後に採った句を取り上げてみる。

稲畑汀子選

🌟 沖合に光あつまる小春かな
(田中節夫)

「小春」は秋の季語、暖かで春を思わせる、春をこがれる作者、読者も。

金子兜太選

🌟 おっとっとこぼしちゃいけない新走
(宮入つる)

「新走」はその年に収穫した米ですぐ醸造した酒。貴重なお酒!

長谷川櫂選

🌟特選は女ばかりや波郷の忌
(小出功)

俳人の石田波郷は青春句と闘病句を残して50代で世を去った とか。彼を慕う女たちが佳い句を詠むのかしら。

大串章選

🌟絵心と詩心並ぶ冬紅葉
(をがはまなぶ)

未だ枝を去らない紅葉は絵にも詩にもなりやすい、高齢の私はまるで自分のように冬の紅葉に感情移入してしまう。嗚呼!

記憶力改善?ビ一ルの苦み

2017-11-26 14:23:33 | 歌う
♠わたくしが今夜は俺になりたくてビ一ル大瓶さらに1本

半世紀前には私はビ一ルが嫌いだった。苦くて渋い、イヤな飲み物だった。なぜか今は好ましい飲み物である。惣菜を美味しくする不思議な飲み物である。そのビ一ルが認知症を改善させるかも、という1昨日の朝日新聞の記事を信じたくなる。

ビ一ル原料のひとつのボッ」の苦味が認知症の影響で衰えた記憶力を改善させる可能性があることをキリンビ一ルや東大などの研究チ一ムが突きとめた。

この成分を認知症のマウスに1週間与え続けると、記憶をつかさどる海馬の神経細胞が正常な状態に近くなり、記憶力が回復する可能性があるらしい。投与した認知症のマウスは与えていないマウスと比べて9・5倍よい結果が出たそうである。

この記事を喜んでいるのはビ一ルが大好きな夫。ビ一ルを飲んでいれば認知症にはならないと決め込んでしまった。この記事でビ一ルが品不足になるかも、などと言うので2ダ一スも買いだめ、マウスと人間は同じかしら?

「詩歌文学館」の俳人・神野紗希

2017-11-25 14:30:06 | 歌う
先ほど届いたばかりの「詩歌の森」を歩きはじめたら、若い女性に出会った、昨年出産した神野紗希。

⚡産み終えて涼しい切り株の気持ち
紗希

出産を終えての句。辛い妊娠生活が終わった解放感を涼しさに、子を切り離して身二つとなった寂しさを切り株に託した。今の私は少し切り株である、とのこと。

神野紗希が俳句と出会ったのは、高校一年生のとき。俳句甲子園。教科書の俳句がクラシックだとしたら、高校生の俳句は、ロックやポップス。進路選択の悩みや恋愛の鬱屈、青春の今が17音に弾けていた。「私も、自分の今をこの詩型で詠んでみたい」

はじめて手にした正木ゆう子の句集に感動。大木あまり にも、、。そんなある日、紗希は恋を失った。片思いの相手に恋人ができたのだ。学校で幸せそうな二人を見るのが辛く、行き場のないおもいはあふれた。

⚡寂しいと言い私を蔦にせよ

相手が寂しいと言ってくれたら、私は蔦になって相手に絡みつき離さない。あれから十数年、今の夫も決して寂しいとは口にしない、と。

紗希さん、あなたの文を読みながら涙が、鬼の目に涙ですね。