えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

ある心臓外科医

2014-02-28 09:49:27 | 歌う

            「ある心臓外科医」

❤レジ袋両手にさげて夕ぐれの坂道上がる、心臓が重い  松井多絵子

 2012年に天皇陛下の心臓バイパス手術の担当に抜擢された天野篤さんが昨日朝日夕刊で大きく取り上げられていた。「手術は頭を使わない」という見出し。左手をひらき右手にメスを持った白髪まじりの心臓外科医・天野篤さんの文庫本サイズの写真。58歳にしては老けている。手がけた手術は6500例、今も年に500例以上執刀、成功率は98%だそうだ。

 天野篤さんの手は太く厚い。右手の指が左手より少し大きいのはパチンコが原因らしい。
学生時代はパチンコとマージャンに熱中した。指先の感覚や手術に必要な感性はこのときに磨かれたとは。マージャンで頭脳と頭脳が戦う勝負の世界観を学んだそうである。
 心臓に持病を抱える父を治したくて、心臓外科医を目指した。研修医を経て千葉県の病院に就職。父の手術にも立ち会ったが、救えなかった。悔しさがバネに。新東京病院に務めていたときオフポンプ手術と出会う。心臓を止めず冠動脈をバイパスでつなぎ患者の負担を減らす。

 2002年に順天堂大教授に就任。付属病院の心臓手術の数を全国トップレベルに押し上げた。左手で爪を切り、思い通りに動かす訓練を怠らない。私の好きなタイプの野太い人。

 今月、天野さんは★著書『熱く生きる』を刊行。帯のコピーは「偏差値50からの闘う人生
哲学」。目次には「仕事に飽きるのは中途半端に妥協しているからだ」 この言葉に私の心臓はドカンと打たれました。天野篤先生の心音が伝わる言葉ですね。

☀ 予報では雨でしたが晴れて温かな2月最後の日、)^o^( 松井多絵子

 

 


女子ナナロク世代

2014-02-26 21:03:27 | 歌う

             「女子ナナロク世代」

 ★つり革につかまり重きカバン持つわたしの腕はわたしの履歴  松井多絵子

 2月3日、「AERA」「東洋経済オンライン」が強力タッグを組み、管理職を目指す”女子ナナロク世代”に向けたイベントを開催。「女子ナナロク世代」は1976年以降に生まれ、男女差なく総合職として活躍している。この日に行われたシンポジュウムで林真理子さんの講演。

       講演 作家・林真理子 「30代女子への野心のすすめ」

 阿部政権が女性の活躍推進に力を入れている。女性を応援しようという空気がある今、それを活用しない手はない。男社会だから女性の活躍は無理などと、30年前と同じようなことを言っていてはいけない。最近はガツガツしたくないという女性も多いけれど努力する人だけが見える景色や出会える人がいる。自分を励ませるのは自分しかいない。人生欲張って、仕事、結婚、出産などフルコースを味わい尽くしてほしい。

 私はこの講演を聴いたのではなく昨日の朝刊で読みました。林真理子さんの熱気が伝わってきます。自分を励ませるのはたしかに自分だけですね。30代は女が満開になる時期。その大切な時期を私はふわふわ過ごしてしまって。残念でたまりません。

~ 女だって 金、地位、名誉がほしいのだ。~ これは林真理子語録のひとつ。30代ですべて手に入れることのできる人は稀でしょう。「50代でいいわ」、などと云っていたら?

 ❤うしろから背中を押してくれないか午後の光の無数の腕よ

             2月26日   松井多絵子 


第二ホームレス歌人

2014-02-24 22:03:33 | 歌う

          「第二ホームレス歌人」

 昨年12月から朝日歌壇にまたホームレス歌人が現れた。私が4年前に追いかけた初代ホームレス歌人・公田耕一がはじめて朝日歌壇に現れたのはやはり12月。なんだか二番煎じ。
でも今日の宇堂健吉さんの歌はいいですね。

☆☆☆途方もなく空ひろかりきリュック背負ひホームレスの道踏み出ししとき
                               (ホームレス) 宇堂 健吉

※ 旅をしているとき私は「空ってなんて広いんだろう」って思うことがよくあります。空はいつもと変わりないのに。家にいて洗濯物をベランダに干すときに見る空と旅先で見る空は違う。私の気分が違うからでしょう。解放感でしょうか。ホームレスは旅人。わたしがホームレスに関心があるのは放浪癖のせいかもしれません。短歌を詠めば詠むほど旅をしたくなる。詩歌はさまようこと、あてどなく彷徨うことに思えます。もうじき春、空はやさしくなりますよ。宇堂さん。

 宇堂健吉さんの歌を選ばれたのは高野公彦・馬場あき子・佐佐木幸綱の三人の選者。
佐佐木選者は第一席に選出。「評」は「思い出の中の空の広さは、寄る辺のない孤独と自由の象徴だろうか」  宇堂さんの次の作品を楽しみにしています。

                 2月24日 松井多絵子


精神科医のつぶやき

2014-02-23 20:37:02 | 歌う

           「精神科医のつぶやき」

 2月21日、北冬舎から私に歌集が送られてきました。菊野恒明第三歌集『望郷の医局』。
著者は「未来」に所属し、誌上でお目にかかっていますがお会いしたことがありません。歌集にはご住所が記されていませんので、ブログでごあいさつすることにしました。

 菊野先生 ご歌集ありがとうがざいます。2月20日に誕生したばかりの歌集をいま拝読しております。「いいなあ」と思う作品がたくさんありますので、まだ読み始めですが書きます。

✿秋田市の市民市場に東京都産小松菜を買い求めたり
✿これは夢はたまた現つかたわらに妻ではあらぬ女が眠る

※ 精神科の先生も普通の方なのだと、この2首を読み安心しました。

✿妻は今朝東京へ発つ血便のわれに下りしを知らされぬまま
✿しばらくの大腸内視鏡検査までの猶予を酒にひたらむ
✿いまわれは壁に真向い座りおり鶏卵大のしこりに触れて

※ 24頁の先生の大腸癌を思わせる歌。医師自身の癌への怖れ、動揺。具体的ですね。

✿八時から五時まで人の目に触れるところで仕事をせよと院長
✿明日から月火水と休みますおっとりと医者が患者に告げる

※医師が病院を批判する、大胆で、説得力があって。ただの主婦の私は負けちゃいます。  菊野先生は1948年生まれで私よりかなりお若い。でも作品を読んでますと年上の方に思えます。いまのところ私は精神科には縁がなく、歌人の先生にお会いしたいです。

                          2月23日  松井多絵子


サルも花粉症に

2014-02-22 14:37:36 | 歌う

           「サルも花粉症に」

❤わが投げしキウイを捕手のごと掴むサルよ今のはストライクだね  松井多絵子

 花粉症の時期になりました。鼻みず、くしゃみ、目のかゆみなどに悩まされる方が多いことでしょう。私も3月になりますと花粉症というほどではないですが、目も鼻も機嫌が悪くなります。折角春が始まるときに、杉のイヤガラセ。私は杉を讃える歌をいくつも作っているのに。

 人間にかなり似ているサルも花粉症になるそうです。広島県の宮島で、スギ花粉症を発生している野生のニホンザルが1986年に見つかり、その後、兵庫県の淡路島で野生のニホンザル272頭を詳しく調べたら、21頭が発症。全体の8%です。症状はヒトとそっくりで、鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどに苦しんでいたとか。動物園のサルにも似た症状が見つかったとか。

 サルもヒトが花粉症になるのと同じ仕組みです。サルにもヒトにも、外からやってくる細菌やウイルスなどの「敵」から自分の体を守る免疫があり、その免疫が働き過ぎるのが原因とか。花粉を吸い込むと、花粉を敵として覚えておいて、次に出合ったときに間違えずに捕まえる「抗体」というものが、鼻の粘膜などでつくられます。この抗体は、粘膜にある「肥満細胞」という細胞とくっついて、次の戦いに備えるのです。再びやってきた花粉を抗体がキャッチすると、その信号が肥満細胞に伝わり「炎症を起こす物質」が出されくしゃみなどになる。もとは体を守る働きのはずが、炎症物質が出過ぎると鼻水や涙が止まらなくなるのです。

❤こんなときサルがにっこり笑ったらキウィ1個をまた投げるのに

                     2月22日  松井多絵子