・・・・ 紅葉の残業 ・・・・
❤ 紅葉と黄葉競い合う道は山へと向かう空へと向かう 松井多絵子
28日朝8時半、新宿を出発し京都へ向かう。新東名高速道路を走るバスの旅。神奈川県に入ると野、そして彼方に山々、黄葉の木々と紅葉の木々がまるで競い合うように車窓に広がる。私は乗り物のなかでバスが一番好きだ。新東名高速道は平日は渋滞せず京都まで5時間半で行ける。何より富士山をじっくり眺めることができる。28日午前中の富士山は雪山、8月に見た富士山とは違う冬山。その雪の富士へと続く山々の紅葉、黄葉は見事だ。
2時過ぎに京都の真如堂に着く。坂道を上り裏口入園。今年産のワインのボトルを開けるような気分になる。文句なしの紅葉、やはり京都だ。いかにも成熟した紅。境内の三重の塔が紅葉を更にうつくしくしている。真如堂は正式には鈴聲山真正極楽寺。まさに極楽だ。
4時半に知恩院駐車場で解散、6時まで自由行動。クラブツーリズムのいつものように。私は与謝野晶子気取りで丸山公園を歩く。6時半から永観堂のライトアップまでここで過ごす、が寒くなってきた。公園内のスナックに入りカフェオレを飲み、たこ焼きを食べる。表面がカリッとしたたこ焼き、カフェオレのおつまみにもなる。500円で10個。オイシカッタ。
6時過ぎ、もう暗闇、永観堂の境内は満員。すでに紅葉は枯れかけているが、ライトを浴び華やいでいる。まずは「みかえり阿弥陀」を拝む。遅れる者を待ってくださる仏さま。
♠ 庭園の池のなかにも紅葉の木々がひろがり水がよろこぶ、
池を眺めているともう一つこの世と同じ世界が地下にあるような気がする。
♠ 「キミたちは残業なのね」古都の古寺ライトアップの紅葉の木々
夜の8時過ぎに永観堂の境内を去るとき私は紅葉に酔っていました。2日前。
11月尽日 松井多絵子