えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

田丸まひる歌集の批評会

2015-05-31 09:19:33 | 歌う

            ✾ 田丸まひる歌集の批評会 ✾

 5月30日、歌集『硝子のボレット』の批評会に参加した。中野サンプラザ、午後1時30分から5時まで。著者・田丸まひる は2011年に未来の会員になり次の年に未来賞受賞。まだ30歳そこそこ。 ピンクの服の似合う女の子である。出席者はいま旬の歌人たちが多く、ミーハー・松井多絵子を楽しませた。パネラーの選んだ田丸作品を2首ずつ記す。

 ♠ 斉藤斉藤

  ① こいびとのひとりひとりを街路樹に縛りつけたら燃えるのですか

  ② 父親になってあげると言いながら背骨にふれるのはやめなさい

 ♠ 山崎聡子 

  ① わたしより重い臓器をつめこんだ男のひとと選ぶ白菜 

  ② しますか。しないですか。今もまだ日暮れのようなわたしの体

 ♠ 平岡直子

  ① 昨日あなたに梳かれた髪にふれたがる子どものためにかがむ花冷え

  ② こいびとを三人くらい捨てた頃セブンイレブン四国進出

 ♠ 吉田恭大

  ① 窓開けてしよう向こうの国道のトラックにまで見せたい裸体

  ② 長旅を終えた顔してわたしから抜けだしていく人だあなたも

 ★ 荻原祐幸 (司会)  

  ① 人魚ならこんなに足を開かずにすべてを受け入れられたのでしょう

  ② そんな軽いかばんひとつで会いに来てわたしを入れますか入れませんか

 荻原裕幸、東直子、梅内美華子、加藤治郎 はこの会の発起人であり、歌壇のリーダーにふさわしい発言をしていたが、割愛する。

 『硝子のボレット』は2014年9月に刊行、昨年・9月23日の私のブログ・えくぼ に「田丸まひる医師も恋の患者になることもあるのですね」などと書いている。blog.goo.ne.jp/matui04/ 2014、9月23日  、検索は、 田丸まひる 松井多絵子 

   昨夜は二次会に出て、帰宅してすぐに地震、震源は田丸まひる、かしら。

                          5月尽日 松井絶子 いいえ、大丈夫ですよ。 


さらに咲く小島ゆかり

2015-05-29 09:10:53 | 歌う

              ✿ さらに咲く小島ゆかり ✿

 ◓ さらに咲くさらに咲きたい鉢植えのベゴニアの紅にわれは疲れる  松井多絵子

 先日、ある会で若い女の子たちが 「小島なおのママは小島ゆかりって有名な歌人だってさ」 などと話していた。こういう話は私をますます老人にする。小島ゆかり という花は早く満開になってしまったのではないか。15年位前に、若山牧水賞、その後に釈迢空賞も受賞している。さらに五月には第26回斉藤茂吉短歌文学賞を小島ゆかり氏が受賞。

 受賞の歌集名は『泥と青葉』 彼女の第12歌集だろうか。<泥>はマイナスのイメージで若葉はプラスのイメージだ、光と陰。メリハリの利いた歌集名。今までの歌集名は『ヘブライ歴』、『獅子座流星群』、『希望』、『憂春』、『純白光』など近年は抒情的になっているのに、。
きれいに咲いている花に泥をまぶすようなことが出来るのは、大歌人としての地位が安定しているからだろう。「冒険」ができるのだ。いや、冒険しなければさほど脚光を浴びない。でも冒険してもほとんど脚光浴びない私との差をおもう。5月は去ろうとしている。

        短歌情報  ✿ 河野裕子短歌賞   第4回・家族を歌う

 8月19日(水) 必着   ※<青春の歌>は9月11日(金)必着 

 応募部門 <家族の歌>  <恋の歌><愛の歌> 育児や子供を詠んだ作品に賞を。

        <青春の歌>  中高生の短歌を募集、 テーマは自由

 選者は 池田理代子、俵万智 永田和宏 東直子(青春の歌担当)

♦ 投稿料 1首1050円、2首から受付。

 ※ <青春の歌>  中高生は無料、1人2首まで。

          発表・表彰式  平成27年10月  

             ※     ※    ※     ※   5月29日  松井多絵子 


「それから」を読む ⑥

2015-05-27 09:11:16 | 歌う

              ~ 「それから」を読む ⑥ ~

 ♠ 白壁に強風はたはた折れ曲がりわたしにだって言い分がある  松井多絵子

 先週末の「それから」は代助が兄の家を訪ねる様子が書かれている。~門を入ると、ピヤノの音。砂利の上に立ち止まる。勝手口へ廻る。そこには英国産の大きな犬。入り口に書生部屋。ここま読めば、代助の兄は上流階級の男だとわかる。代助が西洋間の戸を明けると嫂・梅子がピヤノを、そばには姪の縫子。嫂に勧められるままに代助はピヤノを弾く。譜面を見ながら綺麗な指をしばらく動かす。代助はいかにも貴族だ、その貴公子が嫂の機嫌を取りながら金を借りようとする。

 「代さん、あなたは不断から私を馬鹿にして御出なさる。兄さんも御父さんも馬鹿にしてなさる。そんな偉い貴方が、なぜ私なんぞから、お金を借りる必要があるの」 この嫂の言葉は現代でも使われているのでは、、。。ブランドずくめの社長夫人が、少し蓄えがある程度の女に借金ではなく高額商品を買わせる。画廊へ誘ったり毛皮、宝石店へ誘う。そして買わせる。その何割かが社長夫人の懐に入る。返済しないですむ借金ではないか。

 婦人公論・6月号特集は、「イヤと言えないときの上手な断り方」 新聞広告で見ただけで
まだ読んでいないが、友人、ご近所、親戚など、断りにくい相手からのお誘いに悩まされている人々はワンサといる。まさに 「人間関係は金の関係」 である。現代は、特に女はいくらでもお金が欲しい。ブランドの服飾、グルメ。海外旅行、自分史などの自費出版、、。

 働かず親のスネを齧っている代助が友人の妻から借金を申し込まれ、金策を嫂に頼むのだから呆れる。しかし嫂は賢い。「あなたは偉いかもしれない。でも困っている友達にお金を貸して助けてあげることができない。いくら偉くても無能な人と同じよ」と言い放つ。兄嫁は豊かだが納得できないことには決してお金を出さない。自分の言い分をはっきり言う。

 第40回の今日の 「それから」 は嫂・梅子が代助に縁談を勧める。「いい加減なところで決めてしまったらどうです」と。しかし代助は結婚したくない。なぜだろうか。

                                   5月27日   松井多絵子
                                       


 

 


スローライフを楽しむ

2015-05-26 08:56:39 | 歌う

          ・・・ スローライフを楽しむ ・・・

 ♠ ひとりではリズムにならぬ黒猫の歩幅にあわせて歩いて行こう  松井多絵子

 「スタイルアサヒ」というPR誌の6月号特集は 「スローライフを楽しむ」 コピーライターの野口智子が毎日の生活に「スローライフ」を取り入れることを提案している。野口は 「ゆとり研究所」 を開設。2001年からスローライフ運動を展開している。「日々の暮らしの歩調を少し緩めて心豊かに暮らそう」と。私たち日本人は、高度成長期に「早く、強く、大きく、画一的なものを求め走ってきた。物質的な豊かさとは別の 「もう一つの物差しを持つ暮らし」 を野口智子は勧めている。

     今日からできること

  「人や土地への思いをはせる」 伝統工芸品のブローチ、織物や草木染めのストールなど時間をかけて作られたスローな物を着たり、身につけたりする。

  「地域の楽しさに触れる」 地方の商店街や産物、伝統文化、行事などに目を向ける。地域ならではの味を守る店、祭り、イベントなどに参加する。

     スローライフのために避けること

① 「忙しい」といわない。「忙」の字は「心を亡くす。「忙しがる」ことはやめる。

② 「早く、早く」と言わない。自分で自分のペースが作れなくなる。

③ 「電車でケータイを見ない」 必要のないときもケータイを見て車窓の景色を見逃す。

④ 「ゴミが出るものは買わない」 簡易包装をこころがける。

 まだまだ色々書かれているが 「生身の人間を実感する」はいい提案だと思う。

 「週に1回でも月に1回でも、たくさん汗をかく機会を持ちましょう。爽快感が得られるだけでなく「生身の人間としての自分」を実感できます。

   私はまだ生きている。しかも元気だ。とおもえば他者に優しくなれますね。

                           5月26日  松井多絵子


可愛い世の中

2015-05-25 09:11:53 | 歌う

             ・・・ 可愛い世の中 ・・・

 いつからか本の題名が長い。新聞の広告の本の題名が長すぎて私は憶えられないものが多い。昨日の朝刊 「可愛い世の中」 は短がくて新鮮だ。しかし私には 「ウルサイ世の中」だが、著者・山崎ナオコーラ には世の中が可愛い」なんて。何が可愛いのだろうか。

 ~お金を出すことで社会と関わっていきたい。豆子32歳。もちろん、自分の結婚式は、自分でお金を払いたい。そして、外食、コンサート、義援金、、。金銭感覚の冒険。~

 ヒロインの名が豆子とは可愛らしい。珍しい名前だ、著者の名前も面白い。いっそ山崎コカコーラ にしたらよかったか。いや、彼女の本名は山崎直子。平凡な名だ。ナオコーラとは気が利いた筆名である。2004年から芥川賞候補になり、2年後は野間新人賞候補、三島由紀夫賞の候補にもなるが、受賞はしていないようだ。でも村上春樹だって芥川賞を取らないまま、世界の村上になったではないか。山崎ナオコーラが米国で小説を出版したら、彼女はハーフと思われるかもしれない。

 5月20日のツイッターで、山崎ナオコーラは『可愛い世の中』 講談社が発表されました。前作より辛めの小説で好き嫌いが分かれそうですがきっと、こういう小説を求めている方がいらっしゃると思います。お金のことや、性別のことについて、主人公が考えていきます。私はこれから先、一生、服はワンピースしか買わないことにする。

 でもねえ、ナオコーラさん。ワンピースは不経済ですよ。私はツーピース、またはブラウスとスカートの組み合わせで何時も服を変えるようにしています。私の顔に飽きている方へのサービスのつもりですが。だれも私の服など見ていないかも。ナオコーラさんはまだ30代、いろいろな服装で変身なさったら、思いがけない小説がアナタから生まれて 芥川賞だの直木賞など、、。古いワンピースに新しいストールはいかがですか。

          お節介ですね。松井多絵子は。  5月25日