~ 「猿橋賞」の佐藤たまき ~
▲ 恐竜の屈む姿をおもわせる花の終わりし三春の桜 松井多絵子
恐竜と同時代の海にすんでいた大型爬虫類の首長竜、その化石をひとつじっくりスケッチし、特徴を細かく分析、記録する。そんな研究に取り組んできた佐藤たまき(44)が今年の「猿橋賞」を受賞する。女性科学者に贈られるこの賞を受賞する佐藤は東京学芸大准教授。幼いころ、図鑑の中で恐竜が一番のお気に入りで、恐竜人形で遊んだそうである。遊びが研究に発展し、評価されるとは、幸せな女性だ。「歴史を背負った化石に学術的価値を示すのは、研究者冥利に尽きる」と佐藤たまき。本日朝日朝刊 「ひと」 の彼女の写真は眼も笑っている。
恐竜を学ぼうと進んだ大学の研究室に首長竜の化石があり、恐竜に比べてわかっていないことが多いと知った。特徴を記すことからはじめると、それが面白くなった。カナダの大学院で博士論文を書き終えた2002年末、多くの首長竜を見てきた経験を買われ、その研究チームから声がかかった。新種の決め手は、目と鼻の位置の特徴。発見から38年ぶりの成果だった。
佐藤たまきは「猿橋賞」が欲しくて首長竜を研究したのではないだろう。幼い頃の恐竜人形から恐竜に興味を持ち、海にすんでいたらしい首長竜を、、。幻の大型爬虫類・首長竜を追い続けたのだ。夢のような話だ。これこそ研究なのだ。私たちの周りにはまだ調べることが沢山あるのではないか。この連休は歩きまわってみよう。私が歩けば化石に躓く。そして?。
首長竜はこんなだったか、港には大型客船停泊している
4月30日 松井多絵子