えくぼ

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「或るホームレス歌人を探る~その十四」

2012-12-15 15:00:09 | 歌う

  ★ 「或るホームレス歌人を探る~その十四」   松井多絵子

2009年7月6日 高野選

 ● 五月晴れとは梅雨の晴れ間 歩くこと休み一日洗濯をする  公田耕一

7月6日 永田選

 ●梅雨に入り「泣くの歩くの死んぢやふの」この三択を諾ふ朝  公田耕一

日常を自在にうたう公田はベテランの歌人めいてきた。

7月13日 馬場選

 ● 湯に沈む熱き抵抗懐かしく久方振りにひかり湯へ行く  公田耕一

コイン・シャワーではなく銭湯へ行く公田、馬場の評は「久方ぶりの入浴の感覚が心に沁みる」とあり、気分のいい歌だ。

 ❤公田さんに捧げる三首   松井多絵子

  読まれないとき本棚の本はみな直立不動、太宰治も

  雨の夜の鏡の奥のわたくしは太宰治のように頬杖

  七月のなかば過ぎれば遠ざかる太宰治はわたしの梅雨

※ 「ようやく山頂が見えてきました。私の後についてきてください」と言いながら急な山道をのぼれずに、座り込んでいる だらしない松井多絵子。