えくぼ

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「或るホームレス歌人を探る~その十五」

2012-12-18 20:38:25 | 歌う

    ★ 「或るホームレス歌人を探る~その十五」-響きあう投稿歌  松井多絵子

2009年7月27日 永田選

● 福島の桃に花咲きまろき実を結ぶ半年われにも半年  公田耕一

朝日歌壇に度々入選している美原凍子が夕張市から福島市へ転居した。住み慣れた土地を去らなければならない美原に公田は自身を重ね、この半年を思う。「まろき実を結ぶ半年われにも半年」のリフレインが叙情的だ。永田の評は「投稿開始後の半年を、美原凍子さんがしばしば歌う桃の消息に重ね振り返るか」

8月3日 佐佐木・高野選

● 野毛山を下れば汗の吹き出してドン・キホーテへ涼みに入る  公田耕一

 八月の街を歩いていると涼みたくなる。私もドン・キホーテなどへ入る。公田と同じことをしているのだ。高野によれば、野毛山は横浜の日ノ出町のそばにあるらしい。この日の歌壇欄で高野は「公田氏の生き方から励ましを感じる人の歌である」として次の歌も採っている。

❤ 生きていれば詠める ペンあれば書けることを教えてくれるホームレス公田氏  

                                  (飯塚市) 甲斐みどり

8月16日 馬場・高野選

● マクドナルドの無料コーヒー飲みながら方代さんの伝記読み継ぐ  公田耕一

 高野の評に「読んでいるのは田澤拓也著『無用の達人 山崎方代』か」とある。公田さんは山崎方代のような人か、いや違う。方代さんは自身を面白がる歌を度々詠んだ。

※ 次の「その十六」は公田さんから目が離せなくなります。いよいよ佳境へ。松井多絵子