・・・ 転んでも3位の真央 ・・・
♦ 転んでもいいではないか浅田真央、わたしは転ぶわけにはゆかぬ 松井多絵子
昨夜はフィギュア―スケート全日本選手権女子フリー。私は早めに夕食をすませ、後片づけはすっぽかしてテレビを見続けていた。ショートで5位の浅田真央がもし転んだら、今後彼女は立ち直れないのではないか。転んでもいいではないか、なんてトンデモナイ。しかし、。
真央は昨夜のフリーで最初の三回転半のジャンプに失敗した。宮原知子の大成功の後だ。これじゃダメだとがっかりした。しかしその後は見事だった。朝刊で 「しっかり回って失敗したので、悔いはないなと思った。演技ははじまったばかり。諦めるには早すぎる」。浅田の心は切れなかったのだ。失意のショートからフリーは2位に挽回し、総合3位で表彰台に立った。久しぶりの笑顔。わたしも笑顔になり、缶チュウハイで乾杯。そしてパソコンを開く。
ツィッターには「やったね真央ちゃん」の投稿が多い。それらに私は「いいね」の♥マークを。「ババが泣いている」などほとんどが女性の喜びの声である。若く、美しく、才能のある女は、女たちから妬まれがちだが、真央は女性に支持されている。私の仲間の老女たちは真央をまるで自分の孫のように愛しんでいる。彼女のフィギュア―はバレエの白鳥を思わせる。ときどき菩薩のように見える。優しさもさることながら、ひたむきにガンバル逞しさが私たちを捉えるのではないか。くれぐれも男には気をつけてくださいね。
スポーツの選手は結果に明け暮れている、観衆の前での結果、一瞬で決まる場合が多い。今日の☀朝刊スポーツ面で「底力 浅田3位」の見出し。菫色の衣装をまとった真央が手も脚も大きくひらいた鳥のような写真。でも4位だったらこの写真は載らず、見出しも「失意の真央」かもしれない。「まあ、一歩一歩ですね」と浅田真央のコメント。頷くわたくし。
♦ 頂上に立つこと叶わぬ我はいまケーキの山を崩していたり
12月28日 松井多絵子 、