えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

今年もよろしく

2015-12-31 23:12:53 | 歌う

              ・・・ 今年もよろしく ・・・

     新年おめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。 

 

                   年のはじめの歌 七首   松井多絵子

         まだ生きていたのか我は、目ざめれば新しき年の朝がひろがる

         あの初夏のあの北国の海の辺の匂いのただよう昆布巻きを食む   

         あたらしき電子辞書にて指先は「昔男」を画面に呼びだす

         あのひとがわたしを嬉々と歩かせる再生林になってくれたら

         土色のロングブーツを穿きわれは馬になりたる心地ぞしたる

         信号が赤より青になりしときカラスが不意に迫りてきたり

         打たれても打たれても出る杭となれパソコンひらく1月1日

                  

                  元旦   まだ生きている松井多絵子     


正月は水族館へ

2015-12-31 09:10:17 | 歌う

               正月は水族館へ

 正月は海外で過ごす人たちが例年より多いらしい。日本にいて昔の日本の気分に浸ってみたいひとは「七福神めぐ」もいいではないか。▼水族館の七福神めぐり 11日まで東京の豊島区サンシャイン水族館で、生き物を七福神に見立てたスタンプらリー。タイを持った商売繁盛の▴恵比寿さまは「ヱビスダイ」 宝棒を持つ▴毘沙門天は「ホウボウ」 「白いひげをたくわえた▴寿老人は「シラヒゲウニ」 名前や特徴が七福神と似ている生き物を回る。1月11日まで。スタンプを七つ集めると、3日までは先着100名に、4日以降は先着順で、計2016人に七福神ストラップが贈られる。 

               魚の館     松井多絵子

       歳末の魚の館の客人のわれは魚族にとりかこまれて

       とらふぐが胸のあたりに来ていたり、心のなかは覗かないでね

       シビレエイに睨まれている電流を放つ魚らし自家発電の

       総身の棘を光らハリセンボン体まるごと怒りていたり

       いちまいのガラスを通しその胸にふれいし手より去りゆくメバル

       水槽がもし割れたなら非常口どこにあるのか魚のための

 

              来年は魚にも佳い年になりますように

                         12月30日  松井多絵子、


女性設計士が未来賞を

2015-12-30 09:02:16 | 歌う

              ・・・ 女性設計士が未来賞を ・・・

 未来新年号に2015年未来賞が発表された。応募者は68名。1年前から短歌をはじめた栗生えり が選ばれた。 選考委員は岡井隆や選者などの9名。無記名により選出された。栗生えり は笹公人に師事している。モナリザのような顔写真。入会して間もない会員であり私は会ったことがない。検索で88年生まれ、1級建築士であることを知る。受賞作30首から私の好きな歌を。

                  栗生えり 「夏の設計士」 より七首  

         金尺をぴしゃりと当てる音ひびき朝のアトリエは駆動しはじめる

         人はみな音速で声を発しおりわかり合うことのはてしなき遅さ

         ひと月に二層ずつ高くなるビルの影迫り来る夏至の公園

         さざなみよ鉋のごとき浜辺にて一枚一枚めくれゆく海

         水面という面がありその面に厚みを与え水を描くよ

         入力を誤りて部屋へ放たれる直径十六メートルの椅子                       

         猛暑日のダウンジャケット押入れのいちばん底で冬を待ちおり

 ✿ 受賞のことば

 2016年1月、短歌を学び始めて丁度一年が経ちます。普段は建築設計事務所にて、美術館等を設計して暮しています。かたちでは届かないところへの回路を失わないように、空間をつくることに溺れないようにと詩歌を学んでいます。以下略。

 栗生えり は短歌をはじめたばかりなのに、基本を心得ているように思える。自身の周囲を観察し、小さな発見を大切にしている。建築設計という創造の仕事と詩歌がこれからも共存共栄するだろう。バラの木にバラの花が咲くように。私は期待している。

                    12月30日  松井多絵子          


わたくしを大掃除

2015-12-29 08:53:00 | 歌う

             ・・・ わたくしを大掃除 ・・・

 ♦ 今日こそは我の大掃除をと気負えども、あゝ不可思議な肉の固まり  松井多絵子

 東京スカイツリーは昨日、大掃除をしたそうだ。今年最後の窓ガラス清掃と、正月の飾り付け、高さ350mでは、地上の景色が見える人気スポットの「ガラスの床」の清掃が初めて公開された。作業員は上下2層構造の間に入り、空に浮いているような中、窓枠に足を置きながら拭いていった。高さ450mの展望回廊では、ゴンドラに乗った作業員が東京湾や高層ビルを背にガラスを拭いた。この記事を読みながら私はふるえていた。

 12月28日は大掃除の日だそうだが、私は風邪気味なので止めた。家よりも私こそ大掃除しなければ、と思う。朝刊・本の広告に ✿「腸のお掃除のやり方」~病気がどんどんよくなる~
著者は医学博士 吉村尚美 ナショナル出版 定価1296円(税込)

 がんや糖尿病などの難病も、便秘やシミ、しわなどの老化も、腸をキレイにするだけでみるみる改善していきます。逆に腸の汚れ放つておいたら治る病気も治りません。という広告。
~病気がどんどんよくなる~ まるで魔術の書、見えない自分自身の体と付き合いながら生きている私たち、冬になると体のあちらこちらが不調になりがちだ。見えない内臓を抱えて動きまわるのだ。マスコミの情報に振り回される私たちを腸も心臓も脳も迷惑してるかもしれない。

       ♦ 心とはこんな形かピーマンを手に取り握れば潰れてしまう 

                   12月29日  松井多絵子


転んでも3位の真央

2015-12-28 09:42:28 | 歌う

             ・・・ 転んでも3位の真央 ・・・

 ♦ 転んでもいいではないか浅田真央、わたしは転ぶわけにはゆかぬ  松井多絵子

 昨夜はフィギュア―スケート全日本選手権女子フリー。私は早めに夕食をすませ、後片づけはすっぽかしてテレビを見続けていた。ショートで5位の浅田真央がもし転んだら、今後彼女は立ち直れないのではないか。転んでもいいではないか、なんてトンデモナイ。しかし、。

 真央は昨夜のフリーで最初の三回転半のジャンプに失敗した。宮原知子の大成功の後だ。これじゃダメだとがっかりした。しかしその後は見事だった。朝刊で 「しっかり回って失敗したので、悔いはないなと思った。演技ははじまったばかり。諦めるには早すぎる」。浅田の心は切れなかったのだ。失意のショートからフリーは2位に挽回し、総合3位で表彰台に立った。久しぶりの笑顔。わたしも笑顔になり、缶チュウハイで乾杯。そしてパソコンを開く。

 ツィッターには「やったね真央ちゃん」の投稿が多い。それらに私は「いいね」の♥マークを。「ババが泣いている」などほとんどが女性の喜びの声である。若く、美しく、才能のある女は、女たちから妬まれがちだが、真央は女性に支持されている。私の仲間の老女たちは真央をまるで自分の孫のように愛しんでいる。彼女のフィギュア―はバレエの白鳥を思わせる。ときどき菩薩のように見える。優しさもさることながら、ひたむきにガンバル逞しさが私たちを捉えるのではないか。くれぐれも男には気をつけてくださいね。

 スポーツの選手は結果に明け暮れている、観衆の前での結果、一瞬で決まる場合が多い。今日の☀朝刊スポーツ面で「底力 浅田3位」の見出し。菫色の衣装をまとった真央が手も脚も大きくひらいた鳥のような写真。でも4位だったらこの写真は載らず、見出しも「失意の真央」かもしれない。「まあ、一歩一歩ですね」と浅田真央のコメント。頷くわたくし。

       ♦ 頂上に立つこと叶わぬ我はいまケーキの山を崩していたり 

                        12月28日  松井多絵子  、