えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

新宿に縄文人が?

2013-01-31 13:43:14 | 歌う

             HONN 「新宿に縄文人が?」 TOU?

                今朝の新聞を見て    

 「新宿の住宅街に縄文の人骨11体」に驚かされる。1月尽日の朝7時40分。

東京都新宿区の住宅街で縄文時代の複数の人骨と土器、竪穴住居の跡が見つかった。関東平野で、貝塚以外から縄文時代の人骨が見つかるのは初めてという。
 新宿区が30日に発表した。発掘現場は防衛省近くの「市ヶ谷加賀町2丁目遺跡」住宅工事に伴って昨年10月に調査を始め、11月に人の足の骨を発見。その後、人骨計11体と縄文土器30点、竪穴住居跡25点も見つかった。人骨のうち8体は体全体を伸ばす伸展葬、1体が屈葬だったという。放射性炭素年代測定や埋葬の仕方から、約4000年前の縄文時代中~後期のものとみられる。人骨は国立博物館で修復作業を行い、当時の食生活などを調べる。      

         ★★ 「縄文のうた八首」 ★★   松井多絵子

メモ帳もカメラも持たずただ歩く縄文人も歩いたかこの丘

復元の縄文住居に入りしとき「わが家とおなじ広さ」という声

息が詰まると言いつつ復元の家を出る二十五階に暮らしている寡婦

今ならば肥満を嘆くであろうこの棚畑遺跡の土偶ビーナス

もしかしてピカソの作かというような仮面の女神、考古館の

縄をもて自ら命を断ちし人いたであろうか縄文時代

出土品「縄文ポシェット」引き寄せてシステム手帳を入れたくなりぬ

よき時代だったらしいと思わせる鴨肉入りの「縄文弁当」


本の広告あれこれ⑦ 男、男、男

2013-01-30 13:20:29 | 歌う

          HONN「本の広告あれこれ⑦ 男、男、男」 HONN

 朝食をすませて、さて珈琲を

★みちのくの、まきばの牛の乳を入れやさしくなった珈琲を飲む  松井多絵子

 熱いコーヒーを少し飲み、朝刊をひらく。なぜか気になるのが本の広告である。一面の下にならぶ広告の三つが男、男、男、どれも出版社が異なる。

▲<男のスイーツ塾> このごろ女の顔をした男をよく見かける。こういう男は、酒よりもケーキが好きかもしれない。この本は男のための菓子作りのテキスト。パンケーキ、シュークリーム、プリンなどなど。ケーキ作りが男をやさしくさせるなら、<男のスイーツ塾>よベストセラーになれ!

▲<ジキルとハイドな2台持ちの男たち> 多くの男たちは、淑女も悪女も好きではないか。しかしどちらの女も飽きるし疲れるであろう。一人になりたくなる。となりの広告は「男の隠れ家」

▲<男の隠れ家>温泉街に籠れ。秘湯を巡れ。タイプ別「秘密の湯宿」のおすすめ。独りで温泉へ行くのに、なぜ人目をはばかるのか。流行作家のおしのびの気分になりたいからか。おすすめの「肘折温泉」に泊まり、小説を書くふりをして、パンケーキの作り方を、ババロアの作り方を書く。
たぶん、女みたいな顔の細身の男、その彼女は10日も彼から電話がなくても平気な男っぽい女

 こんな想像をしていたら、珈琲は冷めてしまった。やさしくない珈琲を飲む朝八時すぎ。


「或るホームレス歌人を探る~その二十一」

2013-01-29 14:54:52 | 歌う

           「或るホームレス歌人を探る~その二十一」 松井多絵子

              ★★ 公田耕一への提言

 二00九年「短歌研究」十二月刊行の「2010短歌年鑑」に「今年の世相をあらわす一首」という特集があった。この年の歌人アンケートに寄せられた千有余の歌を中心に、その現象を分類している。一位が石川啄木、二位は斉藤史、そして三位には公田耕一が選ばれ、次の二首が掲載されている。

  日産をリストラになり流れ来たるブラジル人と隣りて眠る

「世界不況による倒産、リストラなどの不安がホームレスの実感として把握されている」とこの作品を推した七十代男性の言葉が添えられている。

  パンのみで生きるにあらず配給のパンのみみにて一日生きる

 「これこそまさに今の日本です。貧しいものをふやした政治におこります」とこの作品を推した七十代女性のコメントがあり、同感だ。(つづく)

 ※久しぶりに<或るホーム>を書きました。評論は書くのも読むのもシンドイとつい避けていましたが、昨日「短歌研究」で評論を読みそこなったので、ブログで読んでいます。書くのはやめたのですかとの、お問い合わせが一名の方からありました。うれしいです。もちろん続けます。よろしくお願いいたします。寒さに負けず老いにも負けぬ松井多絵子。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


朝日歌壇あれこれ⑪1月28日

2013-01-28 13:44:55 | 歌う

              ASAHI 「朝日歌壇あれこれ⑪」 KADANN

 1月28日の朝日歌壇は☆が八個もある。新年の歌は見当たらない。やはり年末の投稿が少なかったから、☆の確立が高くなったのではないか。松田梨子の入選歌(馬場あき子選)に     ※ 大晦日そうじしたての部屋で読む芥川龍之介の「「蜜柑」 があるが梨子は中学生だから、本を読んでいらるのだ。ママが忙しいときに、手伝わなくても投稿する、そして入選。親孝行ですね。

<永田選 高野選>

☆ からす座をはばたかせつつ一点の人工衛星きたりすぎゆく  (神戸市) 有馬純子

<馬場選 佐佐木選>

☆ 冷えつのり青木も万年青(おもと)も南天も実を食われたりひもじき鳥 (八王子)青木一秋

<永田選 高野選>

☆ サファイアの指輪を埋めたような眼で石首魚(いしもち)が見る包丁の下 (横浜)中川節子

<馬場選 高野選>

☆ こんな夜はおでんやおじやが旨かろな雨に濡れつつ獄庭を歩けば (アメリカ)郷隼人

※こんな夜とは雨が降っている夜である。獄庭を歩く作者。私たちの知らない世界で、郷隼人はおでんやおじやの味を恋う。ひどく淋しい一首である。   松井多絵子


屋久島をおもう歌

2013-01-27 20:14:07 | 歌う

          ★★ 「屋久島をおもう歌」★★

 今日の午後、テレビが私を屋久島へ連れていってくれた。3年前に訪れたあの島。今にも走りだしそうなカジュマルの木々、まっすぐに空へ向かう杉たち、外国のような、日本のような不思議な島だった、たくさんの杉たちに会った。いにしえの人々に逢ったような旅、二泊三日の。

。          SUGI 「杉たち」TATI    松井多絵子

ひと月に三十五日は雨の降る屋久島にきて三日目も晴れ

どの幹も傾きながら伸びているカジュマルに追われ樹林をぬける

心のきれいな人しか映さぬ川らしい水面の顔はわたくしですね

山頂をめざしてのぼる亀ですとガイドがいえば亀にもなる岩

まっすぐに伸びる杉たち空ばかり見上げていたら疲れてしまう

うかつにも落ちて消されし人のこと聞きしとき虹が滝つぼを跨ぐ

二本の幹が合体している杉の木がけもののごとく迫りてきたり

これが木とはおもえぬ仏陀杉があり我のゆくてを塞ぐがにあり

歩けども歩けども会えぬ弥生杉わたしに会いたくないなら会わない

テゲテゲデヨカトダヨとはいい加減でいいとう意味らし屋久島言葉

たちまちに屋久島を失う高速のジェットホイルは飛び魚も消す

屋久島の杉たちはみな岩のごと写真のなかに黒々とあり

勾配の急なる坂に立つビルを見上げておもう縄文杉を

            ※以上は歌集『厚着の王さま』より