えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

「或るホームレス歌人を探る~その五」

2012-12-10 20:47:27 | 歌う

  ★「或るホームレス歌人を探る~その五」-響きあう投稿歌  松井多絵子

2月2日 高野選

 ● 一日を歩きて暮らすわが身には雨はしたたか無援にも降る  公田耕一

 どのようなところを歩いたか実景描写をしてほしかった。下句は表現が過剰ではないか。「雨はしたたか」で十分だと思う。

2月8日、公田の作品は掲載されていないが馬場が「公田さんを思う歌」を選んでいる。

 ●パンのみみで一日生きるホームレス公田さんを待つ零下となる夜 (加古川市)藤田かのえ

2月16日 高野選

 ●哀しきは寿町といふ地名長者町さへ隣りにはあり  公田耕一

 高野の評に「歩みゆく横浜市内の町名に皮肉を感じたのだろう」とあって、寿町や長者町は横浜市内にあることを知る。公田はいま横浜にいるらしい。

❤ 公田さんに捧げる一首     松井多絵子

長者町ここに住む人みな長者、そんなことない風が冷たい

 ※ 独身で子供もいない公田さんに、また一人フォロアーが。中村テルミさん、藤田かのえさん

そして松井多絵子こそ最初のフォロアーです。 「その六」は面白いですよ。???

 


「或るホームレス歌人を探る~その四」

2012-12-10 15:02:34 | 歌う

      ★ 「或るホームレス歌人を探る~その四」-響きあう投稿歌

 2009年1月19日 佐佐木・高野共選

 ● 日産をリストラになり流れ来たるブラジル人と隣りて眠る  公田耕一

 二人はどこで眠ったのだろう。路上のダンボールの家か、ブルーテントか、駅の構内か。

 1月26日 佐佐木・高野・永田共選

 ●親不孝通りと言へど親もなく親にもなれずただ立ち尽くす  公田耕一

 高野の評では「昔そう呼ばれた通りが横浜にある」こと。永田の評では「親が生きていてこその親不孝だが『親にもなれず』なる四句に万感の思いがある」とあって、この一首から公田はすでに両親を失っていること、子供のいないことがわかる。結句の「ただ立ち尽くす」には彼の孤独がただよう。

1月26日、永田は公田の入選歌の次に「公田さんをおもう歌」も選出している。

 ❤ 屋根があるだけの違いよ公田さん年金生活薄氷の上 (北九州市)中村テルミ

※ (その四)もお読みくださいました忍耐力抜群のみなさまに、北九州からご上京の中村テルミ様をご紹介いたします。玉露のお茶と栗まんじゅうをお持ちしますと部屋から出たまま、現れない松井多絵子  (その五)までお預け?